「伝統野菜の今 〜地域の取り組み、地理的表示の保護と遺伝資源〜」が発刊されたと、著者の香坂玲先生と冨吉満之先生から贈って戴いた。
著者のお2人は、東京にみえたときに、僅かな時間を利用してお会いしていて、当ブログで紹介している。
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同書には、冨吉先生も勤めていた金沢の伝統野菜「加賀野菜」と、伝統野菜のトップランナー「京野菜」を事例に取り上げながら
「第T部 曖昧なる伝統野菜、第U部 闘い、制度、そして伝統野菜の未来へ」となっている。
T部ではて、各県が取り組んでいる伝統野菜の基準の違いを的確にとらえて、伝統野菜の奥深さと、いい意味での「曖昧さ」と云う表現をしている。
研究者が求める正確性を追求していくと、伝統野菜には限界があることは事実で、これから、伝統野菜を学ぶ者にとっては、よく整理されていて分かりやすい。
また、第Uでは、伝統野菜を素材に、農業に関わる様々な制度や論点について取り上げているが、
特に、法律が施行され今年から動き出した、知的財産と地理的表示について、同制度の問題点などを浮き彫りにして指摘している。
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