先日、NHKアーカイブスに、本棚の奥から出てきたカセットビィディオを送ったことは、紹介した。
その中に、1979年に撮影した映画「東京農業と都民の暮らし」が入っていた。
当時、都市に農地はいらないとする国の政策・農地の宅地並み課税によって三大都市圏をはじめとする、都市農家は厳しい立場に置かれていた。
東京の農業は多岐にわたる都民の需要に応え、新鮮な野菜や畜産物、あるいは花などを供給し、また、観光農園・市民農園で農業に参加するなど自然にふれて頂いていた。
その農地は緑やオープンスペースとしての機能もはたしている。
このような東京農業を知って頂こうと、農業者全員が費用を出しあって制作したものだ。
映画の製作は、全国農村映画協会で、撮影は1979年7月の夏果菜のトマト、ナス、キュウリから始まり、秋冬産野菜、
さらに翌年の春まで、東京で生産される農産物の栽培形態、収穫の秋祭り、市民農園、花木の栽培、畜産等のほか都市農業の多様な形態、
さらに地域コミュニティーと都市農業とのかかわりなどを、本都41区市町村で撮影したもので、38年前の東京の農業だ。
編集とナレーションなど音入れは、麻布の「あおいスタジオ」で行われ、私と農業会議の原修吉さんが編集作業に加わり、画面を見ながらナレーション原稿を修正、加筆、時には納得がいくまで議論を交わし、2日間で完成にこぎつけた。
この映画は多くの都民に見てもらうため、都段階では16ミリフイルムやビデオテープにして、国会図書館をはじめ都立中央図書館や日比谷図書館及び関係方面に幅広く寄贈し、活用方を図った。
上の画像をタップする。
昭和54年(1979)、東京の農地面積は13.900haだったが、34年後の2013年の農地面積は半分の7.404ha(農林水産省調)になってしまった。
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