2018年02月09日

土佐最古の農業書『物紛(ものまぎれ)』が入手できた。


先日、「土佐によみがえる牧野野菜」のセミナーがあったことは、当ブログで紹介したが、
「牧野野菜」を栽培している “Team Makino” の熊澤秀治代表の話を興味深く伺った。

当日、牧野野菜以外に、関係資料も持参されていて、土佐最古の農業書『物紛(ものまぎれ)』も展示されていた。

江戸東京野菜の多くは、江戸に集まり、江戸の気候風土の中で固定化された野菜は、江戸から地方に江戸土産として持ち帰られただけに、手に取ってパラパラと数ページ開いて見た。

興味深い本なので、アマゾンから検索してみたが、見つからなかったので、高知県で農業のジャーナリストとして活躍している友人の石川清彦さんにメールで、手に入らないかとお願いした。




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上の画像をタツプする

この本、230年前の天明7年に土佐の岡本又左衛門高長によって書かれたもので、昭和57年に発見され土佐では大きな話題になったようだが、末久儀運氏によって平成3年に土佐史談選書第13巻として発行されたもの。

全5巻からなり、第1巻は『物紛乾』として、百姓に対する教訓的な内容で、「農家の主人の心がけ」「百姓の心得べきこと」「子の育て方」、等

第2巻は『続物紛巻之上』とあり、稲と麦の栽培について記しているが、稲の二期作についての記述もある。

第3巻は『続物紛巻之中』で、茄子や胡瓜をはじめ園芸作物等60数種類の作物の栽培方法が記載されている。

茄子種、胡瓜、ささげ、いんげん、小豆、芽赤芋、夏大根、ねりま大根、三月大根、生姜、小黍、蒟蒻玉、越瓜、夕顔、ぼうぶら、南瓜、小豆紅豆、夏大豆、里芋、大芋、唐芋、ほん大根、田大根、大根種取よふ、牛房、高黍、

綿、くわい、稗、むかご、芥子、秋葉、煙草、胡麻、二番稲、人参、ゆんぎく、錦大根、ほつきん菜、葱、藍、夏粟、畔植、粉豆、かぶら、弐番稗、水菜、ほうれん草、菜芥子、分葱、にらにんにく、あさつき、くわんぞう、ふき、ちさ、そらまめ、うど、蕎麦などが掲載されている。
        
第4巻は『続物紛巻之下』、これには害虫の駆除と肥料のこと、味噌・醤油・酒の遣り方等も、

第5巻は『続物紛附』では、正月から12月までの、月々の年中行事、主として神仏の祭祀を中心に記述せられている。

追伸

石川さんは、私からのメールで、さっそく高知市内の大きな書店を訪ねてくれたようだが、書店には置いてないことが分かると、発行元の高知県立図書館内の土佐史談会にまで足を運んでいただいた。

運良く、一冊だけ残っていたので購入して送ってくれた。
石川さんも欲しかったようだが買えなかったと残念がっていた。

大学の同期とは言え、素早い対応で入手できたもので
石川さんには感謝だ。


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2月20日(火)、21日(水)に開催される 「更科堀井の冬の会」の打ち合わせが行われた。


「更科堀井の冬の会」の打ち合わせに、先日麻布十番のお店に伺った。

更科堀井は、創業 寛政元年(1789)、今年数えで230年の歴史がある。
今年で3年目になる「更科堀井の四季の会」は、江戸ソバリエ協会、アトリエグー、江戸東京野菜コンシェルジュ協会、そして更科堀井のコラボで開催している。



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毎回、満席で実施していることは、参加できない方々が大勢いる。

前回の「秋の会」は、上の画像をタップする

打ち合わせに参加した、左から上原恭子理事、ほしひかる理事長、林幸子先生、大竹
後列、河合孝義料理長と九代目堀井良教社長。

青物の少なかった時期に、出荷されて江戸っ子が誰よりも先に食べたことを自慢した、亀戸大根。
地下4メートルの穴蔵で栽培した東京ウド、

早稲田の旧家の庭で発見された早稲田ミョウガの高級食材「ミョウガタケ」等、
江戸東京野菜が候補に挙がった。

「更科堀井の冬の会」は、
2月20日(火)、21日(水)18時から開催される。

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2018年02月08日

その後の早稲田ミョウガタケ、井之口喜實夫さんのムロを覗く・・・


井之口喜實夫さんの早稲田ミョウガタケの状況を見に行ったのが1月25日だったが、その後も氷点下が続いている。

予定されている2月のイベントも迫っていて、再度生育状況を見に井之口さんのお宅に伺った。





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2月12日に高円寺演芸まつりでうおこう寄席の懇親会で、食べてもらおうと思っているのと、25日過ぎには、新宿区の学校給食も予定されていることから再度見せてもらった。

上の画像をタップする
あれから11日目だが、すでに葉が開いているのもある。
例年より、大幅な遅れだが、一週間もすれば・・・・・・と、
うおこう寄席にも、快く分けていただけることになった。

皆さんお楽しみに!!



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2018年02月07日

2017年度 第6回 伝統野菜プロジェクトセミナーは、熊澤代表の「土佐によみがえる牧野野菜」


昨年の暮れに、伝統野菜プロジェクトの草間壽子先生から、「牧野野菜のリーフレット」が届いた。
高知出身の植物学者・牧野富太郎博士の名前を冠した「牧野野菜」を栽培している “Team Makino” の熊澤秀治代表が、<2017年度 第6回 伝統野菜プロジェクトセミナー>で、講演をされると云う。

熊澤代表には、5年前にお会いしていて、東京での再会を約束していた。
熊澤さんも何度も東京に来ていたようだが、お忙しかったようで、今回講演をされることが分かったことから、再会を楽しみにセミナーに出かけた。





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潮江地区とはどのようなところか、熊澤さんのハウスを、当ブログで紹介しているが、納得の地名だ。

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セミナーは草間先生のご挨拶で始まった。


高知市の潮江地区だけで栽培されていた潮江菜を持ってきての、熊澤さんの話に皆さん引き込まれた。

“Team Makino”が結成されたことは、当ブログでも紹介している。



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2018年02月06日

伝統野菜プロジェクトセミナー「土佐によみがえる牧野野菜」食べ比べと試食


伝統野菜プロジェクトセミナー、“Team Makino” の熊澤秀治代表の講演に続いて、「土佐によみがえる牧野野菜」の食べ比べと試食

「土佐によみがえる牧野野菜」は、高知県が生んだ日本を代表する植物学者牧野富太郎博士にちなんだ野菜。

それは、牧野博士に師事していた竹田功助教授(当時千葉大園芸学部)が昭和17年、家庭の事情で高知に戻るときに、高知の在来野菜の調査・採種をしなさいと指導を受け、竹田先生が収集したもので、このことは、野菜情報「6.高知県での新たな出会い」に書いた。




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お世話になったスタッフの皆さん
御倉多公子さん(園芸研究家・江戸東京野菜コンシェルジュ)
河原井靖子さん(江戸東京野菜コンシェルジュ)
草間壽子先生(食生活ジャーナリスト・江戸東京野菜コンシェルジュ)
白戸啓子さん(「野菜の食卓」主宰)
高橋芳江さん((株)果菜里屋・江戸東京野菜コンシェルジュ)
西川千栄さん(おもたせ菓子研究家・野菜果物担当)
村野恵子さん(独・農畜産振興機構)
領家彰子さん(フードコーディネーター・栄養士)
脇ひでみさん(食生活ジャーナリスト)



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2018年02月05日

第八回 高円寺演芸まつりが今年も各商店街で開催されますが、12日のうおこう寄席に来ませんか。



高円寺演芸まつりは、今年で8回を迎えるが、JR高円寺駅北口の庚申通り商店街の居酒屋「うおこう」では、毎回「うおこう寄席」を開催しているが、今年は9日、古今亭文菊、10日柳家花ん謝、三遊亭わん丈、12日に立川吉笑となっている。

うおこう寄席の席亭松井つるみさんが、2010年に二つ目になったばかりの立川吉笑さんを立派な落語家に育てようと贔屓にしていることから、今回も12日に出演する>



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上の画像をタップする
似顔絵の湯沢としひと先生が江戸東京野菜と一緒に描いていただいた似顔絵を、いご昭二さんがマップの原画に挿入してくれました。ありがとうございます。

席亭の松井さんは江戸東京野菜コンシェルジュと云うこともあり、第五回から江戸東京野菜の物語を話す機会をいただいている。

12日(月振休)・江戸東京野菜の物語を語る
今年も、12日(月振休)に機会を作っていただいた。

吉笑さんの一席目と二席目の間の時間を使って、高座に座らせていただく。

当日は、二席目の噺が終わると、懇親会が行われるが、
吉笑さんを囲んで、江戸東京野菜を使った料理をいただくことになる。

皆さん!! 江戸東京野菜を食べに来てください。

申し込みは「うおこう」
03-3339-5778 又は 080-3386-7262

追録
立川吉笑(たてかわ・きっしょう)
1984年京都生まれ。2010年立川談笑の一番弟子に。2012年ニッ目昇進。『デザインあ』(NHK Eテレ)ほかメディア出演も多い。雑誌「中央公論」や水道橋博士のメルマガなどで連載中。著書に『現在落語論』(毎日新聞出版)がある。

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2018年02月04日

深大寺第88世・張堂完俊住職も納得の深大寺そばと江戸東京野菜で食べる会の提案。


昨年の12月24日に、江戸ソバリエ協会のほしひかる理事長に誘っていただいて、一緒に深大寺一味会主催の「深大寺そばを味わう集い」に伺った。

深大寺一味会では深大寺そばを食べる会を、年2回、夏と冬に開催しているようで、夏そばを味わう会には何度かご招待をいただいているが、

暮れに伺った折の帰りに「深大寺蕎麦 門前」の店主で深大寺一味会の浅田修平副会長から、相談したいことがあり、改めてお会いしたいので連絡するとのことだった。





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浅田副会長から1月末に会いたいと連絡があったと、ほし先生から電話をいただいた。

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何でも深大寺そばを、毎年栽培し続けてきたので、江戸東京の伝統穀物として登録したいとの希望もあると云うので、JA東京中央会で江戸東京野菜担当をしている水口均さんも一緒に来てもらった。



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深大寺一味会の浅田修平副会長から伺った深大寺蕎麦の歴史


深大寺そばの歴史は江戸時代からで、三代将軍家光が、鷹狩りで深大寺に立ち寄った際にそばを食べたという記録があるとか

深大寺からそば畑がなくなったのが1961年(昭和36年) に神代植物園公園が出来た時に周辺の農地が譲渡されたことから多くの蕎麦畑もなくなってしまった。

1986年(昭和61)、浅田さんが、深大寺南町の山辺でたきぎ拾いの途中に偶然、そば畑を耕作している農家相田力三さん(檀家)にお会いして、蕎麦掻きをご馳走になる。

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江戸名所図会にある『深大寺蕎麦』


相田さんからそば粉をいただき、江戸名所図会の『深大寺蕎麦』を再現し、客人に当時の神代植物公園の柴沼園長を招いて、深大寺そばを食べていただいた。

同年12月24日には、地元産の年越しソバを味わおうと、当時の、吉尾調布市長、富沢市議会議長、金子前市長、深大寺谷住職・張堂執事長、蓮慶寺住職、神代植物公園柴沼園長、ジューキ食品社長、檀家総代富沢さん他計10名の方々に、深大寺客殿にて、味わっていただいた。

これを契機に招待客100名規模の『深大寺そばを味わう集い』として現在まで毎年12月24日実施で続いている。

また、深大寺奉賛会に、“そばを作ろう”と、お寺が有志を募った結果、“深大寺そばを作る会”が発足した。(代表張堂完俊執事長/現住職)

メンバーは、深大寺に加えて、そば店、農家、檀家の皆さんで結成された。

1987年(昭和62)には深大寺蕎麦として神代植物公園内の宿根草園の一角に、初めてそば畑を作っていただき8月12日に播種、深大寺でも8月25日に寺領を蕎麦畑に開墾して播種し栽培が始まった。
(浅田副会長から伺う) 
                 
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2018年02月03日

東京都政策企画局による江戸東京野菜のブランディング戦略に関する講義と意見交換がHPに掲載された。


東京都政策企画局による江戸東京野菜のブランディング戦略に関する講義と意見交換が、昨年12月19日に、都庁第一本庁舎7階会議室で行われた。

江戸東京野菜の魅力のPRや、差別化、高付加価値化などについて、小池百合子知事を始め、副知事、関係局長などと意見交換が行われたが、2月1日、東京都のホームページにその内容が掲載されたことから、当ブログでも初めて掲載報告する。

昨年の10月に東京都が開催した「東京味わいフェスタ2017」が開催され、江戸東京野菜コンシェルジュ協会はPRのブースを用意した。

開催初日、小池知事は真っ先に当ブースを訪ねていただき、内藤カボチャを気に入っていただく等、激励をいただいた。

この会議、当初は10月に予定されていたが、選挙等で延期になり、12月19日になったもので、有識者として、日本料理「日本橋ゆかり」二代目の野永喜一郎氏と共に招かれ、意見交換をさせていただいた。





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当日、丸くテーブルを囲んだのが、小池百合子知事を始め、
川澄俊文副知事、長谷川明副知事、猪熊純子副知事、
更に中井敬三教育長、邊見隆士東京都技監、宮地美陽子特別秘書、
そして、遠藤雅彦政策企画局長、多羅尾光睦総務局長、武市敬財務局長、藤田裕司産業労働局長で、出席局長のもとに部課長さん方も、13:00〜14:30まで行われた意見交換を見守られていた。




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2018年02月02日

メディアに紹介された 多摩・八王子江戸東京野菜研究会の取り組みは、マイナビ農業にもアップされていた。


多摩・八王子江戸東京野菜研究会では、昨年の12月17日(日)に「高倉大根を食べ尽くそう!」を開催したが、福嶋秀史代表から、1月9日「崖っぷちの八王子産ダイコン救え 生産農家は1戸」として朝日新聞東京版に掲載され

1月20日に江戸東京野菜応援歌の川村いさみさんの記事が日本農業新聞に掲載されたことも教えてもらっていた。

1月30日には、東京新聞多摩版に「高倉大根 種をつなごう」として萩原誠記者が書いてくれたと連絡をくれた。

暮れから正月にかけては、特集記事が多いことから、ようやく掲載されたが4段抜きで大きく扱ってくれたので待ったかいがあった。





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東京新聞の萩原記者と、もう一人台本ライターの福嶋誠一郎さんにお会いしていて、当ブログで紹介している。

福嶋さんは、赤いジャンバーを着ていたから、写真に写っているのが目立つ。
何でも「マイナビ農業」の取材で来ていると云っていた。

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1月22日 「日干しされ寝床で眠る大根 江戸東京野菜が奏でる八王子の冬の風物詩」

1月24日 「新規農業法人の個性的モデル江戸東京野菜の小城プロデュース」をアップした。

追伸

1月21日の「とうきょう軍鶏」も福嶋さんが執筆している。

1月6日、「伝統野菜に宿る遺伝資源 育て食べて命をつなぐ」と、
1月7日、「野菜から知る江戸っ子の物語 五輪を前に江戸東京野菜が復活」が掲載されていて、参考資料として「江戸東京野菜・物語篇」とあった。



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2018年02月01日

先月22日の豪雪にダメージを受けた亀戸駅の亀戸大根には収穫祭に向けてビニール傘がかけられていた。


3月11日(日)に亀戸大根の収穫祭と福分け祭りが、亀戸の香取神社で開催される。

この収穫祭、亀戸地区の6校の小学校で栽培された亀戸大根と、JR亀戸駅が栽培した亀戸大根が奉納されて、収穫祭が行われる。

その後、福分け祭りとして、葛飾区高砂地区の農家が栽培した亀戸大根が、参詣者に配布され、亀戸大根汁等がふるまわれる。

JR亀戸駅では、地元の伝統野菜、亀戸大根を、亀戸の住民はもとより、亀戸を通過する通勤通学の皆さんに知ってもらいたいと、そして地域に密着した活動として地元の香取神社のお祭りを盛り上げようと、20年来ホーム脇で栽培しているもの。




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この場所、南側の生垣とその隣にある木場への引込み線の高架によって直射日光はほとんど当たらない場所。

先月、22日の豪雪がまだ残っている中で、低気圧の進路によっては1日の夜以降積雪となるおそれがあるとの天気予報で・・・・、
線路脇には、ビニール傘の廃物利用でわずかに残った、亀戸大根を覆っていた。


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