高円寺のうおこうは、ご主人が魚屋「魚浩」で
隣が松井さんが女将の居酒屋「うおこう」。
松井さんから、11月中旬に電話がかかってきた。
今年度の高円寺演芸まつりは、例年通り2月だが、
11日を空けておいてと依頼されていた。
高円寺演芸まつりは15年前から町おこしの一環で実施されて
いるもので、魚浩も「うおこう寄席」として参加されていた。
当時、女将の松井さんは江戸東京野菜も応援してくれていて、
2012年の江戸東京野菜コンシェルジュの1期メンバーだ。
第2回から毎年誘われて伺っていたが、懇親会で江戸東京野菜を
料理して提供されたので、料理として出てきた江戸東京野菜の
物語について、皆さんに紹介していた。

第5回からは、前日生産者のお宅を回って江戸東京野菜を
うおこうに届けていた。
会場では半纏を着て講座に上がった。
それからは、毎回生産者の所を回って江戸東京野菜を集めてきた。
2019年のびっくり大道芸では、女流講談師田辺一乃さんが、
店の前で辻講釈で通行人を集めた。
2020年の第10回では、追録に過去の「うおこう寄席」にリンクした。

11回の2021年〜13回の2023年まで、新型コロナの拡大で、
中止をされていたが、2024年に、うおこう寄席は復活した。
しかし店の二階は片付いていないとかで、会場は変わった。
うおこうから近い高円寺駅北口からまっすくきた
高円寺シアターバッカスで、普段は映画を上映している。
そして今回は、うおこうから、5軒先の金物屋の2階で「読夢の湯」と
あるが、お風呂屋さんではなく、座敷の本屋さん。

2022年、高齢者の悲惨な交通事故が多発していたことから、
運転免許証の更新をきっかけに、車を処分してしまった。
江戸東京野菜を栽培する農家を回れなくなり集められず
江戸東京野菜を扱う青果商の果菜里屋から取り寄せている。
今回は、立川の東京ウド、江戸川のシントリ菜、練馬の亀戸大根
足立の千住ネギ等が用意されていた。
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集めてきた江戸東京野菜を講座の脇で説明した。

今回の会場には、モニターが高いところに掛かっていたので、
パワーポイントで説明した。
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話は、横道にそれながらも話したが、練馬大根の物語と、
葉ネギから根深ネギになったネギの歴史について話していたら、
約束の時間になってしまったので、田辺師匠にバトンタッチ・。

田辺一乃師匠は、司会進行から演者の講談師まで、大活躍だった。
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一乃師匠が二つ目の時に、江戸東京野菜の講談を作ってもらおうと、
亀戸でまで行ってお会いした。
江戸東京野菜は沢山あるが、主なものの物語を次々と話した。
一乃師匠は熱心だから、講演を聴きに来られたこともあった。

今回の出し物は「新宿内藤唐辛子」で、
昨年11月に、講談協会の定席新宿永谷ホ―ルでやられた。
江戸時代に、唐辛子の張りぼてを作って、七色唐辛子を販売していた。
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張りぼての中からは、一乃師匠が作った七色唐辛子に入っている、
胡麻、陳皮、内藤唐辛子の八房、四国の唐辛子、山椒に、芥子と
麻の実を取り出した。
田辺一乃師匠の江戸東京野菜の持ちネタは
1、品川蕪汁、2、寺島茄子の由来、3、府中御用瓜・鳴子瓜
4、二郎三郎種屋街道(滝野川人参・牛蒡)、5、千住一本葱幽霊
6、家斉公と三河島菜っ葉の河童、7、鷹公方と小松菜
8、綱吉様と練馬大根、9、新宿内藤唐辛子、10、おいねのつる芋
11、竹翁筍大作戦、12、ジョン万次郎と亀戸大根等・・・

講座は終わったが、辻説法で立ったままで、東京オリンピックの
入場行進国の順を話すと云って始まったが、お客様も立ったままだ。
1964年のオリンピックを知る年代のお客様は、聞き入った。
「大選手団の入場行進・・・
7万5千の大観衆、息を凝らして北口ゲートを見守るうち、
まず一番手はギリシャ、オリンピックの発祥の国、
次からはアルファベットの順で、アフガニスタン、アルジェリア、
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア・・・・・・・
(国名がリズムよく出で来る)
・・・・・・・ケニア、韓国、レバノン、リベリア、リビア、
リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、マダガスカル、マレーシア、
・・・・・(まだまだ続く)
・・ウガンダ、ウルグアイ、アメリカ、ソ連、ベネズエラ、ベトナム、
ユーゴスラビア、そして94番目開催国日本。」と一気に呼び上げた。
お客様から、拍手が続いた。
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この会場は、本屋さんでオーナーの渡邊さんが気に入った本が
置いてあると云う本屋さん。
講座が終わると、うおこうで懇親会が予定されているが、
お客様はしばし本を読んだり探したりしていた。
懇親会では新たな出会いがあったので後日紹介する。