2014年02月05日

「懐かしい江戸へいらっしゃいの会」が銀座で行われるというので出かけた。


昨年、「懐かしい江戸へいらっしゃいの会」を主宰する梅田万紗子さんから電話をいただいた。
なんでも江戸東京野菜の本を買っていただいた方で、これまで野菜の話をした方がいないのでお願いしたいとと云う。
昨年、ホテルニューオータニで開催されたすきや連の例会で、江戸東京野菜の卓話を聞いてくれた、新橋のすき焼きの老舗「今朝」の藤森朗社長が、推薦もしてくれたようだ。

具体的にいつと云うことでもなかったが、2月に第102回の江戸の会(通称)があるから、様子を見に来ないかとご案内をいただいたので伺った。



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当日は、藤森社長も来てくれて、語りべの講演を伺った。

「浮世絵と摺師のことなど」
語りべは、土井利一氏と朝香元晴氏で、会場には土井氏が集めた資料や、朝香氏の作品、版木などが展示してあった。


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 土井氏は、大田区出身で、キリンビール在職中から、「昭和の広重」といわれた川瀬巴水を中心に収集、研究してきた。
定年前に退職し、6年前から収集品を展示する「土井コレクション展」を開いている。

伝統木版画は、版元、絵師、彫師、摺師の協働作業で作られて、各々は対等だが、刷り上がったものを見ると、絵師と版元は描かれているが、彫師や摺師の名がないのが一般的。

そこで、土井氏は、江戸期から現代までの彫師と摺師の経歴調査を進め、約3,000名のデータベース、私家版「伝統木版画彫師摺師新名録〜浮世絵技術を継承した職人たち」にまとめたと云う。

伝統木版画の中でも、三代目歌川豊国の描いた「役者見立 東海道五十三駅」には、「彫竹」と「摺大久」の文字。
「彫竹」は彫師の横川竹二郎、「摺大久」は摺師の大海屋久太郎を指すそうだ。



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 朝香元晴氏は、高校生の時に浮世絵の研究者として有名な高見澤忠雄先生に出会い、「色気づく前に、京都に彫師の名人がいるからすぐ行きなさい」と言われ、高校を中退して17歳で京都の名人彫師・菊田孝次郎に弟子入り
その後、摺師・菱村敏とともに木版画工房を構え独立。現在、新宿富久町にて木版画教室を開設中。

美人画になると、髪の毛の生え際、毛割りは、昔の名人は1ミリに6〜7本も毛を彫るが、朝香氏は4本しか彫れないというが、現代のトップクラスの技術だ。

雪舟画秋冬山水図、等伯画誌松林図及び多くの復刻浮世絵を手がけ、文部大臣認定浮世絵彫摺技術保存会会員。

版木は山桜を使用するが、1枚に裏表を掘る。




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和紙を湿らせ、摺るごとに乾燥させないようにしながら

特別のバレンを使って摺る。
バレンは十数万円もするそうだが、九州産の竹の皮を使ったもので、竹皮を細かく裂いて編んだ「縄」。
和紙を重ね張りし、呂の布を張り最後に漆を塗り、時間をかけて漆で仕上げた「当て皮」を、「竹皮」で包む、手間のかかったものだ。

九州産の竹と云うから、島津家が中国から輸入して普及した江南竹(孟宗竹)の皮かと思ったが、和竹と云われる真竹だそうだ。

摺師は、幾つかのバレンを使い分けるのだと云う。

朝香さんが復刻した版木を使って、ぼかしなどの技法を披露する等、
葛飾北斎の名所浮世絵の連作「富嶽三十六景」の一つ、「神奈川沖浪裏」を摺上げた。


追録
        

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講演の後、懇親の席が設けられた。

講演会が終わると、全員が手伝って、テーブルを寄せ合って、懇親の席が出来上がった。
お弁当が配られ、日本酒にビールなども出て・・・。

その後に予定が控えていたので、ビールをいただいて先に失礼したが、
これも、皆さん、楽しみにしているようだった。



posted by 大竹道茂 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | イベントの紹介
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