一昨年、宇都宮大学で開催された「だいこんサミット」に招かれた時に、練馬大根栽培の第一人者・練馬区平和台の渡戸章さんに、練馬大根の採種のポイントについて伺った。
その時伺った、採種用の個体を選ぶノウハウは、
まず、葉を見て採種する個体を選ぶということを教えていただいた。
昨年、「伝統野菜は長老に聞け!」で渡戸さんにお話をしてもらったが、採種ポイントの写真が十分でなかったので、改めて撮らせていただいた。。
2番目のポイントは、葉を見て抜いた大根の中から、昔から伝わるプロポーションの個体を採種用として選ぶという。
練馬大根は、12月には抜いて干してしまうものだから、年明けに畑にあるのは採種用に残してある大根だ。
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渡戸さんに、無理を言って、採種用の1本を抜いてもらった。
昔ながらのプロポーションの練馬大根だ。

そして3番目のチェックポイントは、3分1の所で、カットして細胞を見るという。
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切り口が、このようにみずみずしいのなら問題ないが、白い綿のようになっている細胞がある場合は、細胞の老朽化で、そこから「ス」が入りやすくなることから、その個体は廃棄するという。
渡戸さんが選び出した大根には、老朽化した細胞の出る大根は、殆どなくなっているという。
細胞も問題なかった大根は、抜いた畑ではない別の畑に、寝かせるようにして植え込み、4月には抽苔する。
渡戸さんの話は、機会あるごとに、伝統の採種方法として紹介しているが、「ダイコンを切ってしまっていいの?」と云う質問もあったので、渡戸さんに実際に切ってもらった。
これらポイントは、東京都農林総合研究センターが保存している「細密画」に残っていた。
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渡戸さんに、改めて採種用の練馬大根を説明してもらったが、葉の大きさがコンパクトなもの、葉の輝きなど、優れたものを選んでいた。
渡戸さんが忙しい中、快くこの写真を撮るのに協力してくれた。
お蔭で、次代に伝える説得力のあるパワーポイントをつくることができた。