第1回 銀座 Veggies AL KENTRE 寄席
『落語と江戸東京野菜とイタリアン』が、先日、銀座のアルケントーレで開催された。
ステージには、跳び箱のような高座が設けられていて、めくりの代わりに、春風亭ぴつかりの額が用意されていた。
出演する落語家は、春風亭小朝師匠の愛弟子 春風亭ぴっかりさん。
二つ目になって3年目とか言っていたが、笑顔が可愛い娘さん。
現在1000人以上いる若手落語家の中でも、女性の落語家は20数名だとかで、中々独演会の機会は少ないと云う。
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ご本人も驚いたようだが、まさに高座 !、で、ぴっかりさん、ちんまりと座布団に座ったところで「バカラのグラスになったような気分です !」と笑わせた。
枕は、二つ目としての仕事ぶりや、苦労話を面白く話したあと、小朝師匠が良くやっていた古典風新作噺「コウモリの恩返し」と、古典の人情噺「ねずみ」をたっぷりと語った。
古典は良いものだ。
古典から新作まで幅広い噺をする小朝師匠の弟子だけに、聞かせてくれた。
高座から降りて踊りを踊ると云ったが、足がしびれたと屈伸運動をして笑いを取ってから、扇子をたくさん使って「松づくし」、
寄席の伝統芸は受け継いでいる。
撮影は枕の所だけと云われていたので、じっくりと語るところや、踊りは撮ることはできなかった。
「今日はお料理のおまけとして聞いてください !」 と云っていたが、どうしてどうして、真打には10年と云う世界、基本の出来た人気の噺家に育つことだろう。
開会にあたって、この企画をブロデュースしたHiromi Satoieさんが挨拶をされ、開催の趣旨などを述べられた。
H.Satoieさんは、これまでフードアナリスト、オーガニツクライフスタイリストとして活躍をされてきたが、ここ数年、江戸東京野菜にも注目をされ、今回は江戸東京野菜コンシェルジュとして交流のある、小平市の宮寺光政さんが栽培する江戸東京野菜を、野菜にこだわる銀座の「ヴェジス・アルケントーレ」でいただくと云うもの。
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新橋駅から歩いて5分、ビルの横を東海道新幹線が・・・・・
H.Satoieさんは昨年から準備をされてきていて、今回の伝統芸能は、落語で ♪愉しく笑って 美味しく食べて ♪ で、春風亭ぴっかりさんが熱演したもの。
会場の30席は満席。
H.Satoieさんの配慮で、江戸東京野菜についてひと言案内をさせていただいた。
ぴっかりさんの噺「ねずみ」は、仙台伊達藩城下での左甚五郎の人情噺、
実は当日は三河島菜と馬込三寸ニンジンが食材として使われるところから、伊達藩の足軽が江戸から三河島菜のタネを持って帰り、仙台では「仙台芭蕉菜」として、栽培され続けられていた、三河島菜の物語りを紹介した。

突出しは、馬込三寸ニンジンのムースに刺さったパンに、バジルのソースをムースに付けて戴いた。
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また、振舞い酒は合鴨に雑草を食べさせるという無農薬無化学肥料で栽培されたお米で醸造された「笑鴨」をいただいた。「茨城アイガモ水田トラスト」の世話人平野清子さんが見えていた。
カボチャのニョッキは、モチモチ感と、ルッコラ・セルバチコがアクセントで美味しかった。
紫芋のピュレスープ。
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ぴつかりさんは、お料理ごとに各テーブルを移動して、参加者と親しくお話をされていたが、我々のテーブルにもやって来た。
ぴっかりさんに、8代将軍吉宗が小松菜の名付け親だったことを紹介したが、伝統野菜に興味を持ってくれたようだった。
写真左から、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の佐々木昭理事、納所二郎理事長、宮寺さん(写真右端)
メインディシュは、鮮魚と海老のムース蒸しに、クリームソースがかかっている。
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野菜は宮寺さんが栽培した江戸東京野菜の、青茎三河島菜と馬込三寸ニンジン。
そして、赤ダイコンと黄緑カリフラワーも納品された。
黄緑カリフラワーは、茹でると一部黄色の部分が抜けて、部分的に緑が残って、ツートンカラーのカリフラワーとなる。
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写真右から、レーズン入りのファーブルトン、三河島菜のジュラード、フルーツトマトのコンポーネント。
宮寺さんの野菜を食べ終わったところで、生産者のご挨拶。
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食材の、三河島菜(青茎)と、馬込三寸ニンジンは露地で栽培しているが、この時期、風や霜で外葉が傷んだことから、この時期としては小振りだ。
そこで、赤大根や、黄緑ブロツコリーを納品したようだ。
最後に同店の木村喜代通シニアマネージャーが、お店を紹介。
店の名前は、スーパーマンのクラークケントからとって、イタリアンらしく「ケントーレ」になったと・・・。
最後に、次回のチラシが配られたが、「クラッシックと江戸東京野菜とイタリアン」だとか。
今後とも、H.Satoieさん(江戸東京野菜コンシェルジュ)の活躍に注目していきたい。