2015年01月30日

高知県から招かれ、伝統作物活用研修会で江戸東京野菜の戦略を語る。


 全国的に地域の伝統作物が話題になっているが、高知県でも地域に根ざしたさまざまな農産物、「伝統作物」が栽培されている。

交配種の時代、流通に乗りづらいことから、収益性が低く、さらに食生活の変化による市場性の低下といった理由により、姿を消したものが多々あるようだ。

このような中で、高知県としても地域に残された在来種、伝統作物の栽培体制を整え、地域のブランド野菜として、販売や加工品の原料として確保するなど、特色ある地域資源として生かしていこうと取り組みが始まっている。

高知県が山形大学の江頭宏昌准教授を招いて、伝統作物活用研修会を昨年から実施しているが、その効果が表れつつあることは、当ブログで紹介した。






1-1.JPG

講演T(13:20〜14:50)
 演題「在来カブと焼畑農業〜私たちは何を食べて生きてきたのか〜」
     講師 山形大学農学部准教授 江頭宏昌氏


江頭先生とは、昨年東京に見えた時にご案内をして以来で、再会を楽しみにしていた。

上の画像をクリツクする
江頭先生の「在来カブと焼畑農業」は、興味深く伺った。
高知県でも「弘岡カブ」「大道の昔カブ」「大平カブ」「田村カブ」等かあり、参考になるお話だった。
また、農耕における火の役割、焼畑のメリットを初め、火入れの準備や、養分の収支など、

焼畑での藤沢カブを見せていただいたことがあったので、懐かしく思い出しながらお話を伺った。



2-1.JPG

高知県農業振興部・味元毅部長の主催者挨拶で始まった同研修会は、

上の画像をクリックする
地域農業推進課・井上守チーフの進行で、江頭先生の講演に先立ち、同課の原昌子専門技術員が、高知県における伝統作物の栽培・利用の状況について報告された。

今回、伺うに当たって地域農業推進課の杉本久典課長補佐と原昌子さんには、メールのやり取りなどお世話になった。

余談だが、味元部長に頂いた名刺に、「高知家」のロゴ。
何でも、高知県民は皆家族という意識を提唱しているそうで、空港にもポスターが掲示されていたが、素晴らしいことだ。




3-1.JPG

 
講演U(15:00〜16:30)
 演題「在来野菜を地域の財産に〜江戸東京野菜のマーケテイング戦略〜」

として話をさせてもらったが、

品川カブの事例、寺島ナスの事例、三河島菜の事例、

亀戸ダイコンの事例、第五砂町小の事例、等を参考にお話した。

上の画像をクリツクする
質問も沢山いただいた。






4-1.JPG

上の画像をクリックする
会場の後ろには、
「伝統作物活用実証事業における取り組みの紹介事例として、

四万十町十和の大道の昔野菜が展示された。






5-1.jpg

また、仁淀川町の田村カブも展示された。





6−1.JPG

写真左から、高知工科大学地域連携機構 補完薬用資源学研究室長の渡邊高志教授。
四万十町奥大道の武内榮さんは伝統作物実証圃で、大道の昔野菜カブ、ダイコン、タカナを栽培されている。

高知工科大学地域連携機構 補完薬用資源学研究室の竹田順一主任研究員。
竹田先生は、農大の同窓だそうで、高知出身の牧野富太郎先生の指示で東京で採種した野菜のタネが高知に残っていると云う情報を聴かされた。ビツクニュースだ。

野菜ソムリエの斉藤香織さん、斉藤さんは東京杉並から移り住み、同県宿毛と大月のレシピ集も発行するなど活躍している。

会場では、大勢の方々と名刺交換を行った、
RKC調理師学校の三谷栄子校長、野菜ソムリエの押岡洋子さん、塩の邑の森澤宏夫氏、県計画推進課西森京子地域支援企画課員、県中央西農業振興センター濱渦光彦所長、高知農業改良普及所村田隆則所長、JA高知中央会森本健一氏、高吾農業改良普及所縄砂恵子所長、高知新聞の市川亨編集委員、古井永伍記者の皆さん。
飛行場では、農業振興部環境農業推進課の野村守由チーフにもお会いした。

現在、絵本塾出版の「まるごとシリーズ」の構成と絵を描いている野村まり子さん(高知出身)のご親戚、岡田規子さんが、わざわざが黒潮町から農家のお友達と私の話を聞きに来てくれた。
ゆっくりお話はできなかったが、黒砂糖と黒塩をお土産に戴いた。恐縮です。


追録


昨年の3月、知的財産と伝統野菜の件で特許庁の方と全国各ブロックを回った時、中四国会場の広島に、高知にお住いの東京農大の同級生・石川清彦さんが聞きに来てくれたが、今回も高知龍馬空港に迎えに来てくれて、会場まで連れてきてくれた。

石川さんは、県の園芸蚕糸課長や農業学校の副校長、普及所長等を歴任していて、現在はジャーナリストとして県の農業情報を発信している。
今回の伝統作物活用研修会についても書いてくれた

追伸


研修会終了後、田村蕪式会社プロジェクトが企画する、田村カブを食べるイベント「田村カブDays 2014」を予約している。



posted by 大竹道茂 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック