4月にソシエテミクニの若いシェフの皆さんが、東京産ワサビの栽培地を見たいと云っていると、NPOおいしい水大使館の阿部千由紀さんから聞いた。
月曜日が休みだというので、ワサビの花が咲く頃で、日程調整をしたが、生憎、週間予報で東京は雨、特に山の天候は変わりやすいことから、お願いしていた千島わさび園の千島国光さんからの電話で、危険だからと延期になっていた。
2ヶ月以上経過した先月末に、再度計画して欲しいという依頼があったので、日程調整をして案内したが、
事前に、東京都公園協会の季刊誌「緑と水のひろば」に掲載した、「奥多摩わさび」の記事を資料として送っていた。
奥多摩に、来られたのは、四ツ谷にお勤めの、佐藤茂樹シェフ、松下信行シェフ、林一哉シェフ、
それと、阿部さんと、食生活アドバイザーの芳賀緑さんの5人。
林シェフは、都市大学附属小学校で実施している「ミクニレッスン」でお会いしている。
また、芳賀さんは、東京農大時代に、江戸東京野菜を卒論のテーマに選んでいて、当ブログで紹介した。
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千島さんは、ワサビ田の作業が忙しいと云うので、事前の了解を取って鳩ノ巣西川の水源近い、ワサビ田に私が案内した。
この、ワサビ田に行くのは今年になって3度目で、奥多摩のワサビ田を語るには、諸条件が揃っているので、シェフの皆さんも案内した次第。
これまでは、山道を登るにしても、先にたって休みながら登って行ったが、今回は、皆さん若い方々だったので、むしろ、先頭の私が、皆さんに追われる形になってしまい、疲れた。
ワサビ田には、伊豆狩野川の伏流水を利用した栽培、信州穂高の伏流水を利用した大王わさび園など観光ワサビ園などもあるが、奥多摩ワサビとの栽培上の違いや、ワサビ田の構造などについても説明を行った。
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抜いたワサビを流れで土を落としたところで、持参した自慢の鮫皮おろしを取り出して、「誰か・・・・。」
松下シェフが受け取ってくれて、おろしてくれたが、さすが料理人。
上手に擂って、自分で舐めたが、顔をしかめていた。
奥多摩でソバを食べさせる丹三郎は、丹三郎集落の庄屋名主を代々受け継ぎ、200余年の歴史ある旧家。
昼は、丹三郎のソバを食べようと、千島さんの紹介もあり、ワサビ田(海抜800m) から携帯で予約をいれていたが、
平日だと云うのに、満席で30分ほど待たされて、1時半になってようやく座敷に案内された。
せいろ蕎麦に、蕎麦がきを注文したら、セットなら甘いものも付くというので、全員セットにしてぜんざいを注文した。
千島さんのワサビで食べたいからと、若女将に了解を取って、持参した鮫皮のおろしを出すと、小皿などを出してくれ、松下シェフが率先して擂ってくれた。
ワサビは、そば汁に溶かさず、そばに乗せて食べたが、せいろそばに良し、そばがきに良し、奥多摩ワサビの香りと、辛味、甘み等を皆さんに堪能していただいた。
3人のシェフと阿部さんは、千島わさび園で別れたが、シェフの皆さんにとって勉強になるだろうと、西東京にあるハーブ園の新倉大次郎さんに連絡をとっておいたので、
帰り道、阿部さんの案内で、新倉ファームと、早稲田ミョウガの井之口喜實夫さんのお宅に寄って生産者との意見交換をされたと伺ったが、皆さん熱心で終わったのは暗くなっていたと阿部さんから伺った。