2015年08月07日

第1回 鎌倉大根プランコンテストの、ゲストティーチャーとして江戸東京野菜を伝えた。


6月だったか、鎌倉の大根料理店の女将さとうえださんから電話をもらった。

えだ女将は、鎌倉市佐助に平成10年に、大根料理の店「福来鳥」を創業して17年になるが、パトス誌(2009 VOL.56)に、大根料理の店として紹介されている。

店を始めた頃から、えださんは地元の佐助稲荷神社に伝わるダイコンを復活栽培できないかと、周りの人たちに云っていたという。

昨年、鎌倉を熱くしたい人たちが集まるカマコンバレーの定例会で、永年の思いを吐露すると、慶応の学生 土肥梨恵子さんが、手を挙げて、私がやりますと受けてくれたという。

その後、土肥さんは、静岡三保地域活性化プランコンテストに参加して、ブラコン手法を学んだりしていて、今回の「鎌倉大根プランコンテスト」の実施につなげた。

ゲストティーチャーには、神奈川県農業技術センターの大根の専門家が、早々に決まった。

一方、えだ女将は、たまたま手に取った「まるごと だいこん」(絵本塾出版) を読み、大根について大人が読んでも面白い本なので編集長に電話で、大根の物語を話をしてくれる人を紹介してほしいと相談をしたら、監修の大竹を紹介してくれたのだという。




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鎌倉大根を栽培したいという、えだ女将のお気持ちは理解したが、ご希望のお話が出来るかわからないので、新宿御苑で開催する「江戸東京野菜」の講座を聞いてからにしてほしいとお伝えした。

えだ女将は暑い中、新宿まで来ていただきご参加いただいて、楽しんでいただいた。そして、結果ゲストティーチャーを依頼され、数日後、「農」のある暮らしづくりアドバイザーとして(一財)都市農地活用支援センターから派遣を指示された。

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プランコンテスト当日は、東京駅近くの商業施設「KITTE」で、「にっぽん伝統野菜フェア」が実施されていたが、次世代を担う大学生の皆さんたちに、江戸東京野菜について知っていただく良い機会なので、フェアは納所二郎理事長のお願いして、鎌倉に向かった。

シェアスタイル創造人の太田賢太郎さんが鎌倉駅まで、店の車で迎えに来てくれていた。
鶴岡八幡宮の出口とは反対の西口で、銭洗い弁天へ行く途中に「福来鳥」があり、その先に「佐助稲荷神社」がある。



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挨拶に立った、土肥さんと、えだ女将。

今回のコンテストは、大根専門料理店「福来鳥」の女将さとうえださんと、
「鎌倉から新しい大根文化をつくり出す」ための、 1泊2日の地域密着合宿型プランコンテスト!

土肥さんが作成した案内には、特典としては、
TVや雑誌でも取り上げられる程人気の「かまくら福来鳥」の大根料理を特別にいただけます。

2日間だけでない大根との関わり 今回参加した方には特別に、 今後も「鎌倉大根イベント」に招待します、とあった。

<今後の予定> 8月中旬 大根植えイベント 11月 収穫イベント 12月 「大根炊き」イベント
参加費: 3000円(宿泊・食費代込み/当日支払い)

参加者は、土肥さんの後輩やネットワーク、カマコンバレーの参加者など、皆さんが集まった。

慶応義塾大学1年生4人、2年生3人、3年生2人、立教大学2年生1人、早稲田大学院生2年、東京農業大学1人、で、3チームに分かれて、プランをまとめるというもの。






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ゲストティーチャーとして最初に指名を受けた。

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「江戸東京野菜」を聞いたことのある人!、と皆さんに訪ねたところ、2人の方が手を挙げてくれた。

今日来てよかった。知らない方々が多い中での話には、力が入る。
因みに、聞いたことがあると云ってくれた1人は、練馬育ちの慶大生で、練馬大根引っこ抜き競技大会が行われていることも知っていた。


大根の話に絞ったことから、
えだ女将も、立って聞いてくれ、新宿御苑では話さなかったこともお伝えした。

神奈川の伝統野菜として知っている大根も映像で紹介した。
「波多野大根」「三浦大根」「寺尾二年子大根」「横浜中部の中太り大根」そして鎌倉時代の大根の事だから「三浦半島のハマダイコン」についても・・・。




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地元のゲストティーチャーとして、神奈川県農業技術センターの原康明研究課長〈三浦半島地区事務所〉がお見えになっていた。

神奈川県では、三浦半島地区事務所の原課長のもとで、三浦ダイコンの改良研究を行っていて、
同所で育成してきたダイコン白首総太り系統と横浜植木系統のF1系統について、特性を検定するとともに、現地での試作を伊勢原、厚木及び三浦で実施している。

何れも、白首総太り型の根形を安定して示し、生育が早く、食味も青首だいこん‘耐病総太り’と同等で、品種として有望と考えられたことから、「湘白」として品種登録申請を行ったと云う。
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野菜本来の味を知ってもらえるように、調理されていた。

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お料理の数々は、冷やした大根スープにミニトマト




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スペシャル大根ディナー
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お料理を戴きたかったが、丸の内で行われている「にっぽん伝統野菜フェア」は、夜20時までなので、お料理の写真だけ撮って、「KITTE」会場に戻ったが、19時だった。




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女将の人柄にひかれて、永いお付き合いのお客様も多く、今回は支援者としてお見えになっていた。
愛犬の犬友・平山眞さん(写真私の右隣)と博子さん(眞さんの前)ご夫妻。

支援者のひとり、山口勉さん(写真右端)はリタイヤの後、平塚で野菜三昧の日々を楽しんでおられ、テーブルに並んだ野菜は持ってこられたものだが、相当な技術た。

立教大学経営学部の北村さんが参加していたので、同大の経済学部では江戸東京野菜の「雑司ヶ谷ナス」を校内で栽培していることをお伝えしたら、今度校内を探してみると云っていた。

早稲田の院生・古賀さんには、早大生による大学周辺の早稲田ミョウガの捜索隊を結成し発見。
早稲田ミョウガで東北支援をしていることも伝えた。

慶応義塾大学の三田には、伝統野菜は無かったのかと、同校OGの向笠千恵子先生から尋ねられた話は、当ブログで紹介している。

今回は、大根の話だったので話す機会はなかったが、今回参加した同校の皆さんに、三田キャンパス内に薩摩藩邸にあった「孟宗竹」を植えるような「プランコンテスト」を実施してもらえないか相談しようと思っている。

東京農大醸造科学科の佐藤さんはFaVoの2代目代表で活動の資料を戴いたが、江戸東京野菜の食育の取り組みに興味をもっていただいたので、江東区立第五砂町小学校の事例を紹介した。

追伸

後日、えだ女将から、プランコンテストの経過について電話をもらった。
3チームとも、全員が熱心にプランを出し合ってくれたとかで、「鎌倉から新しい大根文化をつくり出す」ヒントをもらったようで、涙が出るほどうれしかったと・・・・。

追録


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福来鳥に着いたのは13時を回っていたが、えだ女将は食事を用意してくれた。

カツオの揚げ物と野菜のピクルスに、ジャガイモが入っていたが、始めていただいた、美味しい。

メールで連絡を取り合っていた福来鳥のスタッフ、菅沼怜子さんと鷲崎あづささんにもお会いした。



posted by 大竹道茂 at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説の鎌倉大根
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