2015年08月30日

府中御用ウリの試食で、江戸時代初期の甘さの度合いを知った本宿小の4年生。


府中市立本宿小学校(松下雄太校長)では、府中市の伝統野菜・府中御用ウリの栽培復活を、総合学習の時間で取り組んできたが、このほど収穫した府中御用ウリの試食を行った。

府中御用ウリの復活栽培は4年生(3クラス118名) が、授業として5月26日から始まり、
地元の農家、石川孝治さんの指導で、クラスの代表が定植を行ったことは、当ブログで紹介した。





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少し早く着いたので、石川さんと、菜園を見に行った。
8月中旬にすでにいくつか収穫したようだが、菜園には1つ腐っていたが3個ヘタ落ちしていて、良い匂いをさせてた。

118名が、試食するには足りないので、石川さんが栽培した府中御用ウリを提供してくれていた。

授業までは30分ほどあったので、松下校長とお話する機会が持てた。

授業としては、5月と今回の2回だが、府中市の歴史に関わる伝統野菜を、縁のある地域の小学校として、継続的に次世代に繋いでいくため、今回同校で収穫した府中御用ウリの種を、来年度の4年生に引き継ぐことを提案した。


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今回の授業は3時間目(10時35分〜)に視聴覚室で行われた。
学年主任の三田実加教諭が、生徒達の礼状を送って戴いたことは、当ブログで紹介したが、その手紙を読みながら、補足説明を行った。

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「家康親子がまさか、府中に来てマクワウリ栽培をしていたとは、知りませんでした。」

JR府中本町駅の東側に、徳川家康の「府中御殿」があり、発掘されたことも紹介した。
そこには、豊臣秀吉も招かれたという記録があるようだ。

「みぢかに行っている大国魂神社にも、家康がお参りにいっているなんて知りませんでした。」

何故、大国魂神社(六所宮)に来たのだろう、
家康は豊臣秀吉から関東への領地替えを命じられたわけで、まず、関東総鎮守の大国魂神社(六所宮)にお参りに来た。
「府中御殿」は、家康が江戸に入城した天正18年頃に建築されている。

難しいと思ったので、言葉を選んで、やさしく話をした。

石川さんは、栽培上の難しい点を、ホワイトボードを使って説明をした。
特に、マクワウリは孫づるに実がなることから、親づる、子づるの芯止めをして、孫づるを伸ばしたと・・・。





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クラス毎に、府中御用ウリを配って、どんな匂いがするか、触った感触はどんな感じか、等について、質問をした。

「メロン!」と答えた生徒が一番多かったが、「バナナ!」なども数人いた。

触った感触は、「ざらざら」している。
硬い産毛が生えているような感触で、今度顕微鏡で調べて見ようと思っている。

ウリ科の中でも、このような感触のウリは、江戸では他になかった。





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今度は試食だ!。

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当日府中御用ウリを切るのでは、時間が無いので、前日の午後、石川さんに学校に持って行ってもらった。
三田先生には、切ったものを食べられるようにしておいてくださいと、お願いしていたが、
アルミホイルで、包んだものを班ごとに手渡した。

神経を集中して味わってもらうために、小さく切ったものを用意してもらった。
ほんの少しだが、これで十分だ。

みんながメモをしていたが、三田先生から、まだ残っているので、お代わりがしたい人は、並んでと云うと、行列ができた。 

どんな味だったかを聞くと、「甘い!」と云う生徒の他に、「微妙!」、「苦い!」と云う生徒もいた。

そこで、この甘さが当時「甘くて美味しい」と云われた甘さだということを伝えた。

砂糖を作るために、砂糖キビの栽培を普及したのは8代将軍吉宗で、2代将軍秀忠の時代から100年以上も後の事で、今日甘いものを何でも食べられる幸せを、改めて伝えた。

追録


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同授業には、東京農大の佐藤千晴さんが参観していた。
佐藤さんは、第五砂町小学校の砂村一本ネギの復活栽培も参観していたが、

府中御用ウリの試食の授業があるというので、参観されたもの。
松下校長に質問する等、色々と勉強になったと語っていた。

尚、同校の授業は「農」のある暮らしづくりアドバイザーとして(一財)都市農地活用支援センターから派遣されたもの。


posted by 大竹道茂 at 00:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 江戸のマクワウリ各種
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