千住ネギの復活については、荒堀安行農業委員会会長が、昨年から準備をされてきたが、今年の6月には、足立区教育委員会の定野司教育長の協力を頂き、平野小学校、栗原北小学校、千寿双葉小学校で実施することが決まり、7月には近藤やよい区長に、ご報告に上がっている。
足立区の伝統野菜・千住ネギについては、都市化の進行の中で、農地面積も減少したことから、栽培期間が長期にわたるネギ栽培は、集約型農業に変わったため、固定種の千住ネギの種はなくなってしまった。
現在足立区で最も多い農産物は、栽培期間の短い小松菜で、周年で何回転もさせていて、それ以外は枝豆、ブロッコリー、ネギという順になっているが、今作られているネギは一代雑種の交配種で伝統野菜ではない。
当日は、平野小学校が9:35〜、栗原北小学校が11:30〜、千寿双葉小学校が13:35〜で実施された。
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荒堀会長は、生徒達を前に「今はなくなってしまった足立を代表する伝統野菜「千住ネギ」を、いつか復活させたいと思っていました」と述べ、
「千住ネギの種が、あることがわかり、次の時代を担う足立区立の小学生に栽培していただきたいと思っていましたが、本日実現して嬉しく思います。
来年の6月には種を採種し、後輩たちに種を引き継いでいただき、足立農業の歴史として千住ネギを大切に育て伝えてほしいと思っています。」と挨拶した。
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平野小の荻野雅彦副校長、栗原北小の三宅文夫校長、千寿双葉小の小幡育代校長には、理解と協力をいただき、
足立区69校中3校に選ばれたと、生徒達に話された。
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荒堀会長は挨拶に続き、農業生物資源研究所・ジーンバンクに保存されていた「千住一本ネギ」の種を生徒代表に手渡し、「来年は君たちが後輩たちに手渡してください」と伝えた。
パワーポイント「千住ネギの話」を作っていった。
ストーリーは、
農業には、野菜、稲作、果樹、酪農、養豚、養鶏、そして花、等を紹介。
江戸期の足立は、隅田川、中川、綾瀬川、毛長川など流れ、その川から用水を引いて、稲作農業が盛んだった。
野菜は、クワイ、蓮根、セリ等の他、里芋、ミツバ、コカブ、そして千住ネギも・・・
クワイの写真を見せたが、チューリップの球根?、と言う生徒はいたが、クワイを知っている生徒はいなかった。
隅田川に架かる千住大橋の近く、交通の要所だったことから千住青物市場が出来たのは、430年以上も前とも云われている。
1911〜1930に荒川が開削された。
足立区の農業については、農業委員会事務局の今(こん)茂さんに後日、、ユー・チューブにあると教えて頂いたので紹介する。
千住ネギについては、ネギの品種や、土寄せなどの栽培法など、種採りまでの一連の栽培について説明した。
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農業委員会では、議会推薦の鹿浜昭氏(足立区議)と農業協同組合推薦の田中忠穂氏(JA東京スマイル副組合長)をはじめ、各地域代表の農業委員さん方が参加されて、生徒達を指導された。
栗原北小学校は4年生2クラス、80名
千寿双葉小学校は、4年生2クラス、56名
荒堀会長をはじめ、各農業委員さんが、見回って指導された。
プランターに蒔いた種は、農業委員さんの指導で、11月頃、各校ごとに菜園に移植し、生育状態を見ながら改めて土寄せなどのネギ栽培の技術を体験することになる
千寿双葉小は、屋上菜園のため、畑の土が浅く土寄せが出来るか、小幡校長は心配されていた。
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写真上は、千寿双葉の屋上菜園、写真左上は、荒川の上に架かる高速道路が間近に見える。
写真左下は、平野小の菜園、農家の畑を借りているもので、綺麗に管理されていた。
写真右下は、栗原北小の学校菜園。
これから冬に向かっての栽培は難しいが、病害虫に注意しながら大切に育ててもらいたいものだ。
各校には、荒堀会長の車に乗せていただいて回ったが、
同区農業委員会の石鍋敏夫事務局長、白田正博事務局事務主査、担当の今茂さんは先回りして会場設営や写真を撮っていただいた。
また、教育委員会からは、杉岡淳子教育政策課長も授業を見守られた。
皆さんありがとうございました。
尚、各校の授業は同区農業委員会の要請により、「農」のある暮らしづくりアドバイザーとして(一財)都市農地活用支援センターから派遣されたもの。
当日は、j−comが、カメラをまわしていて各校の様子は放送され、読売新聞、日経新聞は地元版に翌日掲載されたいう。
遅くなったが9月24日の産経新聞は東京版で「『千住ネギ』復活へ」「足立区の3小学校児童が種まき」「命つなぐ大切さ学んで」として掲載してくれた。