2015年09月06日

三國シェフが、2020年に向けたビジョン「食で観光立国を目指す。」を語る。


先日、横浜ベイホテル東急で行われた、飲食店経営者、外食ビジネスに携わるオピニオンリーダーを対象にしたセミナーが開催された。

午後からの基調講演として、オテル・ドゥ・ミクニの三國清三シェフが、ラグビーワールドカップ2019組織委員会顧問、TOKYO 2020−東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問という立場で登壇するというので、特別に席をとってもらった。



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演題は
「レストランが食文化を向上させる」食で観光立国を目指す。
〜2020年に向けたビジョン〜


ウミネコが鳴く、北海道増毛の海、ニシン漁、江差追分の歌が流れる・・・・・。
ビディオが終わったところで、三國シェフの登場。

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三國シェフは、料理人を目指すまでの話を、笑いを取りながら面白く話す。
貧乏で高校進学をあきらめ、手に職を付ければ生きて行けるだろうと料理人を目指したと云う。

中学を出て、札幌の米屋に丁稚奉公をしたときに、そこのお嬢さんが栄養士で、ハンバークを作ってくれた、食べたこともない真っ黒な物。
初めてのハンバークとの出会いでは、食べるのを躊躇した。
食べてみると甘酸っぱい味にすっかり魅了され、日本一のハンバーグづくりになると内心目標を決め、札幌グランドホテルの門をたたく。

10月に、食彩の王国で「三國シェフのハンバーグ物語」が放送されるという。


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フランソワ・ラブレー大学からフランスの食文化に貢献したと、名誉博士号を受賞しているが記念講演で「Bento」(弁当)の話を依頼された。

前は、鮨、ラーメン、そして「Bento」だという。

上の画像をクリックする
弁当箱の中には、宇宙がある。
あの、ロブションも日本の店では弁当を作っていて、フランスではブームになっている。と・・・
分けて盛り付ける、味が混ざらない。
三國シェフは、長寿弁当を作っている。

先の、2015ミラノ国際博覧会では、スッテリーニ宮殿回廊で「YOSHOKU」を披露した。洋食である。
お好み焼き、オムライス、ローストビーフ、カレー、ハンバーグを作ったという。


話は、帝国ホテルの村上信夫総料理長の鞄持ちをやっていた50年前に・・・・、
村上シェフは、東京オリンピック選手村の総料理長だったから、三國シェフは、1964年東京オリンピックの村上シェフから学んだノウハウを、一部紹介した。

村上シェフは、400人の料理人を全国からピックアップし5年も前からレシピを送って勉強をさせた。
それで東京オリンピックは乗り切れたのだと・・・。

「ロンドン大会の料理人は800人、今度の東京は1600人以上の料理人が必要になってくる」という。
50年前は、疲労で料理人は倒れたと聞くが、現在は労基法が厳しいから、料理人を増やさなければならないと・・・。

村上シェフがやった料理人の育成方法を、現代的に直した画期的な教育システムを考えていると、さわりを映像で紹介した。

また、料理人を中心に「全日本・食学会」を結成したことも紹介、東京オリンピックだから「江戸・東京の食文化」の研究会を作って、次世代を担う料理人などで勉強会を実施していることも明らかにした。

日本全国で試合をする、ラグビーワールドカップは2019、翌年の2020が東京オリンピック・パラリンピックと、連続するビックイベントを、我々料理人が責任を持って取り組んでいかねばならないと・・・。





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「江戸東京野菜」、江戸時代城の周りでこんなに野菜があったと、映像で紹介してくれた。

東京産食材も一つひとつ、小松菜、寺島なす、亀戸ダイコン、ウド、金町コカブ、のらぼう菜、パッションフルーツ、イチゴ、と解説しながら紹介し、「新鮮な農産物が東京で栽培されていることに、世界の人は驚くでしょう。
東京の食材を世界に発信したい。」とその思いを語った。有難いことだ。

「東京は、山も海もある。ビルが立ち並ぶ東京のイメージはがらりと変わるでしょう。」とも・・・

若いシェフたちを育成するためには、
プロばかりか、料理学校等を選別して最高の技術と感性を学ばせたい。

2016年は、ホスピタリティー、2017年は衛生を学ぶ、2018年は技術力を学ぶ、2019年は、レシピを学ぶ。2020年は心技体で世界の料理を理解する。

・・・、日本中で年間を通して開催するのだと、2020年に向けた、ビジョンを熱っぽく語り、明らかにした。

素晴らしい講演だった。

posted by 大竹道茂 at 00:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 三國シェフと江戸東京野菜
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