今年の1月に、女子栄養大学調理学研究室の小西史子教授からメールを戴いた。
メールによると、日本家政学会関東支部の講習会を、国民公園協会皇居外苑の楠公レストハウスで、江戸エコ行楽重を戴く計画があるので、そこで、江戸東京野菜の歴史、種類、調理特性、継承や普及への取り組みなどについて学びたいということで、ご指名を戴いた。
対象者の皆さんは、主に食物、被服など家政学を指導している大学教員30名くらいと云う事で、またとない機会なので喜んでお引き受けした。
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馬上の楠正成像がある皇居外苑の日比谷側にある楠公レストハウスは、バスで皇居参観に来られたときの駐車場があり、全国からの修学旅行などで、昼食を利用するお客様が多い。
楠公レストハウスが提供している、「江戸エコ行楽重」は、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の講師としてもお世話になっている東京家政学院大の江原絢子名誉教授がレシピ監修をされていて、2010年にお招きいただいたが、以来ヒット商品となっている。
安部憲昭総料理長は当時から親しくさせていただいているが、地産地消として、練馬の野菜を使ってくれていたが、
今回も、江戸東京野菜野お話をすることから、豊島区の伝統野菜「雑司ヶ谷ナス」と新宿区の伝統野菜「内藤かぼちゃ」なども取り寄せていた。
開会に当たって、小西史子教授が、「江戸東京野菜と江戸のお重料理を学ぶ会」の開催主旨について述べられた後、講師としてご紹介を戴いた。
ご依頼の「江戸東京野菜の歴史と未来」をテーマに、江戸東京野菜の歴史、種類、継承や普及への取り組みについて、1時間内でお話をさせていただいた。
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小西先生に伺うところに寄ると、栄養教諭の育成に力を入れている先生方もいらっしゃるとお聞きしていたので、江東区立第五砂町小学校の銭元真規江栄養教諭の、砂村一本ネギの種の伝達儀式の重要性。
全国栄養教諭・学校栄養職員研究東京都大会で、東京の栄養教諭の皆さんが江戸東京野菜で食育をアピールした事例。
練馬区の小中学生に、練馬大根を食べさせたいと始まった「練馬大根引っこ抜き競技大会」の事例。x
府中市本宿小学校が実施している徳川秀忠時代の「府中御用ウリ」と、新宿区柏木小学校が実施している徳川家光時代の「鳴子ウリ」を食べて、甘いものがなかった時代、甘いと云われていた真桑瓜の甘さを体験した事例。
コンシェルジュとして活発な普及活動を展開する、東京家政大学の「江戸東京野菜の会」が商品開発した「七福神漬」の話題。
全国学校給食甲子園で、江戸東京野菜を使って、全国制覇を果たした文京区立青柳小学校の松丸奨栄養士の話題。
安部料理長の話は、一般財団法人国民公園協会皇居外苑の話から入った。
楠公レストハウスは、300席、年間7万人が利用していて、江戸エコ行楽重を発表以来、右肩上がりの来場者だそうだ。
特に、「楽しく学べる江戸のエコツアー」の冊子が付いているから、修学旅行などにとっても、学びの場になっていて、皇居参観とと共に、楠公レストハウスでの会食は、印象に残るおもてなし料理になっているようだ。
皆さん楽しみにしていた、参の重が運ばれてきた。
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参の重
江戸時代、お花見やお祝いなどのハレの席で食べたと言われるお重料理、
環境にやさしい「二重箸」が、旅の思い出に頂けるのも良いアイディアで、嬉しくなる
。
初の重
上の画像をクリツクすると解説。
掲載されていた、江戸の料理書名もわかる。
弐の重、
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おぼろ大根は、熊笹でくるんであった。
モチモチした食感には驚いたが、わらび餅の粉と、大蔵大根を使ったと説明があったが、
蒸し羊羹は竹の皮でくるんでいた。
解説書には、煮物が春夏だが、秋冬の里芋とレンコンが入っていた。
参の重
季節のご飯は、秋冬だから、江戸時代人気のサツマイモ飯。
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味噌汁は、練馬の農家が栽培した江戸東京野菜の雑司ヶ谷ナスが入ってた。
サプライズ!、スイーツとして安部料理長は内藤カボチャのプリンを用意してくれていた。
内藤カボチャなど、和のカボチャは、西洋カボチャの甘さに敗けて、栽培されなくなっていたが、改めて食べてみると、西洋カボチャに比べて上品な甘さが好まれる傾向にあり、
ポタージュなどにしても美味しい。
安部シェフは、かぼちゃの切り身と、柿もそえていただいた。
皆さん、満足されたことだろう
お陰様で、この度、新たな出会いがあり名刺交換をさせていただいた。
千葉大学教育学部副学部長の久保桂子教授(関東支部長)
高崎健康福祉大学健康栄養学科長の綾部園子教授、
東京家政大学栄養学科の土屋京子教授
日本獣医生命科学大学応用生命科学部の小竹佐知子准教授
参考に、江戸エコ行楽重には他に