荒川区立尾久宮前小学校(伊藤英夫校長)の鈴木恵理栄養教諭から今年も4年生が青茎三河島菜の栽培をしているので、青茎三河島菜の話と地域の名前がついた江戸東京野菜について話をしてほしいとの、注文が付いていた。
4年1組(野々村誠学級)36名の皆さん。
80センチもある滝野川大長ニンジン、葛飾中川流域のほんでん瓜、ぷっくらして赤い早稲田ミョウガ、大根のようなカブは品川カブ、1bもある練馬大根、茎まで白い亀戸大根、太さが寸胴の大蔵大根、半分白いから馬込半白キュウリ、そして伝統小松菜と、生産地の名前が付いた野菜の中でも形などが珍しい野菜を映像で見せた。
名前は誰が付けたのか?、
現在では生産者や種苗会社が売りやすい名前を付けますが、昔は生産者は栽培いするだけで、出荷された市場で、産地を区分するために、産地名で呼んだのが広まり定着したもので、産地の名前が付くようになったと・・・。
よその県にも伝統野菜はありますか?、と云う質問。
全国どこの県でもその地区の気候風土で育まれた野菜があります。
江戸東京野菜の多くは、江戸時代に全国から江戸に集まった野菜で、江戸の気候風土の中でさらに良い物ができました。
練馬大根や、滝野川ゴボウ、三河島菜は全国に種が持ち帰られたもので、三河島菜は仙台伊達藩の足軽が持ち帰り、仙台芭蕉菜としてつくられていました。
何で栽培されなくなったのかと云う質問もあった。
伝統野菜は揃いが悪いことから流通に乗らなくなったことを説明したが、三河島菜の場合は関東大震災で荒川区の農地は被災者の住宅用地等に全て代わり、昭和の初めに白菜が普及したことから栽培されなくなりました。
授業の終わりに、鈴木栄養教諭から、今度大蔵大根を給食で出しますと伝えると、生徒たちから「楽しみ!」の声が聞こえた。
尾久宮前小学校での三河島菜の栽培は伊藤校長が着任した2011年からの栽培で今年で5年目を迎える。
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今年は、虫に食べられるなど、何度もタネを蒔いて補植をしたようだが生育にばらつきが出ているようだ。
授業が終わった後、伊藤校長に同校における各学年の取り組みについて伺った。
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万田発酵(株)が実施した、「2015ひまわりのせいくらべ」に参加した。
3m20センチにもなって立派なものだが、全国には上には上がいた。
自然体験学習も実施していて、岡山で行われたブナの植林に参加している。
東京では、多摩市の豊ヶ丘小学校と、多摩市の西連光寺小学校、八王子市の由木西小学校、御蔵島小学校で、都心では同校だけであった。
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改めで、ブナのタネをみせてもらった。
同校では、鮭の稚魚も育成し、最上川上流から毎年放流している。
10月22日、日本産・原木乾ししいたけをすすめる会から、椎茸の榾木100本を頂き、5年生が世話をしている。
施設も作っていただいたとかで、5年生の代表が収穫した。
伊藤校長が同校のブログに掲載するとかで、写真を撮っていたので、それを撮らしていただき同校の了解を得て掲載。
今年は、「全国ジャンボ大根フェスティバル2016」(万田発酵(株))に参加しているそうで、1年生49名が担当し順調な生育を見せて、来年3月に全国の順位が決定する。
これ以外同校では、カブトムシの幼虫を育てたり、5年、6年生では宮前味噌と称する「お味噌作り」を実施、3年生では豆腐作りも実施するという。
なお、台湾の上下游新聞の簡 嘉潁記者が、伝統野菜による食育の取り組みを取材したいというので、同校の了解を得て同行した。
同小学校では、青茎三河島菜のタネを地域の皆さんにも配布しているが、バラの花との寄せ植えがてきたと、ご近所の方が同校に持ってきてくれたと、校門を入った菜園脇に置いてあった。
地域とのコミュニケーションのとれた取り組みが行われている。