2016年01月17日

今話題の鎌倉野菜「鎌倉市農協連即売所」を訪ね山森組合長にお話を伺った。


先日、今話題の鎌倉野菜の販売拠点「鎌倉市農協連即売所」に伺った。

度々、テレビでも放送されていたし、日本橋ゆかりの三代目野永喜三夫さんも買ってきたと云っていて、東京の有名店なども注目し、参考になるから見てくると良いと云われていたので、江戸東京野菜の販売戦略を考える上からも伺いたいと思っていた。

昨年から、鎌倉大根に携わるようになったこともあり、良い機会なので、JA東京中央会の島田幸雄部長に依頼した。

島田部長は、江戸東京野菜推進委員会としても行っておく必要があると、JA神奈川県中央会にお願いしてくれた。
中央会からは江戸東京野菜を担当している水口均さんと細田真宏さんで、JA神奈川県中央会からは農政営農部の由良竜一次長に同行して頂けるようになった。





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写真左から、水島幸夫氏、由良竜一氏、佐藤洋氏、山森金雄氏、水口均氏

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由良次長は、鎌倉をテリトリーとするJAさがみに連絡していただいていて、鎌倉でお会いした佐藤洋営農課長と、同JA鎌倉営農経済センター水島幸夫営農指導員にご案内いただき、鎌倉市農協連即売所 山森金雄組合長にお会いすることができた。


JR横須賀線鎌倉駅にほど近い、若宮大路に面した一角に鎌倉市農協連即売所、通称「レンバイ」がある。
昭和以前、鎌倉近在の農家は各々が生産した農産物を引売りしていたそうだ。

それが、鎌倉在住の外国人牧師に「ヨーロッパで行われているマルシェのシステムを聞いたのがきっかけで、「レンバイ」の施設を昭和3年に設置し、そこで農家自身が直接売るようになったという。
発足以来88年の歴史をもつ神奈川県内でもっとも古い、即売所だそうだ。
したがって、看板も施設も年季が入っていて、それがまた良い。



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伺った時間が1時過ぎだったこともあり、農産物は売れてしまって少なくなっていたし、お客さんも少なかったが、朝は行列ができるとか

定期的に出店しているのは27名(鎌倉地区21名・横浜地区6名)。
出店方法は、参加農家を4班に分けてそれぞれ4日毎(栽培管理に2日、収穫・出荷準備に1日、出店販売1日。)に出店販売するから、毎回違う曜日に出展することになり、

売場による販売差も出ないように、4日毎の出店の際に売場を順にずらして、場所による不公平がないように調整しているという永年のシステムは確立されている。

山森組合長は出店の日ではなかったのに、わざわざ来ていただいたようだ。
ありがとうございます。

1日当り6軒から8軒の出店で、農産物が少ない時期には自主的に休む場合もあるとか。




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販売方法は、各自の自由裁量が重視されているが、生産物だけで仕入品の販売は禁止、自分の出荷日の貸与の禁止など、細則で決められ節度ある販売が行われている。

とかくファーマーズセンター等では、品数をそろえるために産地を明記して仕入れ品も並べているが、ここでは生産者が直接売ることが守られている。

正月に4日間を休む以外は年中無休で、朝は大体8時前後から、夕方は夏冬かまわず暗くなるまで開いていると云うから、正月以外はいつ行っても買うことができる。

農家にとっても生産物のほとんどを即売でき、安定した販路になっている。






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主要作物は、露地野菜が中心でキュウリ、トマト、なす、ほうれん草、だいこん、ねぎ、里芋などだが、野菜以外は、漬物、花、枝物、果物、草花、野菜の苗、鉢物、植木苗など、およそ即売農家で作られているもの全てとなっている。

最近は新しい西洋野菜も数多く、レストランのシェフなど、東京からも買付けに訪れ、顔なじみのシェフや、和食の料理人も増えていると云う。

日本橋「ゆかり」三代目の野永さんも逗子の別荘に行った帰りには必ず寄ると云っていた。

江戸東京野菜は固定種だから揃いが悪い。
それで栽培されなくなった野菜が、全国にある在来野菜や伝統野菜だ。

ここでは、新しい西洋野菜を含め、作りやすいF1種を栽培し販売しているようだが、規格にとらわれずに、自己責任で販売しているから、大きい物、小さい物、曲がったものなど、消費者は生産者との会話や、これまでの信頼関係の中で、好んだものを購入していくと云うから、伝統野菜の販売方法としても参考になる。





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周年販売となるため、年間切れ目なく出店するには多品目少量生産となり、作目の種類は20から100品目の生産者もいるという。

4日毎の出店に対応して、限られた耕地の中で年間切れ目なく出荷するために、続密な作付計画で栽培が行われている。

施設と露地を組み合わせて生産している農家が多く、店に並ぶ野菜の種類が豊富になるよう努力されている。

話を伺っていると、在来作物や伝統野菜を販売するにも向いたシステムなので、山森組合長に鎌倉大根の取り組みについてお話ししてみた。

すると、鎌倉を熱くしたい人が集まる「カマコン」の定例会で、前に福来鳥のさとうえださんから、直接話を聞いたことがあるという。
ただ思いはわかったが、詳細がわからないから協力のしようがない、とのことだった。

実は、鎌倉大根の栽培は試験圃で始まっていることをお伝えしたら、驚いておられたが、
今後、栽培をお願いできるか、お聞きしたら、「いいですよ!」と好意的なお返事を頂いた。

山森組合長、ありがとうございます。





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鎌倉市では、漁協の朝市もある。








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鎌倉大根に携わるようになってから、鎌倉大根未来研究会の皆さんの思いだけでは始まらないので、地元鎌倉の農家の皆さんにもご挨拶をしておかなければと、思っていた。

この度の、視察に当たっては、JA東京中央会の島田部長に相談したところ、JA神奈川県中央会の農政営農部由良竜一次長(写真右端)にお願いして二宮務常務理事(写真左端)の時間をとっていただいた。

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隣りが横浜市役所、前が横浜税関で横浜の岸壁が目の前というと云う場所。

二宮常務、由良次長には20数年ぶりの再会だが、現役時代にお世話になっていて、江戸東京野菜の取り組みなどもご存じのようだった。
今回、由良次長にご案内いただけるよう、二宮常務にはお気遣いを頂いた。
ありがとうございました。

後で、由良次長に聞いてわかったが、TVKテレビで、「かながわ旬菜ナビ」を放送しているJA神奈川県連広報局の飯島徹局長も同じフロアにお勤めだったという。
お会いしたかった。

posted by 大竹道茂 at 00:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説の鎌倉大根
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