平成27年度 庄内農業高校地域連絡協議会(田中壽一会長) 主催の地域活性化講演会から招かれたことは、当ブログでも紹介した。
同協議会は、庄内地方の農業後継者の育成に貢献している山形県立庄内農業高等学校の発展を支援する組織として設立されたもので、
今回の講演会には同校の生徒を初め、支援する地域住民が、農業振興や地域づくりなど、地域と農業を新しい視点からみつめ、学ぶ機会として、地元藤島活動センターで地域公開講演会として開催された。
講演会は鶴岡市藤島庁舎が事務局を担っていて、総務企画課の叶野進専門員には伺うに当たって何かとお世話になった。
同校は、明治34年に山形県荘内農学校として開校以降、今年度で114周年を迎えた県内でも屈指の歴史を誇る庄内唯−の農業高校で、
先輩諸氏には、地域農業の担い手や関連する地元産業を担う方はもちろんのこと、支える様々な分野で幅広く活躍する優れた人材を輩出している。
現在、生物生産科、園芸科学科、生物環境科からなり、学科の特性を生かした教育実践をとおして、生徒一人ひとりの個性や資質・能力を最大限に高めるていて、いのちや環境の大切さを学ぶことで心豊かな人間を育てるとともに、地域とともに歩み続ける中で社会に貢献できる人材の育成を目標とした、学校づくりを行っていると云う。
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開会に当たって、地域連絡協議会の田中壽一会長から、主催者挨拶があったが、田中会長は同校のOBで、JA庄内たがわの代表理事専務をされている。
続いて、同校の御舩明彦校長が、講師紹介として過分なる紹介を頂いた。
司会進行をされた、同校の笹原俊明農場長に後で伺った話だか、笹原先生の机の上に日生のおばちゃんが置いて行った、フリーペーパー「なる!イン」のインタビー号「食べる文化”江戸東京野菜”を守る」を読んで話が聞きたいと講師に選んだと云う。
あれは一昨年、取材を受けたものだが、受けておいてよかった。
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山形に伺ったのは、今回で3度目、前回伺ったのは2010年10月、山形大学の実践講座「おしゃべりな畑」に招かれた時だ。
全国の伝統野菜の中には1代雑種のF1化する動きがある。
固定種にこだわる江戸東京野菜としては、山形の在来作物研究会の取り組みを常に参考にしていることを、お伝えしたかった。
因みに、来月八王子市北野で、何度見てもいい「よみがえりのレシピ」の上映会を開催する。
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2009年、山形在来作物研究会の江頭宏昌先生に招いていただいた時に、庄内農業高校のプロジェクトチームが「野良大根の栽培と普及活動」(指導教諭・釜屋隆行先生)を行っていることを知り、
江戸東京野菜の普及栽培に、農業系の高等学校の役割は大きいと、農業系高校の校長会に伺って、地域の伝統野菜は、地域の農業系高校が守る必要があるのではと、お願いした。
都立農産高校では、荒川区の伝統野菜「三河島菜」を荒川区からの依頼で栽培をはじめ、社会貢献をしていて、荒川区のホームページに19回にわたって掲載されていて、
農産高校が栽培した三河島菜で暮れには、日暮里マルシェが行われたこと、
また、昨日25日から29日までは日替わりランチが同区区役所食堂で出されている。
東京の事例としては、幾つかの仕掛けがあったことを紹介、平成4年に「江戸東京ゆかり野野菜と花」の出版。平成9年には、江戸東京の農業説明板を都内に50本設置などについて説明。
秋の早稲田ミョウガと、早春の早稲田ミョウガタケによる、気仙沼支援として、戻り鰹を購入して早稲田ミョウガをツマにたべようという企画。
小金井市の江戸東京野菜でまち興しの取り組み、品川カブによる東海道品川宿の取り組み、などについて紹介した

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会場には、地域の方々が大勢見えていて、質問も沢山いただいた。
最後に生徒代表で本間智成さん(生物生産科2年・生徒会長)からお礼の言葉が述べられ、また、五十嵐咲さん(園芸科学科1年・生徒会副会長)から花束も戴いた。
皆さんありがとうございました。
会場には、地域連絡協議会の太田三千夫副会長、佐藤馨理事、山形県からは大渕光一農業技術普及課長、
同校からは梅津銀也副校長、釜屋隆行教諭、鶴岡市からは、佐藤正規支所長、東海林良哉産業課長、井上克浩課長補佐、叶野進専門員、の皆さんも・・・
帰りがけに、鶴岡市農政課の冨樫俊明主事と名刺交換を行ったが、冨樫さんが農水省に出向中に「地産地消の仕事人」の認定の仕事をしていたとか。お世話になっていたようだ。
鶴岡食文化創造都市推進協議会の中野律事業推進員も挨拶にみえていただいたが、江戸東京野菜コンシェルジュの友人もいるとか。
JA庄内たがわの園芸特産課の加藤智課長も見えていて、黒井コ夫代表理事組合長からの預かりものを頂いた。
当日、雪が降ることを前提に、列車にするか飛行機にするかで、事務局の叶野さんにはずいぶん気苦労をかけたが、前日、列車で鶴岡に着いた。
10時に叶野さんと、庄内農高の釜屋隆行教諭(総務課長) が迎えに来てくれて、産地視察を計画してくれた。
右から、釜屋教諭、代表の成澤昭信氏、近藤紘氏、叶野氏
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鶴岡市渡前地内(農)月山第2農場で、在来作物の藤島キモト(アサツキ) の荷づくりの様子を見せて頂いた。
無農薬で栽培した「藤島キモト」の根を綺麗に洗うのが寒い中大変だという。
根を切って出荷するところもあるそうだが、こちらは根付きにこだわっていて、根も美味そうだ。
ねぎの根を天ぷらにするとシャリシャリした食感が美味い。この藤島キモトも、そのような料理があると思うが、成澤さんは食べたことがないと云っていた。
1つの株を植えても、分けつは、4つにしか増えないのだという。
根付だから、光に当てると反応して色が付いていく。
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野良大根を選抜したピリカリ大根は東京のそば屋、日本橋「本陣房」に納めているそうだが、JA庄内たがわの柿の選果場で、山菜部会が栽培した「ピリカリ」大根を分けて頂いた。