報告が遅くなってしまった。
新宿御苑 STUDY&CAFE vol.2「内藤新宿試験場と福羽逸人〜現代に受け継がれる知られざる新宿御苑の歴史〜」は、江戸東京野菜と御苑ゆかりの食材をもとにアレンジした大正期の宮中晩さん会メニューの再現料理が、先週開催されました。
上の画像をクリックする
CAFÉ は、新宿御苑レストランゆりの木の伊藤秀雄総料理長が、これまで、御苑に伝わる秋山徳蔵の大饗賜宴等のメニュー再現を実施してきて、前回も好評で、伊藤料理長ファンが楽しみにしていて、早くに30席は満席になった。
今回は、北海道阿寒湖のウチダザリガニを取り寄せての、再現料理となった。
伝統大蔵大根は三鷹の冨澤剛さん栽培
上の画像をクリックする
ウチダザリガニのビスクスープ
大正天皇の即位の大礼に、宮内省大膳寮の司厨長になった秋山徳蔵は、メニューの中に、ザリガニのクリーム仕立てのポタージュを加えた。
秋山の上司で大膳頭の福羽逸人は、北海道・旭川で師団長をしている知人に頼んでザリガニ3000匹を捕獲して送ってもらった。
今回、伊藤総料理長は、阿寒湖のウチダザリガニを仕入れて、マリネとスープの2品を出してくれた。
伝統大蔵大根は三鷹の冨澤剛さん栽培
上の画像をクリツクする
伝統大蔵大根をスライスしてスモークサーモンを乗せ、飾り楊枝で止めたアンサンブル。
大根は、スモークサーモンの塩分などが移りしんなりとして美味しい。
滝野川ニンジンは西東京市の矢ヶ崎宏行さんが栽培
上の画像をクリツクする
鴨のスモークの周りには、滝野川ニンジンのマリネ、
香の物
伝統大蔵大根のウコン風味のピクルス。
内藤かぼちゃは、冨澤剛さんが栽培した。
奥多摩ワサビは、千島国光さんが栽培した。
上の画像をクリックする
内藤かぼちゃのポテト風サラダを牛肉のローストで巻いて、上に、すった奥多摩わさびを乗せて、
下には伝統大蔵大根をミディアムに焼き上げたことで、香ばしく風味も良い、大根の葉をソースをかけて、
東京うど、早稲田ミョウガタケ
東京うどは、立川市の須崎雅義さん栽培
早稲田ミョウガタケは練馬区の井之口喜實夫さんが栽培
上の画像をクリックする
東京うどと早稲田ミョウガタケは、
両方とも太陽に当てないで栽培する、軟化栽培
ミョウガタケの葉も、みじん切りで入っている。
ドレッシングは、オリーブオイルとレモン汁をメインに、塩、コショウ、ミョウガの葉もみじん切りにして入っている。
伝統大蔵大根と里芋の土垂(どだれ)
伝統大蔵大根と土垂は、三鷹市の冨澤剛さんが栽培。
上の画像をクリックする
内藤とうがらし軸のほうじ茶
炒めものは(滝野川ゴボウ・滝野川人参・伝統大蔵大根)
現在、新宿御苑のレストランと東京ガスが実施しているエコクッキング。
秋山徳蔵からの教えも同じで、内藤とうがらしの不要になった軸の部分(写真上) を焙じ茶にして出してくれた。
写真右下は、これまで使った伝統大蔵大根の皮と、滝野川ニンジンの根の細く使わなかったところ、出汁をとった後の昆布等でキンピラ風に、捨ててしまえばゴミだが、それて美味しい一品にして、各テーブルに
箸休めとして置いてあった。
変わりごはん(谷中生姜)
季節柄、お雛様に仕立てて、
谷中ショウガは、国分寺市の小坂良夫さんが栽培。
内藤かぼちゃは、小平市の岸野昌さんが栽培。
上の画像をクリツクする
内藤かぼちゃは、冬至に食べるが、保存性に富み、現時点だと水分も抜けて軽くなるが、甘みが凝縮している。
ピューレ状にして、モンブラン仕立てにした。
以上、お料理の写真は、国民公園協会新宿御苑の祖母井佳美さんと、江戸東京野菜コンシェルジュ協会佐々木昭理事に提供いただいた。
全員が、お料理をとっていただいた。
帰りがけには伊藤シェフの周りには、参加者の質問の輪ができていて、1人ひとりに丁寧に答えていた。
上の画像をクリックする
今回は、高島屋の宣伝部販売促進担当の田川正治課長がお隣だったので、江戸東京野菜のお話をさせて頂いた。
之より先に「STUDY」は 新宿御苑インフォーメーションセンター2階で、国民公園協会新宿御苑の本荘暁子さんによって行われた。
上の画像をクリックする
近代園芸の祖としても数々の功績を残し、日本初の近代西洋式庭園・新宿御苑を作り上げた、福羽逸人研究の第一人者で、これまで何度か紹介している。
福羽逸人の話を聞いた後で、大膳頭時代の、部下だった秋山徳蔵の料理「café」につながるわけで、良い企画だった。