PARISオートクチュール〜世界にたった1つだけの服〜が、3月4日から丸の内の三菱一号館美術館で始まった。
三菱地所が大丸有(大手町・丸の内・有楽町) の大規模な再開発の中で、三菱一号館の建物を美術館として残し、再び三國清三シェフを丸の内ブリックスクエアに招いた。
美術鑑賞をした後で、感動した作品を寛いで思い返し、美味しい食事を堪能する。
三國シェフの、出店のコンセプトがそこにある。
これまで、同店では何度となく、三菱一号館美術館とのコラボ企画を実施してきたが、今回はPARISオートクチュールの作品とのコラボとなっている。
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ミクニマルノウチは、地産地消を全面に出して、江戸東京野菜をはじめ、東京産の食材を使ってくれているが、
コラボレーションメニューをつくるに当たって、先月、三國清三シェフから食材についてのアドバイスを求められたので、江戸東京野菜推進委員会の水口均さん(江戸東京野菜コンシェルジュ) を誘って同店に伺った。
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久しぶりに、佐々木章太シェフにお会いした。
佐々木シェフは2012年からミクニマルノウチを仕切っているが、改めて名刺交換をしたら総支配人兼グランシェフに昇格していた。
また、オープン当時の店づくりに頑張っていた椛田裕之さんがシェフソムリエとして戻ってきていた。
開店前の時間を使って、この時期の野菜と生産者を紹介した。
左から、水口さん、佐々木グランシエフ、椛田シェフソムリエ、内田裕支配人、そして営業企画の宮田知江さんが写真を撮ってくれた、。
東京軍鶏と江戸東京野菜しんとり菜のバロティーヌ
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豚のミンチをしんとり菜で包み、さらに東京軍鶏で包んである。ドレスになる前の筒状の生地をイメージしたという。
東京軍鶏を炙って、香ばしく、しんとり菜のソースで頂くが、豚のミンチとの食感の違いが楽しめる。
しんとり菜は、西東京市の矢ヶ崎宏行さんの作品、
北海道産雲丹のムースと
江戸東京野菜立川産独活のサラダ仕立て
酸味のきいた椿油のヴィネグレットと共に
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クリーミーな雲丹のムースに、品質・生産量ともに日本一の東京ウドを合わせた。
立川の須崎雅義さんの東京ウドをメインに、レタス、ルツコラ、赤カブと、華やかな色合いも楽しめる一皿。
西東京市の海老沢孫次さんの甘夏で、シャンパン割を頂いた。
甘夏をひと房毎に、袋ごとソースをつくるように濾したとかで、かすかな渋み、苦味もある大人の味に仕上がっている。
青森県産骨付き平目のロティ ソースブーリードと
ベアルネーズ
江戸東京野菜伝統小松菜のヌイユを添えて
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骨付きで焼く事により身がふっくらと仕上がった平目に、2種のソースが絶妙な味わい。
八代将軍・徳川吉宗が気に入り名付けたとされている小松菜の伝統品種・伝統小松菜を練り込んだヌイユ(平麺)。
この伝統小松菜も矢ヶ崎さんが栽培し、井之口喜實夫さんの芽キャベツが添えられていた・・・。
ヒラメの皮は、別途焼いているようで、ふっくらした身を頂いた後、皮は香ばしくパリパリと平目の旨味を味わった。
ハンガリー産バルバリー鴨胸肉のアピシウス風
江戸東京野菜の亀戸大根フォンダンと
小笠原完熟ミニトマトのフォンデュ
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芳醇なエピス(スパイス)を付けて香ばしく焼き上げた鴨肉に、酸味のきいたトマトソースが鴨肉のうま味を引き立てる。
1860年代から栽培されている伝統ある亀戸大根の半身をステーキにして付け合わせに、柔らかい白茎の葉や、東京産野菜のフランス料理のオートクチュールともいえる一皿です。
亀戸大根は、矢ヶ崎さんの作品だ。
ワインは2007年のボルドー
ハンガリー産鴨モモ肉のコンフィと
旬の東京野菜のジュリエンヌ
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メインの後の一品に、鴨のモモ肉のコンフィとオリーブオイルのみで和えた旬の野菜として、井之口さんの早稲田ミョウガタケの香りを添えて、さっぱりと頂いた。
ポーランドの96度のウオッカに漬けこんで、アランチェッロをつくっていて、半分程度に度数を落としたものを味わったが、味はいい。
西東京市八朔のサバランと
江戸東京野菜のらぼう菜のアイス
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小笠原のラム酒入りのはっさくシロップに付け込んだ焼き菓子に、江戸時代天保年間の古文書にも記載されているのらぼう菜のアイスクリームを添えて、風味豊かに仕上げました。Cheveux de l’ange (天使の髪の毛)と呼ばれる飴細工で仕上げた、華やかなデザートです。
のらぼう菜は、矢ヶ崎さんの作品。
コーヒーをいただき、改めて、コラボレーションメニューを堪能した。
佐々木シェフ、ご馳走様でした。
尚.サンケイリビングでも紹介されたが、同店では、3月23日19時より、三菱地所シティリビング、丸の内シェフズグラブ等が主催して、江戸東京野菜などのフレンチとワインを楽しむ会が予定されている。