大学の同級生・石川清彦さんが、現在ジャーナリストとして県の農業情報を発信しているが、
先般、高知市で「平成27年度 伝統作物活用研修会」が開かれたと資料を送ってくれた。
同研修会は、昨年、招かれていて、東京の事例として、江戸東京野菜の取り組みを紹介させていただいた事は、当ブログで報告している。
その後の、活動については気になっていたところだけに、情報は興味深いものだった。
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講演としては、朝日新聞東京本社文化くらし報道の大村美香編集委員が、「メディアの中の伝統作物」を話され。
注目集める伝統野菜は、なぜニュースになるのか、
伝統野菜のニュースが指し示すこと。を説明した後、掲載紙を元に、いくつかの事例を紹介している。
今回、頂いた資料で注目したところは、同県での平成27年度伝統作物活用実証事業における取組の紹介として、
土佐の伝統野菜〜「牧野野菜」を中心とした取り組み〜で
Team Makino 竹内将史氏の発表だ。
竹内さんは、Uターンして就農しての3年目、高知市五台山でホウレン草やサニーレタス等を栽培し、
Team Makinoのメンバーとして活動している。
五台山は、県立牧野植物公園のある山で、その裾野で栽培されているようだ。
チームの農家メンバーは、7名、県や市の職員、県農業振興センターや農業会議など4名の11名で活動をしているという。
そもそもは、「潮江菜(うしおえな)」との出会いで、同市潮江地区で「潮江旬菜」を栽培している熊澤秀治さんとの出会いが大きかったという。
昨年、私も熊澤さんにお会いして、ハウスも見せてもらった。
その種は、公立大学法人高知工科大学 地域連携機構・連携研究センター、補完薬用資源学研究室の竹田順一主任研究員が、御尊父・故竹田功氏から引き継いだものだ。
故竹田功氏は、日本を代表する植物学者の牧野富太郎博士(高知県出身)が主宰する東京植物同好会に、東京教育大の前身東京農業教育専門学校に在学中から参加して指導を受けていた。
専門が遺伝育種の竹田功氏は戦後すぐ、千葉大学園芸学部助教授として勤務していたが、家庭の事情で高知に戻ることになり、その際牧野博士は「自分は山野草については採取資料があるが、在来の野菜などについて調査採取していない。高知に帰ったらそれをしなさい」と指導を受けたという。
この事は、昨年の10月に月刊野菜情報38頁に「高知での新たな出会い」として書いた。
竹田順一先生は御尊父の没後、採種をしていたが、熊澤さんに種を託した。

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これにより熊澤さんを中心に「Team Makino」 が結成され託された伝統野菜を「牧野野菜」と名付けたという。
資料の「村田改定・追記」とあるのは、お会いした高知農業改良普及所村田隆則所長のようだ。
現在チームのメンバーが分担して選抜採種を行っていて、竹内氏は豆類6品種、ダイコン3品種、カブ4品種を担当しているという。
今後の活動だが、伝統野菜の「希少性」や「なつかしさ」といったイメージに囚われることなく、
「ストーリー(背景・歴史)」を重視し、
継続に必要な「経済性」を検討し、
仲間(生産者、流通関係者、消費者など)を増やして、ネットワークをつくり、
土佐の伝統作物の復活を目指します。とあった。
頼もしい限りだ。
石川清彦さん、情報ありがとうございました。
私は高知県南国市にある私立清和女子中高等学校の橋本と申します。
先日、高知オーガニックフェスタで日本農業新聞の石川さんとお話しさせていただき、大竹様のお名前を伺いました。当校では、「清和オーガニクス」という特別授業を設け、生徒たちに有機で在来種の麦や野菜を育てさせ、食の安全や、環境の保全、種の大切さをを教える取り組みをしています。大竹様の知識や経験を知り、今後色々と繋がりを持てたらとメールいたしました。よろしくお願いします。