2016年04月09日

セロリ栽培 名人伊藤仁太郎さんの教えを引き継ぐ、清瀬の並木猛さんにお会いした。


先日、福岡でセルリー部会が生産している品物を見て、東京にも栽培に妥協しない育種家で伊藤仁太郎さんと云う、日本一のセルリー生産者がいたことを紹介した。

伊藤さんは、1958年と云うから、今から58年も前に独学でセロリの栽培を始めたと聞いていて、残念ながら2009年7月6日だったか亡くなられた。

その後、セルリー生産はどうなっているのかと気になって、当時江戸川区農業委員会会長をされていたので東京都農業会議の北澤俊春事務局長に聞いてみた。

伊藤さんが亡くなった後、その教えを受けた方々が全国にいて、福岡にもいたのではないだろうか、
東京にも伊藤さんの教えを受けた、技術の継承者がいることがわかった。



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今が、収穫の盛りだというので、早速伺った。
清瀬市中清戸の並木猛さん(JA東京みらい組合員)がその人で、伊藤仁太郎さんの思い出話から入った。

並木さんは、伊藤さんの教えを忠実に再現しながらこだわりのセロリ栽培をしていて、その美味しさは地域にすっかり定着していた。

市場が休みで、作業を行わない日に伺ったが、地域の方々が、セロリを買いたいとハウスを訪ねて来ていたが、今日は休みだと丁寧に断っていた。
口コミで、地域には広がっているようだ。

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今年、チラシを作ったと1枚くれたが、東京都が進めている、「&TOKYO」の文字と共に、「伊藤仁太郎氏の栽培を受け継いだ」と誇らしげに書いてある。




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セロリは3回に分けて種を蒔いていて、今月1日から収穫を始めた。
2週間で現在栽培している7千本を収穫するという。

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東京都北多摩郡の北部清瀬は、埼玉県の新座と隣接していて、一昔前までは畑が広がっていたが、並木さんのハウスの周りには新住民の住宅が迫っていた。

1反のハウスに4500本、他に4棟のハウスがあって2500本の7千本がだ。




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セロリ栽培は、今年で12年目。
高校を出て就農したが、初めて父親について里芋の植え付け作業を手伝った時、親と違う農業がしたいと思ったという。

農業後継者の多くが、父親から自立したいと思う瞬間が、並木さんは里芋の植え付けを手伝った時のようだ。

並木さんは、23歳で東京都農林総合研究センターで研修を受けたがその後、1年間農家での農業研修を受けることにしたが、それが江戸川の野菜栽培農家 伊藤仁太郎さんのお宅だったという。

事前に、伊藤さんの農業経営を調べることもなく、江戸川の農業に魅力を感じでお世話になったが、東京でもトップクラスだったから、並木さんにとっては厳しい研修だったようだ。

伊藤さんの教え子は、全国に何百人もいて、皆さん地元県ではトップクラスの指導者になっていて、地域農業の発展に貢献している方ばかり。
そのような方々とのネットワークもできたようだ。

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1本切ってくれたが、肉厚で一株2.5キロの品物だった。
品種は、伊藤さんが採種をしていた「コーネル」で、固定種だ。
育種家でもあった伊藤さんからいただいた種を大切に保管しているが、並木さんも採種をはじめていて、花が咲いた頃、また、伺いたいと思っている。

現在、大田市場と地元スーパーに置いてある。





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現在、親戚の西川正義さんが、定植や収穫等、人手が必要なときには手伝ってるようで、世話になっている方に持っていくと、用意されていた。

セロリに使う膨大な肥料を、後作の、枝豆、小松菜等の他、イタリア野菜なども導入し、吸い取らせるために、無肥料で栽培するそうで、これも伊藤さんの教えだ。





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宅急便の需要も多く、3年前から幟旗や段ボウルも作ったが、今年作ったものには、「&TOKYO」を印刷したという。

上の画像をクリツクする
現役の時代、亀岡高夫農水大臣が、伊藤仁太郎さんのお宅を視察するというので、関係者のひとりとして、畑を見せていただいた事があったが、有機質肥料をたっぷりと鋤きこんでいた。

驚いたのは、収穫したセロリに、定植時の双葉が枯れないで付いていたことだ。
そんな技術を持っていたのが伊藤さんだった。

伊藤さんは、何度も並木さんの畑に来て、直接指導をしていたようで、

並木さんも、市内の落ち葉を集めてきて、何か所かに分けて、山積みして堆肥を作っていて、
畑には大量の堆肥を入れてるという。

追録

伊藤さんが亡くなる少し前、並木さんを指名して、後継者づくりをしている姿が、YouTubeで流れていたので紹介する。


伊藤さんが、若き後継者に思いを伝え、並木さんは今日、伊藤さんの思いに応えて立派なセロリをつくっていた。
並木さん、ありがとうございました。

posted by 大竹道茂 at 00:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の農業と農業者達
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