2016年06月28日

三國清三シェフが30年の料理人人生における集大成の本を計画。


三國清三シェフは、1985年春に30歳の若さで四谷にオテル・ドウ・ミクニをオープンした。
翌1986年2月1日に、ハードカバーの大型本で207ページの「皿の上に 僕がある。」が出版されたのは、丁度30年前である。


Tomatoトマト、Poivronピーマン、Champignonきのこ、
Poiveauボワロー(ポロ葱)、Ris do veauリ・ド・ヴォー、
Ecrevisseエクルヴィス、Crevette.車エビ、
Coquille Saint-jacquesホタテ貝、Homardオマール、
Thonまぐろ、Rouget糸より、Saumon鮭、Lotteあんこう、
Daurade黒鯛、Barすずき、Volaill鶏肉、Pigeon鳩、
Col-Vert鴨、Agneau仔羊、Chevreuil鹿


20の食材に各6つの料理、全部で120ものお皿の上に三國シェフ自身を表現。



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この年の12月には日本テレビが三國シェフを追いかけ続けて、ドキメンタリー番組TIME21で「若き天才シェフ三國清三」を放送するなど、グルメブームをけん引していった時代だ。

30年を経た今日、三國シェフは、自らの集大成として、「日本の食材と三國の料理」を記録した本を出版すると云う。
30年の総決算にふさわしい存在感、美しいビジュアルを備えた本となるそうで、日本語の他、英語、フランス語での刊行も想定しているいう。

本の題名は「JAPONAISER(仮)」で、
三國シェフがフランス修業時代の恩師のひとり、フランス料理界の巨匠として知られるアラン・シャペル氏から帰国時にもらったメッセージ「ジャポ二ゼ(日本化)が大切だ」に由来しているという。

この本には長年にわたり三國シェフが信頼関係を築いてきた全国の生産者と彼らのつくる食材、その背景を存分に伝えつつ、三國シェフが30年の料理人人生の末にたどり着いた料理を紹介していくという。

詳細は伺っていなかったが、東京では、奥多摩ワサビ(奥多摩)と、秋川牛(あきる野)、寺島ナス(三鷹市)を三國シェフは選んでくれたので、ダイアモンドヘッズの鈴木英之さんを、ロケハンで案内した。
30年前の「皿の上に 僕がある。」は、ダイアモンドヘッズが編集制作し、柴田書店から出版されていて、

今回も、制作サイドは同じメンバーで、ダイアモンドヘッズの横山修一社長、前回も写真を担当した、f64の森川昇カメラマンが見えた。ライターは柴田泉さんが担当する。

ダイアモンドヘッズからは、制作担当の鈴木さんと横山尚二郎さんがスタッフとして見えた。



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撮影前日、鈴木さんが千島国光さんに確認の電話をしたら、風邪をひいて明日は案内できないと云われたと、心配して電話がかかってきた。

84歳のご高齢だからその場合は、千島さんの了解を得て私が案内すると云っていたが、当日はだいぶ楽になったとかで、案内してくれた。

奥多摩では、一番多くのワサビ田を所有しているのが千島さんで、江戸東京野菜としての奥多摩ワサビを、三國シェフは使ってくれている。

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ロケハンで鈴木さんを案内した棚田を、森川カメラマンは気に入ってくれた。

千島さんの先導で急峻な棚田の脇を三國シェフは登っていく。






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棚田ごとに定植時期が異なるワサビ田。
3年物が育っている棚田は、収穫間際の今年の春、ニホンカモシカに食われてしまったと、千島さんは落胆していた。

三國シェフが、1年物でも十分と云うので、良く葉の茂った棚田に案内された。
良さそうなワサビを三國シェフが抜く。

三國シェフは、森川カメラマンに、虫食いの葉を撮っておいてと頼んでいた。
奥多摩は、都民の飲料水の源流だけに、農薬など使えず、自然の動植物を守り、生物多様性を保全する、オーガニックな野菜として、分かりやすいからだ。

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三國シェフは抜いたワサビの根を渓流で洗った。






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このワサビを食べる「丹三郎」はロケハンで来た時に予約を入れていた。

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棚田で収穫したワサビを、三國シェフが擂る。
蕎麦以外にも、蕎麦ガキと、出汁入り卵焼きにもワサビを乗せていただいた。

秋川牛の竹内牧場はここから。


posted by 大竹道茂 at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 三國シェフと江戸東京野菜
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