足立区の伝統野菜『千住ネギ』の栽培復活について、昨年、足立区農業委員会の荒堀安行会長から協力を求められ、足立区立の平野小学校、栗原北小学校、千寿双葉小学校で、千住ネギのお話をしてきたが、このことは、当ブログで紹介した。
今年も、荒堀会長から依頼されていたが、このほど、平野小学校で、「命をつなぐ 千住ネギ栽培授業」が行われた。
足立区からは産業経済部の依田保産業振興課長、教育委員会の宮脇隆指導主事、農業委員会白田正博事務局事務主査、担当の今茂さんが見えていた。
平野小学校は5年生が実施していて、2クラスが体育館に集まった。
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農業協同組合推薦の農業委員・田中忠穂氏(JA東京スマイル副組合長)をはじめ、地元の馬場博文氏、田中太郎吉氏、齋藤悦康氏の農業委員さんが出席。
授業は葛谷裕治校長の挨拶で始まり、
続いて荒堀会長が昨年から始まった地元の伝統野菜「千住ネギ」の栽培について、今年も立派な千住ネギを栽培してほしい旨のあいさつがあった。
荒堀会長に伺うと、千住ネギの復活栽培は、テレビ新聞で紹介されたことから、思わぬ波及効果も生まれ、改めて足立区に農業・農地があることの重要性が区民に理解される一助になっていると云う。
6年生が今年ネギ坊主から採種した種を今年実施する、5年生に手渡す「種の伝達式」が行われた。
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6年生は、全員が体育館に集まり、代表から5年生全員が見守る中、5年生代表に手渡された。
6年生代表からは、「私たちが一生懸命栽培して今年採った種です。5年生も一生懸命栽培してください。」
の一言を添えて手渡された。
昨年は、江戸東京野菜コンシェルジュ協会が農業生物資源研究所から取り寄せた「千住ネギ」の種を、荒堀会長から生徒代表に手渡されたが、今年は初めて同校で栽培された「千住ネギ」の命が、後輩たちに繋がったわけだ。
6年生は、5年生に種を手渡した後、教室に戻っていったが、引き続き「千住ネギの話」をパワーポイントで実施した。
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ホワイトボードには「命をつなぐ 千住ネギ栽培授業」の次第が張られなていたが、農業委員会事務局が根深ネギとネギ坊主を作りボードに張られていた。
「足立区の昔の農業」から入り、昭和30年代以前は、まだ水田が広がっていて、「くわい」「せり」「れんこん」「さといも」「みつば」そして「千住ネギ」が栽培されていた歴史についても紹介。
千住は、隅田川や奥州街道、日光街道など交通の要所だったことから、江戸では最も古いと云われている千住青物市場が生まれた。
昨年各校で実施した「千住ネギ」の栽培経過についても、写真で紹介した。
引き続き、5年生たちは用意されたフラワーポットを班毎に囲み、6年生から手渡された、千住ネギの種を、農業委員さんの指導でまかれた。
江戸東京野菜コンシェルジュ協会からは食育を進めている松嶋あおい理事が参加、授業を手伝った。
平野小学校の周辺には、大きな農家もあり、畑も残っていることから、同校では農地を借りて学校菜園としていて、畑には採種の終わった千住ネギが残っていた。
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学校菜園には、各学年ともサツマイモの栽培がおこなわれていた。
今回まかれた千住ネギは、苗として育ったら、農業委員さんの指導で、この畑に定植することになる。
同校は、農地を借りているから栽培条件は最も良い。
足立区立の千寿双葉小学校と栗原北小学校は14日に行われる。
尚、授業は同区農業委員会の要請により、「農」のある暮らしづくりアドバイザーとして(一財)都市農地活用支援センターから派遣された。