2016年07月31日

京野菜栽培の第一人者・鷹峯にある樋口昌孝さんの農園に伺った。


総合地球環境学研究所で、伝統野菜の地理的表示についての研究会があるというので、久しぶりに京都に伺った。

参加者の中に、京都で伝統野菜を栽培する第一人者、樋口昌孝さんの名前があったので、事前に電話で、この時期の農園を見せてほしいと頼んでいた。

そもそも、樋口さんとは、2009年に金沢で行われた「伝統野菜サミット」でお互いに事例報告をしたご縁で親しくさせてもらっている。

前回、樋口さんの農園に伺ったのは3月だったが、この季節の野菜も見たかったので無理をお願いしていた。

樋口さんの農園には朝の収穫前に伺いたいと思っていたので、タクシーを呼んで、上賀茂の山道を抜けて向かった。

前来た時には工事中だったが、樋口さんのお宅の数軒先に、東急ハーヴェストクラブ 京都鷹峯&VIALAができていた。
同ホテルのHPには、樋口さんのハウスが掲載されている。




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作業場から、緑の山がきれいなので、写真を撮ったが、なんという山か、後で樋口さんに尋ねると、あれがこの地の象徴「鷹峯」だという。

鷹峯が、作業しながら臨めるように、ハウスの位置を下げて作ったんだとか。

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鷹峯は、左大文字の北方に位置し、鷹峯街道から西方に連なる丘陵を云い、東から鷹峯、鷲峯、天峯とあり、古文書などに記載され、古来多くの人に親しまれてきた。

花札の8月の絵札でおなじみの「すすき」は、この鷹峯の山を描いたものとだという。


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樋口さんの農園には、8時30分ごろに着いたが、すでに樋口さんは遠くの畑に出かけたとの事、
息子さんや娘さんかいて、私が来ることを聞いていたようで、待っていてくれと云う。

写真を撮らせてもらいますと云って、自由にハウス内を撮らさせてもらった。

樋口さんの農園では、京野菜の「鷹峯とうがらし」「賀茂なす」「聖護院だいこん」を始め、旬の野菜を40種ほどを栽培している。

「賀茂なす」は、2番目のハウスと、自宅と鷹峯街道を挟んだ東側にある2棟のハウス内で栽培されていた。

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どちらのハウスにも、賀茂なすと、千両なすが栽培されていた。






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「鷹峯とうがらし」は、樋口さんのお宅に伝わるとうがらしで、京の伝統野菜に準ずるとされている。

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3番目のハウスで栽培されていたが、桂のハウスでも栽培されているという。
辛味のないとうがらしで、香りが良い。、

今では、京都府が京都で栽培する野菜はすべて「京野菜」にしたが、2009年 京都市が「京都の伝統野菜」としたのが、いわゆる伝統野菜だ。






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京野菜の「鹿ケ谷かぼちゃ」は、鷹峯街道を挟んだ東側にあるハウス脇で栽培されていて、幾つかなっていた。

有名な話だが、来歴は、江戸時代の文化年間(1804〜1818)の頃、山城国粟田村の百姓が津軽から持ち帰ったかぼちゃの種を愛宕郡鹿ヶ谷村の農家にあげた。

当初は、普通の菊型かぼちゃだったが、数年栽培を繰り返すうちに、ひょうたん型になったとされていて、京都生まれの伝統野菜と云う事。
固定種だけに、ありうる話した。






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トマトは中玉とミニトマトが栽培されていて、
顔見知りのレストランのシェフなどが、ハウスに入って行って、自分でもいでいた。






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樋口さんがシソを収穫して戻ってきた。
お早うございます。

樋口さんの農園は、鷹峯の他に、亀岡と桂、そして大原と、計150アールの農地を所有していて、
今朝、6時起きで、大原に行って栽培しているシソを収穫してきたという。

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大束を水槽に入れてから、3本セットで袋に入れていた。






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キュウリは、交配種、特に品種について聞かなかったが、鷹峯街道を挟んだ東側にある手前のハウス内で栽培されていたが、

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桂の農場で収穫してきたキュウリを、規格で揃えていた。






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この時期、亀岡ではサツマイモ、桂ではナス、キュウリ、サトイモ、トウガラシ、などが栽培されているという。






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後継者の豪宏さんも頼もしく作業をしていた。
今回は、奥さんにはお会いできなかったが、お嬢さんとご近所の方2人が手伝っておられた。

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改めて樋口さんを紹介すると、
京都市鷹峯に400年続くという農家の14代目で、京都の伝統野菜を継続栽培する樋口昌孝さんは昭和31年生まれで今年還暦。
京都市指導農業士として活躍されている。

京都の和食文化の継承に貢献したことから、今年の3月に、京都和食文化推進会議から生産者としてお1人、第1回 京都和食文化賞に選ばれた。

熱中症対策として、いつも飲んでいるんだと、甘酒を勧められた。

土産に、賀茂ナスと田楽用の味噌、鷹峯とうがらし、キュウリをいただいた。
樋口さんあり゛とうございました。

前回来たときは、リーガーロイヤル京都を紹介いただき、樋口さんの野菜をいただいたが。
また、どこか紹介してほしいと頼んでいた。


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和食のお店を紹介しよう・・・・と。
京上賀茂のお料理秋山の主人秋山直浩さんが、毎朝野菜を採りに来るからと・・・・・。

10時半頃、気が付かなかったが、自分で収穫して、ハウスの中から出てきた。
早速名刺交換をして、急な話だか樋口さんから頼んでいただいた。
それにしても、竹篭を背負っていて食材集め、さすが京都の、人気のお料理屋さん、粋だね。

次回は、京上賀茂のお料理「秋山」の、お料理を紹介する。


posted by 大竹道茂 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
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