2016年08月12日

海水に浮きやすい、鎌倉だいこん


鎌倉だいこんの話題が、鎌倉では広がっている。

鎌倉だいこんは、鎌倉市民の皆さんが、由比ガ浜に生えているハマダイコンを確認して、これは正に「鎌倉だいこん」と云ってもおかしくないと確認したからだ。

青葉高著 作選Vの「野菜の博物誌」「野生ダイコンの変異と系譜」に・・・・
「日本各地の海岸砂地と東北地方の一部荒蕪地などに、ダイコンの近縁種が野生している。
現在その多くは海岸砂地に生育し、ハマダイコンと呼ばれ、一般にそれは栽培ダイコンの逸出したものとされている。
しかし日本の野生ダイコンには栽培種の逸出種とは別に本来の野生種があり、・・・」と、近年では
ハマダイコンは逸出種ではないと説いている。




1-1.JPG

ハマダイコンと同種でも、浜ではなく内陸に生育しているものは、野良大根と呼ばれている。
山形県鶴岡市藤島町の野良大根も、地元の方に伺うと、かつてはあの辺りも浜だったと聞く、

また、島根県隠岐の知夫里島の山の上に野大根が生えていることを紹介したが、同島は隆起した島だという。

また、皇居桜田門から半蔵門へのお濠ののり面にある、ハマダイコンは、かつて日比谷の入り江は、現在の櫻田門の辺りまで入り込み、その先は江戸の前海につながっていた。
江戸の都市づくりとして、家康は神田の山を切り崩して、埋め立て日比谷濠を構築した歴史がある。

ハマダイコンの種子が、波に洗われ沖に流され・・・・、
海流に乗って、浜に打ち上げられると、そこで根を伸ばす。

海流によって運ばれ、全国の浜に打ち上げられたと書いてあるものはないが、また、海流で運ばれてきたことを否定しているものもない。
研究が進んでないようだ。

上の画像をクリックする
青葉博士の同書によると、「・・・莢は固い木質で、内部の種子は容易に取り出せない」とあるが、
実際に莢をカットしてみると、発砲スチロールのように、気孔が無数にある固い木質で、種を守っていて、爪で割ることもままならないが、海水に浮きやすくなっている。



2-1.JPG

先日、練馬大根の採種をしている渡戸章さんにお会いした。
練馬大根の種をいとも簡単に手の平でつぶして、種を取り出した。

上の画像をクリックする。
各写真の上が、練馬大根で、下が鎌倉だいこん。




posted by 大竹道茂 at 00:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説の鎌倉大根
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック