7月の中旬に、専門学校の「東京ビジュアルアーツ」マスコミ・映像学科、雑誌編集専攻 2年の樋口真弘さんからメールをもらった。
何でも、卒業製作で江戸東京野菜のムック本を製作しているが、是非インタビューを受けてくれと云う。
丁度、京都に行く用事があったり、更科堀井の夏の会が予定されていたり、鎌倉だいこんの勉強会があったりで忙しいので8月になってからとメールを送っていた。
そんなことで、先日、昭島駅前でお会いした。
岡山出身の樋口さん、事前に送ってもらっていた企画書には
「江戸東京野菜を扱っている書籍が少なく、野菜そのものの認知度もまだ低いですが、歴史と希少性からもっと話題になってもいいのではないかと思っております。」と云う。
「そこで生産者の声、野菜を扱う料理人のこだわり、家庭でも美味しく食べられるということをまとめて伝えられる特集を組もうと考えました。この特集により、身近で魅力的な野菜であることを知ってもらいたいと考えています。」とあった。
どこまで知っているのかわからないが、企画書にここまで書くのなら、会ってみようかと・・・・
インタビューには色々とお話をしたが、
今、収穫期を迎えている一つに、真桑ウリの「鳴子ウリ」、又は「府中御用ウリ」がある。
真桑ウリなら、歴史的背景も面白いし、小学校での授業も来月ある。
丁度明日、真桑ウリを栽培している府中の石川孝治さんの畑に行くが、行きますかと聞くと、是非と云うので案内することになった。
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石川さんの畑は何か所かに分かれていて、自宅からは近い畑の一つで石川さんと待ち合わせた。
樋口さんは初めて見るマクワウリの匂いに驚いていた。
「まさしくメロンの香りだ」と・・・。
「ウリの肌は、つるつるではなく、キュウイフルーツのように毛が生えている。」とも・・・
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産地の美濃(岐阜県)では、今年は気候の関係で7月中に、収穫が終わってしまったと云っていた。
石川さんは、小学校の2学期に合わせて、苗づくりをしているから、今が最盛期だ。
前日、樋口さんには、府中市史に徳川家康、秀忠時代の真桑ウリについて詳細に掲載されているからと伝えていたが、すでに図書館に行ってコピーをとってきていて、取り組み姿勢は真面目だ。
当時の絵、武蔵府中国府台勝概一覧図に、「御瓜畑」があり、竹矢来で囲まれ、その脇に粗末な小屋を建てて栽培している。
そんな資料は、大国魂神社の境内にある、府中市立宮町図書館1階の国府資料展示室にあるからと教え、府中駅前まで送って別れた。
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石川さんとは、久しぶりだったので、石川さんが栽培した野菜が食べられるレストラン、「LA VITA」の予約を入れてもらっていた。
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同店に来たのは1年ぶりだ。
濱口嘉明シエフもお変わり無いようだ。
ランチを頼んだが、石川さんの野菜が食べたいと云ったら、シェフにお任せとなった。
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出てきたサラダには府中御用ウリも使っていた。
スープには赤ビーツを使って、ピンクのいい色を出していた。
パスタは長ナスとスカトローネのトマト。
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石川さんの大きい赤いとうがらしで作った、辛子(写真左上)を用意してくれた。
府中で、徳川家康の御殿が発掘されたことは、何年も前のことになるが、そんな話をしていたら
石川さんの母方は五十嵐さんとおっしゃるそうで、現在も御殿跡の近くに屋敷があり、屋号を御殿と云うそうだ。
江戸から続く名家で当時の娘さんが家康御殿のお女中をされたとの話が伝わっているそうだ。
府中御用瓜のシャーベットが清々しい。
石川さんのルバーブで作ったジャムがかかっているケーキもある。
バジルとミントの香りが良い。これも石川さんが栽培したもの。
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濱口シェフとは立ち話だった、久々のあいさつを交わした。、
濱口シェフごちそうさまでした。
尚、9月2日に新宿区立柏木小学校で、鳴子ウリの収穫と試食会があるが、樋口さんは初台に住んでいるので近いから授業参観をしたいというので、学校にお願いをしておくと伝えて別れた。