江戸東京野菜の寺島ナスの普及に尽力をされている、東向島の青果商「大喜青果」の阿部敏さんから、9月初めに電話をもらった。
何でも、阿部さんが東京都青果物商業協同組合大田支所の総務部長に就任したというので、大田支所としては初めての企画だが、お料理を食べながらの勉強会というの考えているので、相談に乗ってほしいとのことだった。
第1回として、四ッ谷の「オテル・ド・ミクニ」で開催できないものかという話をいただいた。
何でも、大田支所の組合員の皆さんは、江戸東京野菜の名前は知っていても、どのようなものなのかを知る人が少ないのが現状なので、食事前に、三國シェフの話と、江戸東京野菜の話を希望されていた・・・・
ありがたい話だ。
早速、ソシエテミクニの、岡本孝一さんにお願いして、三國シェフの日程や、お料理の内容から、パワーポイントのセッティング等についてまでお願いした。
「・・・楽しむ会」の主旨は、
「江戸東京野菜について−層の知識、情報をえて、個々の商売につながる様、勉強会を開催することに成りました。
江戸東京野菜の歴史から始まり、その啓蒙活動の様子や、実際に江戸東京野菜を使った料理は、三國清三シェフのご協力を頂戴致しました。」とあった。
上の画像をクリックする。
50名に及ぶ皆さんが1時間前からお集まりになったようで、楽しむ会への期待が高まっていたようだ。
阿部さんの司会進行で、今野勝彦支所長 (東京都青果物商業協同組合常務理事) のご挨拶で始まった。
阿部さんから紹介をいただいて、作ってきたパワーポイント「三国シェフと江戸東京野菜」の映像を映し出した。
上の画像をクリックする。
始めに、皆さんが取り扱っている野菜は、交配種で種屋さんが作り出した「一代雑種」で、一代のみ両親のいいところを伝えている。
伝統野菜の「江戸東京野菜」は、「種を通して野菜の命が今日まで繋がってきたもの」、
「揃いが悪く、流通に乗らないことから栽培されなくなった野菜ですが、野菜本来の味がする」
と、専門家の皆さんだったが、前段で基本的なことをお話しした。
三國シェフのトークが始まる前に、阿部さんの地元、東向島では江戸東京野菜の「寺島ナス」の普及推進を行っている「寺島・玉ノ井まちづくり協議会」の伊藤準さんと小石川文子さんが、
同協議会のキャラクター寺島茄子之介のTシャツを三國さんの体格に合わせたXLと、「第1回マンガ江戸東京野菜マラソン大会」をプレゼントした。
上の画像をクリックする。
三國シェフから二人でトークショーをしようと誘われだが、話のテンポが良くなったところでシェフの独演となった。
これを皆さんは聞きたかったわけで、笑いを取りながら和やかな会となった。
三國シェフは北海道の増毛で生まれ育って・・・。
三國シェフとのご縁は13年前、雑誌ソトコトの特集で、東京の農家を紹介したことから始まっている。
この体験から三國シェフは、東京の農家の栽培技術を高く評価してくれている。
上の画像をクリックするとメニュー。
今日のお料理は、東京の食材を中心に使ったことを、メニューにも書いていた。
メニュー紹介が終わったところで、「今日召し上がっていただくのはランチメニューではなく、フルコースです」とのこと。
上の画像をクリックする
乾杯の発声は堀内浩正財務部長(潟ウキ社長)。
江戸東京野菜は、平成23年にJA東京中央会内に
「江戸東京野菜推進委員会」が置かれ22品目が認定されたが、
24年に8品目で30品目となり、25年度に4品目で34品目、
26年度に6品目で40品目、27年度には2品目で42品目になり
今年3品目増えて現在45品目となったことを、
映像で見ていただいた。
北海道根室産白子のフリットと牛蒡入りのその白子のフラン、
塩の泡と牛蒡のフリチュール添え、キュルキュマの香り
上の画像をクリックする
滝野川ゴボウは、小平市の岸野昌さんが栽培したもので、
香りがよく、好評だった。
江戸東京野菜の生産者の話もした、三鷹江戸東京野菜研究会、
JA東京みどり江戸東京野菜研究会、
東久留米市江戸東京栽培農家
川口エンドウ普及プロジェクト等の他、
江戸東京・伝統野菜研究会の生産者とメンバーを含めると、
延べ231名の生産者がいる。
江戸前穴子のグリエ、赤ワイン風味の五穀米入りリゾットと
木の芽添え、赤ワインソース
青果商の方々の取り組みもある。
世田谷区下馬の森田哲也さん(江戸東京野菜コンシェルジュ)は、
店先で江戸東京野菜を漬物にして売っている
品川区北品川商店街のマルダイ大塚好雄商店の、
大塚好雄さんは品川カブで地域興しを行っている
東向島の取り組みとして、寺島ナスの阿部さんを紹介した。
黄色ベビーキャロット(八王子)、小松菜・ラディッシュ・
赤ベビーキャロット・カリフラワー・里芋(小平)、うど(立川)
オレンジカリフラワー(三鷹)添え、ワサビ風味
上の画像をクリックする
秋川牛は、前から三國シェフには使っていただいているが、
6月に竹内牧場にご案内している。
第35回全国青果物商業協同組合全国大会で、
八百屋塾の推進が決議されたが、
当方も協力し星野直治さん、矢ヶ崎宏行さん、小坂良夫さんと、
江戸東京野菜の栽培現場に案内している。
東京東村山産キウイ風味
上の画像をクリックする
東村山産の赤いキウイは、
果樹園「久安」の中村博さんが栽培しているもの。
お煎餅状にしたキウイは味も濃くむ美味しかった。
販売の事例としては、伊勢丹新宿店での様子、
錦糸町駅ビル・テルミナ、そして地下の九州屋も紹介した。
東京駅開業100周年での「東京食材祭り」も紹介した。
青梅の日本酒“澤乃井”のアイスクリーム、
東京産フルーツ:ブルーベリー(立川)・柿(西東京)・和梨(小平)
他の葛寄せの盛り合せデザート、柚子のけむりと香り
上の画像をクリックする
柚子のけむりと香りが、スイーツを覆った。
ミクニマルノウチのオープンで、東京の食材にこだわったメニュー。
2013年には、国賓として訪れたフランスのフランシス・オランド大統領の午餐会に「江戸東京野菜添え」の料理を・・・。
小平産金ゴマのクラフティー・奥多摩の水で作った水まんじゆう)
上の画像をクリックする
最後に閉会の締めは、諏訪重夫氏が恒例の一本締め。
三國シェフは、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の顧問だが、個人的にリオを視察した様子を紹介した。
三國シェフから、「明日のパーティーには来てくれるんでしょう」と聞かれた。
明日のパーティーとは、「フランスの国家褒賞レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ受章、東京ブランドアンバサダー就任、新本の出版記念」と、これまで披露していなかったお祝いを、まとめて帝国ホテルでお披露目するもので、喜んで伺いますとお伝えした。 このことは、後日お伝えする。
お開きになった後、あいさつに来ていただいた方々と
名刺交換をさせていただいた。
東京都青果物商業協同組合大田支所事務長・江渡宗彦氏、
且O越伊勢丹フードサービス青果ショップ新宿店
サブチーフ宮間雅子氏、アシスタントバイヤー栗林七重氏、
潟Cンターナショナルグリーンサービス
専務取締役 鈴木大樹氏、営業部 田中佐知子氏、
鞄結档tード常務取締役 塚越将童氏、潟ウキ専務堀内結実氏、
プロジェクト・コーディネーター大川原道昭氏の皆さん。
追伸
後日、太田支所事務長の江渡さんから
アンケートを取りまとめた資料を送っていただいた。
皆さんありがとうございました。
参加させて頂いたものです。
私は大田市場で、輸入及び国産果実の仲卸をしています。
大田支所の部外者でありますが阿部さんにお誘い頂き参加しました
自分は以前、田崎信也氏が愛宕山の神社内で全て東京産の食材を使用したレストランを開店された事で東京産に興味を持ち始めました
野菜・果実・肉・魚からワイン・日本酒・焼酎・ビール・サイダー・ミネラルウォーターなどの飲料や味噌・醤油まで
更にこだわって器まで東京産
こんなに揃うのだと驚きました
そんなお店が閉店してしまい
とても残念に思っていましたが
今回の三國シェフによる
江戸東京野菜の食事会
大竹先生の解説
とてもとても楽しめました
本当にありがとうございました
もしまたこの様な企画があれば
ぜひ参加させて頂きたいと思います