2017年03月08日

久しぶりに、山形在来作物研究会会長の江頭教授が時間を取っていただいたので、しばし浅草をご案内した。


昨年の12月だったか、山形在来作物研究会会長の山形大学江頭宏昌教授から、来年3月5日に東京に行くが、亀戸大根の福分け祭は、その頃でしたか! 、と云うメールをいただいた。

一度来ていただいたことがあったが、2週目の日曜日に開催されることから、事前に会場の香取神社に確認すると、12日と云うことで、「先生がお見えになるときは、何処かご案内します、」と伝えて、手帳に書き込んだ。

前日電話を戴いた、5日に時間が取れると云うので、どちらか希望がありますかとお聞きすると、研究会で向島にある「長命寺の桜もち」が話題になったと云うので、販売している山本屋に行きたいとの事で、浅草吾妻橋のたもとで、11時半で待ち合わせた。





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先生とは、ゆっくりお話しもしたいので昼食は、創業200年の「駒形どぜう」にご案内した。

昨年、同店で実施しいる「江戸文化道場」で江戸東京野菜の話をさせてもらっていたので、渡辺隆史社長に先生を紹介しようと思っていたが、お出掛けしていてお会いすることはできなかった。

江戸の商家造り、下町の情緒を残す店内は、すでにいっぱいだったが、1階の入れ込み座敷に座ることが出来た。

どぜう鍋定食を注文、しばらくしてお姉さんが、どぜう鍋と薬味の葱が入った箱を持ってきたところで、昔、上司から習った「どぜう鍋」の流儀をひとくさり。
葱を鍋の上に積むようにして、どぜうから食べるのではなく、割り下でトロリとなった葱から食べるというもの。葱はお代わり自由!!

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江頭先生は、どぜうは嫌いではないと云うので、江戸の下町の情緒と云うものを味わってもらうには、よい機会だと思ってお連れしたもので、





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鍋の定食に、ささがきごぼうと、どぜうの唐揚げも注文、

昔は葱も千住ネギだったようだが、現在使用しているネギはの品種は聞いていないが、ささがきゴボウのゴボウは滝野川ゴボウだ。

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どぜうは、大分の温泉で育てたと聞いている。
骨まで柔らかくて、食べやすく、割り下を吸った柔らかい葱でどぜうをはさんで食べる。

どぜう汁には、江戸甘味噌が使われているから、甘くてドロッとした汁で、ささがきごぼうをあしらって食べるとよいという。

どぜうの丸が入っている。





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堤の桜は、まだ蕾は固いが、山本屋の脇に満開の桜があった。

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向島「長命寺の桜もち」の山本屋は、300年の歴史を持つ、
長命寺の桜餅の特徴は、餅一つに大きめの葉が三枚、包むと言うより覆うと言う感じ。
香りと、うすい塩味が餅にうつって甘さを引立て、江戸時代からの味を伝えている。

享保年間、八代将軍吉宗によって、隅田川の土手に桜の植樹が行われたことから、堤は江戸でも有数の桜の名所となった。

大きく蛇行する川に添って満開の花が川面に映るさまは、壮観なもので、この時期花見に繰り出した人の波で堤はごった返したと言う。

 享保二年、隅田堤の東岸、向島にある長命寺の門前で寺の御用を務めたり、花や線香を売って生業をたてていた銚子出身の山本新六が、ふとした事から土手の桜の葉を塩漬にし、あんの入った餅を包んだ“桜餅”を思いつき、そまつな掛茶屋を開いて売り出した。

 満開の桜のもと緋毛氈のかかった床机の上で食べる味は格別で、お花見客に受に受けて桜餅は飛ぶように売れ、一躍江戸の名物となった。

桜餅に使う葉は、塩漬にすると香りが出てやわらかい事が生命なだけに、伊豆大島原産の大島ザクラが最適。
伊豆大島では、古くから桜餅用の桜として栽培していて「餅桜」とも呼ばれていたが、現在は、西伊豆の松崎が主産地で、2月に若木を剪定し、新芽が成長した5月下旬から収穫するというもの。






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言問い団子も老舗だ

在原業平が東国を旅した時に読んだ和歌
「名にし負はば いざ言問はん 都鳥
我が思ふ人は ありやなしやと」(『古今和歌集』)

和歌から言問団子と名付けたお団子で、
江戸末期の創業より串に刺さない団子を続けてる。

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山本屋の前から見える言問団子、山本屋では桜餅を食べたかったが、今はやっていないと云うので、言問団子に行って、お茶と団子のセットを注文した。





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向島から白鬚橋の近く、寺島ナスの江戸東京農業説明板がある白鬚神社に行こうとも考えたが、少し距離がある。

待乳山聖天をご存知か、伺うと行ったことはないと云うので、言問団子から桜橋を渡り対岸の浅草へ。

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待乳山聖天は金龍山浅草寺の支院で、「巾着」は財宝で商売繁盛、お金が貯まる。
二股大根は夫婦和合、縁結び、子孫繁栄を表している。

祈願するには大根を奉納するのが特徴で、境内で販売している大根を購入して奉納する。
大根は清浄、淡泊な味わいと、体の毒素を中和して消化を助ける働きがあることから、祈願に用いられている。

毎年1月7日が大根祭で、元旦から奉納された大根を風呂吹き大根にして、2,000食が振る舞われるので、浅草の風呂吹き大根は名物と云っていい。

江戸の頃の様子は、歌川広重が描いている。





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この先は、吾妻橋のたもとにある水上バスに乗って、日の出桟橋というツアーを、先生に提案。
隅田川から見る東京を楽しんでいただいた。

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15時40分の船は「リバータウン」
この日は、少し暖かったので、デッキで川風に吹かれようと思っていたら、この船にはデッキはなかった。

追伸

江頭先生には、いろいろと教えていただくことを、楽しみにしていて、道すがらいろいろお聞きすることができ、有意義だった。

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現在、進めている「鎌倉大根」については、色々と経過をお伝えしていたが、山形には野良大根として鶴岡市や、藤島など内陸に生えていると聞いていた。

改めて伺うと「あのあたりは縄文の頃は、海だったようで遺跡がある」とのこと、帰宅後写真など資料をたくさんを送っていただいた。
先生ありがとうございます。

鎌倉大根も、鎌倉時代以前からあったと言ってきたが、参考になる資料だ。

また、コンシェルジュのひとり、高円寺にある居酒屋「うおこう」の女将・松井つるみさんから、先日お会いした時に、「松井家の故郷新潟県村上の伝統野菜を探して!」と頼まれていたが、伝統野菜を保存するグループがあることも教えていただいた。


posted by 大竹道茂 at 00:27| Comment(1) | TrackBack(0) | その他関連情報
この記事へのコメント
大竹先生
長旅でお疲れのところ大変恐縮でしたが、楽しい旅にご案内いただき、本当にありがとうございました。ご丁寧に記事にしていただき、感謝します。
Posted by 江頭宏昌 at 2017年03月14日 00:47
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