「日本一のセルリー」で有名だった江戸川の伊藤仁太郎さんが亡くなった後、愛弟子の並木猛さんが清瀬市でその栽培技術を継承しているということを知ったのは昨年で、収穫風景は当ブログで紹介している。
伊藤さんの思いを受け継いだ栽培技術は、半端ではない。
そんな並木さんのセルリーに対する姿勢を知ってからは、昨年は採種の頃や、9月の発芽したところに伺って、写真を撮らせてもらっている。
昨年の収穫風景をブログに掲載したら、野菜ジャーナリストで野菜ソムリエの篠原久仁子さんや、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の上原恭子理事が、収穫時に並木さんを訪ねていて、立派なセルリーを手にして感激していた。
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そんなことで今年は、一緒に見に行こうと、先月伺ったもの。
並木さんがセルリー一株一株に向かい合う、思いを今年も心地よく聞かせていただいた。
セルリーは、3カ所にあるハウスの中で栽培されている。
大きい1番目のハウスは、清瀬駅方面へのバイパス道路脇にあり、2番目のハウスは、その近くの住宅街の中にある。
そして、3番目のハウスは、志木街道に面した自宅の裏にある育苗ハウスが育苗後に使われている。
3カ所のハウスは、1,2,3の順に少しずつ、収穫時期をずらして定植されていて、1番目のハウス内では収穫を3月末から4月上旬に向けて、株周りがしっかりして、順調な生育を見せていた。
収穫は2週間だ。
住宅街の中にある2番目のハウスでは、1番目と比べると定植をずらしていることが、その株で分かる。
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画像の左上が、2番目のハウス、左下が3番目のハウス。
ハウスは加温していることから、均等な加温が必要なことから、ハウス内はビニールを2重にしている。
換気にはハウス内にもファンを付けて、スムーズに換気できるように配慮がされている。
伊藤さんから受け継いだ「コーネル619」は固定種で、味がいいから昔から人気の品種だが、並木さんが採種した種だから、中には伸び悩んでいる苗も生じている。
住宅街のハウスでは、陽が低い時期だけに住宅と住宅の間から差し込む西日に、ハウス内の湿度など生育環境にムラができるなど、栽培はデリケートだ。
並木さんは、1万本生産が目標だが、現在、親戚の方のお手伝いに来てくれているものの、今の体制では約7000本が限度だという。
伸びが悪くM以下のもの出るようでは納得できないが、2L、Lを中心に収穫できるように努力している。
良いものを作るには畑の管理が重要で、「それは畑に何回足を運ぶかで決まる」と語っていた。