「もの売り・大道芸☆東京野菜ものがたり2017」を、久しぶりに開催したいのでと、浅草雑芸団のリーダー上島敏昭さんが訪ねて見えたことは、当ブログで紹介した。
ことの発端は、上島代表がお知り合いの向島百花園・佐原滋元先生にお会いしての帰り、東向島でお茶を飲みに入った店で、江戸東京野菜の寺島ナスが話題になっていたことから、東向島にも江戸東京野菜があることを知り、それなら内藤とうがらしと、コラボをやったら面白いのではと、思い立ったのだという。
上島代表の浅草雑芸団は毎年木馬亭公演を行っているが、野菜をテーマにした演目は、2013年7月に企画した第7回が好評を博していて、今回はこの企画の続編と云うもので、監修を依頼された。
上島代表は、2013年以来、江戸東京野菜を応援してくれていて、
その年の8月にはマクワウリを食べたいとの話から、東中野駅前のポレポレ座で「マクワウリ物語」が公演された。
同年の12月には、練馬大根引っこ抜き競技大会に出場した後、練馬大根をテーマにポレポレ座で公演している。
2014年3月には、東京ウドの栽培現場を見たいと産地を訪れ、その後、東京ウドをテーマに公演していて、皆さん研究熱心なのには頭が下がる。
ほうずき市をひかえた浅草は賑やかで、木馬亭は18時開場だったが、オープン前から行列ができて、開場後、10分程で131席はいっぱいになり、立見もでた。
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浅草木馬館は大衆演劇の劇場で、明治からの歴史がある。
メリーゴーランドを設置して人寄せを行ったことから木馬館の名があり、現在1階のウインドーに飾られている。
2階は、木馬館、1階が木馬亭で、講談、浪曲の寄席になっている。
幕が開くなり、出演者が全員勢揃い、大根おどりの口上から・・・・
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口上
苦しき時の父となり、悲しき時の母となり、楽しき時の友となる
いざ歌わんかな、踊らんかな、農大名物青山ほとり
後ろに隠し持っていた大根を振り上げ、歌と踊り
青山ほとり常盤松、そびゆるタンクはわが母校、
何時も元気は山を抜く、農大健児の域を見よ
今日も勝たずにおくものか
そりゃつき飛ばせ、投げ飛ばせ
二番まで踊り切った。
これまで、野菜がテーマの大道芸では、必ず大根踊りをやるのかと聞かれるそうだ。
農大OBでもないのにおかしいと、やってこなかったが、今回佐渡ケ島の興行先で、農大OBに習ってきたという。
踊り終わった皆さん、汗だくでフゥーフゥー ・・・・・・。
農大OBとしては、ふざけないで真面目に正統派の大根踊りを披露してくれたのは、うれしかった。
因みに「大根踊り」の正式名は「青山ほとり」で、元々は徳川育英黌農業科として榎本武揚が創設、渋谷の青山・常盤松御料地に移転、東京農大となったことから「青山畔」と呼ばれている。
農大は戦後現在の世田谷に移ったもの
東京産野菜とザルで作った、獅子頭で垣崎さんと竹内さんが舞った。(笛・上島、太鼓・三上)
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ご祝儀・野菜ジャグリング・獅子舞付き
写真下、おでんさん(ミホウ)
ステージの上島代表から紹介されてステージ中央へ
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今回のテーマは、江戸東京野菜の寺島ナスと内藤とうがらし、と云うことで
簡単に、江戸東京野菜とは、そして寺島ナスと、内藤トウガラシについて説明。
開演前に、江戸東京野菜の千住ネギを扱う、浅草葱善の田中庸浩社長が皆さんにと、持ってきてくれたので、千住ネギについても紹介した。
紹介が終わったところで、会場の皆さんに差し上げますと云うと、会場から一斉に手が上がった。
江戸俗曲は、野菜がテーマで黒沢さんの三味線の弾語り(おどり竹内+武藤)、演目は、「とんとん唐がらし」、「ぎっちょんちょん」、「仙台節」、「なすとかぼちゃ」
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ゲストとして、向島百花園の八代目佐原滋元先生が出演、上島代表とのトークショー。
佐原先生は資料を見せながら話された。
向島百花園は、江戸郊外の田園文化を生み出し、佐原鞠塢が開祖。
法界坊の「葱(しのぶ)売り」で手にする籠は、七草の籠の原型で、現在宮内庁に献上されている。
持参した「江戸名勝圖會 白髭明神」の資料には、野菜を運ぶ様子を紹介。
また「武蔵第一名所角田(すみだ)河繪圖」を広げて見せた。
拡大写真を紹介してくれたが、多聞寺のあたりで、肥桶を担ぐ百姓と馬を引く百姓が描かれている絵図を紹介してくれた。
一部の最後は「あめや踊り」(大勢、うた若林、太鼓三上)
踊りが終わると頭に乗せた籠から銘々が飴を出して、ステージから客席に向かって蒔いた。
・・・休憩(8’)・・・
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ホールの後ろに、東京野菜STYLEの阿部千由紀さんたちが、今日仕入れてきた、江戸東京野菜の馬込半白キュウリと寺島ナス、枝豆にトマトなど夏野菜、内藤トウガラシ、などを販売した。
休憩時は、販売コーナーはごった返した。
第二部開始19:35
二部の開始早々、座談会・江戸東京野菜の現状と未来の展望で、司会を任された。
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寺島ナス之介のTシャツと五穀豊穣の前掛けを付けて出ていった。
私のお隣が、新宿の町おこしを展開している、内藤とうがらしブロジェクトの成田重行代表。
右隣が、多摩八王子江戸東京野菜研究会の福島秀史代表、寺島・玉ノ井まちづくり協議会の高木新太郎代表がステージに上がった。
各地区の活動の様子を発言してもらった。
福島代表は、皆さんがユニフォーム姿で出てこられたが、私も持っているが忘れてきて残念と、会場の笑いを取った。
当日は、江戸東京野菜45品目が掲載された冊子500円を、会場で販売していることも紹介した。
高木代表は、応援団として青果商大喜の阿部敏さん、事務局長の牛久光次さん、東向島駅前商店街振興組合の元会長坂本武彦さんを引き連れて来ていた。
「たもんじ交流農園」につい説明された。
新宿内藤とうがらしプロジェクトの成田重行代表は、内藤とうがらしによる新宿での取り組みを紹介。
成田代表は、鉢植えの内藤トウガラシを持参し、最近、葉とうがらしの収穫を行ったことを紹介した。
皆さん要領よく、話してくれたので時間内で納められた。
若林さんが寺島ナスを手にもって、バナナ売りの「バナちゃん節」で、寺島なすバージョンを熱弁した。
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あほだら経・あおものづくしを上島代表が・・・・。
金子ざんさんの「ひとりオペレッタ(?)「なす族の反乱」(クラリネットは垣崎)は、会場が大爆笑で盛り上がった。
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「八木節・内藤とうがらし物語」
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上島代表が内藤とうがらし物語の巻紙をテーブルに置いて、一息で歌う都度、巻紙を読んで記憶しては、歌うという姿が面白いと、会場は爆笑する。(太鼓三上、パーカッション大勢)
「手品・とうがらしの種」は成田代表が登場(三味線黒澤、ほか)
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会場から、若い女性を指名して、ステージに上ってもらいお手伝いいただいた。
手品は黄金糯(もち米)と、内藤トウガラシを赤い布の上に蒔いて、2人の女性に布をゆすってもらうと、内藤とうがらしのおかきができた。
このおかきは、会場の後ろで売っていますとPR。
珍人形芝居「八百屋お七、青物づくり入り、火の見櫓の段」
大夫は金子ざんさんで、二人羽織のお七は若林さん、手は河内さん
(垣崎、西久保)
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家の家業が、八百屋とて、思いの筍(丈)を青物づくしで申すなら・・・・・、
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フィナーレを立見席で見ていたら、上島代表が全員ステージに上がってくださいと云うので、座談会のメンバーもステージに上がった。
終了20時40分で、予定より30分もオーバーしていたが、お客さんは帰らずに最後までいてくれた。
お客さんへのお土産は、江戸の砂糖菓子で、寺島ナスと、内藤とうがらしをこの日のために梅鉢屋に特別注文したものだ。