「食の街道」を味わう 新・伝統食の宴は一ツ橋の如水館で開催されたが、T部は東京會館日本料理の鈴木直登総料理長の「四條流庖丁式で始まったが、
トーク&生産者インタビュー
トーク「食の街道入門」は
会場を移して、向笠千恵子先生(食文化研究家でフードジャーナリスト) のトークで始まった。
向笠先生は、「食の街道を行く(平凡新書)」で、グルマン世界料理本大賞グランプリを受賞しているが、今回は「食の街道」が切り口で生産者を次々にステージに招き、お話をうがった。
鈴木料理長は「日頃料理を作ることができるのも、食材の生産者が頑張っているからだ」、と話されているが、向笠先生も共感し、この企画は「日本の生産者への大感謝祭」と云う主旨だと述べた。
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向笠先生のトーク「食の街道入門」
日本には東海道を始め、数々の街道がありますが、「食」にフォーカスすると食材を運んだ道があります。
海辺から山間部に運んだ「塩の道」に代表される「鯖街道」は地域の特産食材を運んだ道。
昆布ロードは、蝦夷地北海道から、日本海を通り、都に上り、全国に広まった、いわば海上ルート・海の道です。
時の権力者が好んだものを都に運んだ道もあります。
京都宇治の銘茶を江戸城に運んだ「お茶壷道中」があります。
岐阜の長良川であがった鮎を「なれずし」にして江戸城まで運んだ「なれずし」の道もあります。
砂糖街道もあります。
鎖国の時代、唯一開かれていた長崎出島に荷揚げされた砂糖が、シュガーロードと呼ばれた長崎街道で小倉に運ばれ、さらに日本中に広がっていきました。
唐辛子も、コロンブスが新大陸で発見して以来、旧大陸に広がり、あつと云う間に日本にも運ばれ、食生活には欠かせないものになっていきました。
街道には、食材を運んだだけでなく、生産者が消費地に運ぶ間、それに伴う様々な祭りもあり、暮らし方があります。そして文化が生まれました。
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トーク「食の街道入門」醤油の道
醤油は中国から和歌山県湯浅町に伝わったのが始まりとされていて、その後、幾つかのルートで伝播しました。
黒潮に乗って銚子に上陸し、さらに利根川の舟運で遡り、野田から、日本橋へ、そして関東に広がりました。
一方、関西方面での一つが小豆島で、現代でも木桶がたくさんい並んでいます。
トーク「食の街道入門」塩の道
生きていくうえで、塩の道は、日本中にあるわけですが、中部地方では、三河湾でとれた塩を南信州に運んだ南塩の道があります。
また、日本海側では糸魚川方面でとれた塩を塩尻へと運ぶ北塩の道があります。
小浜は塩や塩漬けの魚を、奈良平城京の朝廷に貢いでいた町で、その後、鯖街道の起点ともなりました。
トウガラシの道は、新潟県上越市では雪晒しの「かんずり」が作られました。
食品加工として塩にかかわる方々が登場。
(福井県小浜市・鯖へしこ、焼き鯖、ぐじ干物など)
天野準一氏
(福井市・越前汐うに)
東條邦昭氏
(新潟県上越・かんずり)
徳重俊一郎氏
(宮崎県都城市・無農薬栽培の在来種梅の梅干しなど)
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佐藤元英氏(右から2人目)
(愛知県豊橋市・ちくわ)
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木箱(再現)に塩と一緒にちくわを詰め、海のない信州に届けた。
塩にちくわの旨味が移り、野菜と一緒に煮炊きをして食べていた。
右前から、天たつ黄味寿し、地鶏鍬焼、金平、紅梅園
右上から、黍醍醐、蒲穂子、ふく豆、
、
右上、海(アカモク)藻、うまき玉子、桑の葉羊羹、凍り蒟蒻 蓮根、
右前、アスパラオイル漬、胡瓜印篭詰、打豆団子、
塩の道
ゆべし
昆布の道
(名古屋市・豆菓子の山海豆など)
福谷さんとは、お席がお隣になったが、山形県米沢で行われた
すきや連の例会で、福谷さんご夫妻にお会いしている。
(茨城県大洗町・日本酒)
井出民生氏
(長野県佐久市・日本酒)
須藤源右衛門氏
(茨城県笠間市・日本酒)
鈴木信之氏
(新潟県村上市・どぶろく)
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下段右から
田耕邦子氏
(神奈川県・天然アカモク加工)
多田一政氏
(静岡県・天然酵母、酵母製品)
中川さんが育成した近江牛を、彦根市で行われた「すきや連」
の例会でいただいている。
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今回は、「江戸の料理」のしゃぶしゃぶに並んでいたら、
すきやき、浅草「ちんや」のご主人住吉史彦氏が、
中川さんのお肉だと教えてくれた。
〆は、「ちんや」の住吉さんが三本締めで〆た。
向笠先生の主宰なさった「若狭路うまいもんツアー」昨年11月に
参加した仲間です。小浜のへしこ料理を堪能、敦賀の杉箸の
伝統野菜アカカンバ(赤かぶら)の畑を訪ねた楽しい旅でした。
向笠先生のルーツが福井県と云うことで、
ふるさとへの思いは格別深く感じました。齋藤
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帰りに如水館の出口で、皆さんをお見送りしていた、
鈴木総料理長と・・・
事務局の堀田雅湖さん、
司会進行の天谷ゆかさん、お世話になりました。