更科堀井を会場に開催している四季の会、今回は「夏の会」が、8月8日、9日の2日間行われた。
うだるような暑さだったが、大勢の方々にご参加いただいた。
主催は江戸ソバリエ協会と、江戸東京野菜コンシェルジュ協会で、アトリエグーを主宰する料理研究家の林幸子先生に、江戸そばに合う江戸東京野菜の料理をお願いしているが、今回で2年が経過した。
事前の打ち合わせ会で、この季節にある野菜を紹介していたが、
林先生はご多用の中で、いろいろと考えていただいた。
恒例により、江戸ソバリエ協会のほしひかる理事長の挨拶と進行で、夏の会は始まった。
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ほしひかる理事長の奥様・白遊先生が御献立の揮毫をいただいた。
始めに更科堀井の九代目ご主人・堀井良教さんから、歓迎の挨拶・・・
今回で8回目、丸まる2年目なりますが、社員も江戸東京野菜に馴染んできていて、今、「寺島そば」というのを始めました。
江戸東京野菜がメインのメニューに入ってきて、江戸東京野菜と当店が一体になってきていると感じていますので、この会とは別に、食べに来ていただけければありがたいと、宣伝させてもらいます。
6月6日、文化芸術振興基本法の中で、今まで風俗であった食が法律上でも文化になりました。
和食の村田吉弘さん、服部幸應先生、三國清三シェフなどが努力されて、ようやく文化の中に加わったと云うことです。
これまで職人としてやってきたものが、文化の担い手になったことで、生産者の方々と、また、器を作る陶芸の人たちと食で・・・・、
日本には伝統的なものがたくさんありますが、料理人も一緒になって文化を担い、活躍していく道が出来たと、話しているところです。
この会も、江戸文化を楽しむ会と、大手を振って言えるようになりました。
今回も林先生の、創作でソバ屋がこんな料理もできるのかと云う、料理をお楽しみください。
小金井マクワ、おいねのつる芋、東京大越(しろ)ウリ、八丈オクラ、雑司ヶ谷ナス、内藤カボチャ、滝野川ゴボウ、練馬大根の切り干しなどがそれで
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初登場の江戸東京野菜は、小金井マクワ、おいねのつる芋、東京大越(しろ)ウリ、八丈オクラ。
小金井マクワは、本田ウリが発見されたことをブログで紹介したら、うちにもあるよと小金井の農家で栽培されていることが分かったウリで、果肉の緑が美しい。
おいねのつる芋も初登場だ。
東京大越ウリは、かつて奈良漬けにされていたもので、都立瑞穂農芸高校から提供をいただいたが、不足分を練馬区大泉の直売所小暮村から取り寄せた。
八丈オクラは、その長さが特徴、大きくても柔らかい。今回は武蔵村山の乙幡司さんが栽培したものと、清瀬の並木猛さんから取り寄せたもの。
当日参加した、江戸東京野菜コンシェルジュ協会の松嶋あおいさんが、8月22日に実施する、八王子ショウガの案内をしてくれた。
林先生の、料理の解説は、各料理のところに書き加えた。
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小金井マクワウリと西瓜のスムージー
小金井マクワウリの甘いスムージーですが、スムージーはとろみがあるもので、そのとろみを八丈オクラで出しています。
甘味の足りない分は西瓜を使いましたが、多すぎると、色が悪くなるのと、味が西瓜味になるので、ほんの少し入れました。
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檜原産おいねのつる芋の素揚げに、練馬大根の乾燥葉塩を振りかけた。
打ち合わせの時の話ですと小さなサイズで丸揚げにして串に刺す予定でしたが、送られてきたじゃが芋が、一袋750gぐらいの中に7〜8個でしたので厚めの輪切りを素揚げにして串に刺すことにしました。
メークインよりも味が濃く、美味しいジャガイモでした。
東京大越ウリの穴子春巻き
瓜をかつらむきにする予定でしたが、それが出来るような大きさではなかったので、舞子巻ではなく他の形を再考すると言うことで、春巻きになりました。
トマトと梅干しの相性の良さから、それをソースにして掛けました。
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海老のすり身と八丈オクラ
八丈オクラの長さを強調して、開いてから、海老のすり身を入れてあるが、オクラも柔らかく美味しい。
八丈オクラ雲丹納豆
八丈オクラと大和芋をフープロにかけてふんわりと空気を抱き込ませる。
器に入れた更科蕎麦にドーナツ状に絞り出し、空いている真ん中に納豆を盛る。
青島を上から見たところを表現。
ウニ納豆としたが、ウニのシーズンを過ぎたのでウニは使わなかった。
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東京夏野菜冷鉢
雑司ヶ谷茄子 内藤南瓜 滝野川牛蒡 鴨肉の団子
雑司ヶ谷茄子 30個、内藤南瓜 5個(直径20cmもので換算。大きすぎるものは不要)、滝野川牛蒡 3本
内藤カボチャが、鳥のスープを吸って、冷やしおでん、特に内藤カボチャはとてもあっています。
滝野川牛蒡早生の擂込太打 垂れ味噌付
滝野川ゴボウを練り込んだ10割蕎麦は、河合料理長の力作。
垂れ味噌でいただくなどは、ほかでいただくことはできない味です。
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乾練馬大根コンポート ジュレ
切り干し大根の戻し汁には甘さ(糖度4%)がありますが、足りないのでハチミツとレーズンで甘さを加えています。
色々な形の乾練馬大根が送られてきたから、何度も林先生は創作いただいて、最終的にこの料理に落ち着いたもので、林先生には、ご迷惑をおかけいたしました。
すべての料理が出たところで、河合孝義料理長からご挨拶、
林先生の創作料理を、実際に再現するわけで、メニューにない料理を作ることへの喜びを語っていた。
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堀井社長が、社員も江戸東京野菜に馴染んできていて、「寺島ナスそば」というメニューが加わったと、ポスターを指して紹介した。
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翌日頂いたが、冷やかけと云うのがいい。美味しかった。
テープルのメニューの裏には、味のある字で寺島ナスの説明が載っていたが、寺島ナスを食べたくなるような文面だった。