2015年の秋の会から始まった更科堀井の四季の会は、昨年の秋の会で3年目を迎え、2月5日に更科堀井の冬の会の打ち合わせを行ったことは当ログで紹介した。
今回で10回を迎える冬の会が江戸ソバリエ協会ほしひかる理事長の挨拶と進行で始まった。
更科堀井では、常陸秋そばが使われている。
各人に配られたに御献立は、ほしひかる先生の奥様・白遊先生の揮毫による。
始めに、更科堀井のご主人堀井良教さんからご挨拶
2009年だったか、江戸から明治初期に創業した老舗で組織する「東都のれん会」の若い経営者グループ「東若会」の新年会が、神田明神下のうなぎ屋「神田川」で開催されたときに、江戸東京野菜のお話をさせてもらったことがあったが、
その時のことを堀井社長は覚えていて、「あの時から考えると、江戸東京野菜の知名度は上がってきて、21日は、NHKワールドが、江戸東京野菜をどのように調理をするのかを海外に発信するために取材が入っています。」と話された。
現在、堀井社長は日本料理アカデミー(村田吉弘会長)の東京委員会の委員長をされているが、今年の10月に東京都と連携して、東京の食材でバーベキューを行う企画があると云う。
江戸東京野菜を始め、お肉では秋川牛、トウキョウX、東京軍鶏、などを使って・・・。
和食ばかりか、フレンチ、イタリアン、中華など、東京の食材を通して料理人が世界に発信していこうと考えている
打ち合わせの段階では、昨年並みの江戸東京野菜を予定していたが、
昨年9月の長雨、日照不足の影響を引き摺って、野菜価格は高騰していたが、今年に入ってからの降雪や、氷点下の日々が続いたこと等で、のらぼう菜の生育が大幅に遅れているなどで、林先生や河合料理長には迷惑をかけた。
21日の午前中は、井之口喜實夫さんの早稲田ミョウガタケの収穫の様子と、江戸東京野菜通信のブログ作成の様子を取材された。
18時前には、取材班の萬野さんとカメラマンさんは、先回りして更科堀井に来ていたから、お店に入るところから撮影がスタートした。
食材の説明をしているところを撮影された。
御献立の順に説明があった。
千住葱の食べ放題。
上の画像をタツプする
そば焼酎の蕎麦湯割を注文した
亀戸大根のコンフィー
コンフィーとは、低い温度の油で茹でるもの。油で煮ることで、水分が抜けていき、大根の味が濃くなってすごく柔らかくなるから箸でちぎれます。
それに辛汁をかけて食べてください。
今回も、千住ネギは食べ放題、美味しい葱ですからお代わりをして食べてください。
亀戸大根は、江戸川の木村重佳さんが栽培した。
東京ウドは、国分寺の小坂良夫さんが栽培したもの
上の画像をタップする
スペインのカタルーニャ地方に「カルッソ」と云う料理がありますが、ネギの黒焼です。
黒く焼いた独活の皮を剥くと、中はほっこりとした味で、塩で頂く。
塩は、イギリスのモルドンと云う塩です。
江戸東京野菜の普及ではお世話になっている西洋フードコンパスグループの森川洋一部長が、小・中学校で同級生だった森啓子さん(写真右上)をお連れになった。
森さんは、動物ジャーナリストで、特にマウンティンゴリラの保護に力を入れていて、一時帰国した機会に冬の会にお見えになったもの。お料理一つひとつを喜んでいただいた。
渡辺早生牛蒡餡掛 太打蕎麦
渡辺早生牛蒡は柔らかく、ゴボウの香りが良くするので餡かけにしました。
林先生が作った生七味。
渡辺早生ゴボウは、練馬の渡戸秀行さんが栽培したもの。
東京都青ヶ島の天然塩「ヒンギャの塩」で食べてください。
上の画像をタップする
東京独活と三河島菜に鴨の治部煮風炊合せ蕎麦麩付
馬込三寸ニンジンは練馬の渡戸秀行さん、
三河島菜は、東久留米の横山和子さん、治子さん姉妹です。
亀戸大根は、コンヒィーにしましたが、
葉の部分が残ったので、蕎麦に練り込んでもらいました。
上の画像をタツプする
早稲田茗荷竹の錦玉羹 ”春”
春のうららの隅田川のイメージで、早稲田ミョウガの筏をイメージしたもので、甘酢に漬けた早稲田ミョウガを寒天で固めたスイーツです。
最後に、更科堀井の河合孝義料理長から、林先生のレシピは、更科堀井では作らないお料理で、毎回勉強になっていると云う。
今回は、当初のらぼう菜をそばに練り込む予定だったが、のらぼう菜の生育が大幅に遅れていることから、亀戸大根の葉になった。
葉の茎が真っ白な亀戸大根、茎は繊維質が強かったことから、蕎麦に練り込むのに苦労があったと云う。
これまで、筍で「若竹そば」「寺島そば」が販売されたが、浅草葱善の江戸千住葱と東京X豚のしゃぶしゃぶが発売された。