1月に一般社団法人日本家政学会の食文化研究部会が開催され、「次世代に伝えたい江戸東京野菜」をテーマにお話しをさせていただいたが、
帰りがけに実践女子大学の実践家庭科研究会が3月27日に29年度総会を開催するにあたり、今日の話を総会後に話してもらえないかと、同会の高橋ヨシ子副会長から依頼されていた。
同研究会は、実践女子大学の家政学部や生活科学部の卒業生で構成されていて、卒業生相互の交流に努めていて、当日は教師を目指す学生さんを含め、東京、神奈川、埼玉、茨城、栃木、群馬、山梨等の教員も出席されると云う。
同校は、日野市にあり自宅から車だと多摩川を渡ればすぐだが、この日は陽気が良く、中央線の日野駅から、桜を見ながら遠回りをして行った。
会場は、校門を入ってすぐの建物「香雪記念館」 1階106教室で、ドアに当日のチラシが貼ってあった。
大久保洋子会長と高橋ヨシ子副会長が迎えてくれたが、鎌倉大根でお世話になっている渡邉公子先生もお見えになっていた。
大久保会長と渡邉先生は同校の同級生で、長く同研究会の運営に携わってきているとのこと。
左から高橋ヨシ子副会長、大久保ひろ子会長、
1人飛ばして渡邉公子先生。
講演のテーマは、学会でお話したものと同じで「次世代に伝えたい江戸東京野菜」としたが、高橋副会長からは最近の情報として、「種が世界を征服する・・・」と云うような話も加えて欲しいと云うことだった。
伝統野菜は地域の歴史文化にかかわる野菜だから、栄養教諭の多くが食育として取り上げていることから、固定種と交配種の違い、何故栽培されなくなったのか、などについて分かりやすくお話しした。
交配種は、高度な育種技術でタネ屋さんが作った野菜で、雄性不稔による交配種づくりを紹介。
昭和40年代中頃から、揃いの悪い固定種から、揃いの良い交配種が普及する。
固定種の種を販売している「野口のタネ」の野口勲社長の話を紹介。
また、種苗法が廃止されたことでの問題点なども紹介した。
近県の方々も参加されていると云うので
山梨県都留から嫁に来た、おイネさんが花嫁道具の一つとして持ってきた「おいねのつる芋」
神奈川県は、渡邉先生が草木染めとして鎌倉大根で染めた、生地を紹介。
埼玉県は、川越から芋やカボチャが江戸に運ばれてきたこと等、周辺県の話も加えた。
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茨城県立水戸桜ノ牧高等学校常北校の萩原明子教頭(写真左)が、「私の家庭科教育実践に思うこと」を報告した。
食物学科卒業(昭和62年)後、一般企業に就職、平成6年度から家庭科教員として茨城県立高校で教鞭をとり、その間「福祉教育」「伝統文化」を尊重する態度をそだてる授業やユニバーサルデザインの視点を取り入れた新しい家庭科の授業づくりなどについて研究し、実践を重ねてきたことが報告された。
山梨県立笛吹高等学校の磯貝陽教諭(写真右)が、「家庭科教師2年目の奮闘記」を報告した。
食生活科学科(昭和27年度)卒業。在学中から高校教師になることを決意し、地元山梨県でその夢が実現した。
家庭科の指導や部活動の指導等に悪戦苦闘しながら日々取り組み。
今年度から学級担任。先生方や学生たちから学びながら教師としての力を身に着けていく熱い思いが報告された。
控室で、桐生市立商業高等学校の高橋みゆき教頭と名刺交換を行った。
また、同大キャリアセンター田中三恵子次長は、東京家政大学にいらしたそうで、江戸東京野菜で「七福神漬」を作った話をされていた。
生涯学習センター講座運営担当の鈴木弘美係長は、今後、生涯学習としても、食育としての江戸東京野菜に注目したいと云っていただいた。
図書館課程の大井三代子非常勤講師は、江戸東京野菜を使っている「日本橋ゆかり」の初代の主人をご存じたそうで、ご縁があるものだ。