2018年07月26日

7月21日(土)13時から特別講演「ベテラン農家は語る」渡戸章さんに聞く!!


この日も暑い日だった、練馬大根を栽培している渡戸章さんにコンシェルジュ協会では、講演をお願いしていた。

練馬大根の事は勿論だが、練馬の農業についても、詳しいことから、2014年にもお話を聞いているが、「伝統野菜は、時間との戦いだ」と話しているが、お元気な内にいろいろと聞いておこうと云う企画だ。

就農してから67年の経験は、一度や二度で、すべて聞いたようなことにはならないわけで、今回もそのようなことで、企画した次第だ。





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ところが、朝8時過ぎに、渡戸さんから電話をいただいた。
何でも弟さんにご不幸があったから、行けないと云う。
渡戸さんは、単なる会議と思われていたようだが、渡戸さんの話を聞く講演会だと云うことをお伝えして、顔だけでも出してほしいとお願いし、ご理解をいただいた。

上の画像をタツプする

当初は2時間を予定していたが、ご無理をお願いしたことで1時間でいいからと来ていただいたが、1時間半も話してくれた。

この企画は、渡戸さんと私のトークという形で進める予定だったが、自己紹介から自然と話に入ったから、トークと云う流れではなくなり、渡戸さんも皆さんに伝えたいと云うことがあったらしく、お話しは独演会のような感じになった。

渡戸さんは6代目で、初代が綱五郎さんで、道具には、綱五郎の焼き印があちこちに押してあると云う。
便所の汲み取りの柄杓の柄にまで押してあったと云う。

江戸の昔から人糞尿は肥料として必要としていたから、お祖父さんは牛込までとりに行っていた。「掃除宿(そうじやど)」に行ってくると云う言い方で、汲んできたそうだ。

今で云うアパート、昔は長屋ですが、大家と口約束で、年間何軒で幾らと約束していたから、すべて大家の収入になった。
中には、糞より尿ばかりが多い家などがあり、「奥さん水で薄めないで!」なんて云ったこともあった。とか・・・

次代は変わりその後は、化学肥料の時代になっり、清掃作業は行政の清掃局が行うようになり、

東京の農業後継者たちは、1964年の東京オリンピックの開催に当たり、放置されてい肥溜めのぶち壊し運動をしている。






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いろいろな話をされたが、練馬大根を中心にお話を伺ったが、

明治45年生まれの父親が、世田谷の白菜をチーフ―と云っていた。字は解かりませんがと、世田谷の話まで、
実は、結球白菜は中国の芝罘(チーフ―)種が導入されていたことから、農家では白菜をチーフ―と呼んでいたようだ。

夏には、渡戸さんは形がいいからと、高井戸キュウリを盛んに作ったとか。高井戸キュウリは、馬込半白キュウリと豊島枝成キュウリが交雑したもので、場所的には練馬は豊島枝成の産地だった。
江戸は坂が多かった。江戸城の周辺だと、新宿から文京区などはたくさんの坂があるが、練馬は比較的平坦だから江戸市民に供給する色々な野菜を作っていた。





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練馬大根は、昭和8年に今日のように暑さが厳しく、干ばつの年だった、この年に土の伝染病と云われるバイラス病が発生して、練馬大根が出来なくなった。ひと口に出来なくなったと云うが、葉が縮れて成長しないから、根も成長しないと云うことで、それがあちこちに伝染して、11年頃には、東京中に広がり、練馬大根は消滅寸前まで行ってしまった。という。

普及員などの情報から、日陰の所で作ったものは、まあまあ生育すると云うことを聞き、陸稲や麦、蕎麦に根ミツバ等を間作にした。

根ミツバは、冬に初めて根を掘り起こし、半地下の溝に入れて促成栽培の白ミツバを作って神田に出したが、良い値で売れた。と・・・

それを今年は、試作してもらおうと、水口均さんに頼んで、小山田ミツバを取り寄せて、残ったものはお越しの皆さんにお土産として4株づつ、分けて差し上げた。

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植松敬先生から大蔵大根の資料として写真をいただいていたので皆さんにご覧いただいたが、左上の写真が陸稲で右下の写真が蕎麦。




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時間が、30分ほど早まったので、最近の情勢などについて紹介した。
始めに、タネの情勢を簡単にお話しした。

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オリンピックでは、GAPの資格を取った農家でないと、生産物を活用してもらえないと云うこともあり、当コンシェルジュ協会としても、26日にワールトギャップを取得した矢ケ崎宏行さんの畑を見せていただくことになっており、今後とも消費者の立場からの普及に協力をお願いした。

日本の種子(たね)を守る会の7月4日の総会で常任幹事になったこともあり、簡単に種の情勢について話しをした。



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今回は、松嶋あおい理事が担当され、松嶋理事の地元「小金井市で手に入る江戸東京野菜や食材を使いたいと思い試食を作りました。」

上の画像をタップする

三浦大根の産地からも布川美紀さんが、渡戸さんの話しを聞きに来てくれた。

キュウリ食べ比べ
白岩ウリ(檜原村)、馬込半白キュウリ
マイクロキュウリ、勘次郎キュウリ(真室川)

試食

・白岩ウリのスライスサラダ すだちドレッシング添え
小金井市のもうひとりの女性農業委員の井寺よしかさんが徳島食材の店oteteを営んでおり、彼女の出身地佐那河内村すだちを使用しました。

・馬込半白キュウリのピクルスのカナッペ
馬込半白キュウリが当日手に入らないことを考えて事前にピクルスにしておき、小金井市のパン屋ファンタジスタのフランスパンにクリームチーズをぬりカナッペにしました。
大堀さんの馬込半白キュウリを使用

・寺島ナスのピカタ
寺島ナスに切れ目を入れ粒マスタードを塗った生ハムをはさみ、三鷹産の玉子を使ってピカタにしました。
島田さんの寺島ナスを使用

・馬込半白キュウリの冷たい煮物
馬込半白キュウリが終わりかけでスが入っていたこともあり、種の部分をくり抜き昆布出汁などでで柔らかく煮ました。
大堀さんの馬込半白キュウリを使用





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皆さんにお土産で、町田の小山田ミツバの苗を差し上げましたので、現在新宿区立柏木小学校で鳴子ウリの栽培指導をお願いしている、梶谷正義先生が栽培の仕方を皆さんにお話ししていただきました。

追録

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野菜の学校の「伝統野菜プロジェクト」で、ご参加いただいていた、草間壽子先生のトークショーがあるとのご紹介があった。

上の画像をタツプする。




posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コンシェルジュ協会事業
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