立川市立第九小学校の5年生の担任野尻迅人教諭から、江戸東京野菜コンシェルジュ協会に、江戸東京野菜を学びたいとのメールを頂いた。
同校の所在地は、隣の市でよく知っており又自宅からも近いことから、お引き受けをした。
野尻教諭の話しでは、これまで立川市の砂川地域で行われてきた農業を学んできたが、学習内容が多様化してくる中、毎年テーマを決めて取り組んでいて、今年度5年生は、「伝統野菜」をテーマにした企画に取り組むことを計画しています。と云う。
そこで、江戸東京野菜の歴史や、栽培している生産者などについて教えていただきたいと云うので、そのようなパワーポイントをつくった。
同校の5年生は2クラスで81名。全員が聞きやすい姿勢で、映像がはっきり移るようにプロジェクターではなく、テレビモニターを野尻教諭は用意してくれた。
江戸東京野菜とは、どのようなものなのかをベースに、立川市の農業についても、紹介したが、生徒たちは床にノートを置いて、話しを聞き漏らすまいと、メモを取っていた。
同校の近くを走っている五日市街道沿いに、生産者を紹介した。
江戸東京野菜だけではなく、各種の農業として西の方から、
まず、中里酪農を紹介したが、生徒たちの間から驚きの声が上がった。
地元立川に牛がいるとは思ってもみなかったようだ。
東京牛乳を知ってますか! の質問に全員から手があがった。
近くには小林養豚もある。
そして、伊藤養鶏もあり、立川市西砂町に畜産は偏っている。
花卉栽培の川野園芸には大きなハウスがあり、
各種のカーネーションを栽培している。
江戸東京野菜の内藤かぼちゃを栽培している石川公一さんもいる。
第九小学校の近くには「ファーマーズセンターみのーれ立川」があり、
ここ農産物直売所のことは、生徒たちも知っていた。
そして阿豆佐味天神には「砂川ゴボウ」の説明板が建立されている。
五日市街道に沿って東に向かうと、砂川町に清水農園がある。
園主の繁雄さんは江戸東京野菜の金町コカブ等を栽培している。
更に清水丈雄さんは、寺島ナスや馬込三寸ニンジン、
亀戸大根、金町コカブも栽培している。
清水理作さんは、伝統小松菜を栽培している。
高橋尚寛さんは果樹栽培を始めたが、イチジク、キュウイフルーツ、梨、柿、ミカンなども栽培。
高橋さんは第九小学校を卒業した云うので、生徒たちに紹介した。
立川産の農産物で、東京一の収穫量が、江戸東京野菜の東京ウド。
「東京ウド」をあげたとたんに、生徒たちは「知ってる!」、
「地下で栽培するんでしょ!」と、全員か口々に発言。
生徒たちはよほど自信を持っていたようだ。
そこで、「まず畑で栽培します。」と云うと「え〜!」の反応。
6月中旬の気候の安定した時に、畑に芽株を植える、
10月になると花も咲く、そして11月から12月に霜に充てて
枯らしてしまう。
これには驚いたらしく、生徒たちは静かになった。
この時、地上部は枯れてしまうが、
たくさんの芽を付けた根株は休眠している。
この根を掘り起こして、保冷庫に保存する。
軟化ウドの栽培法は、地下4メートルほどの穴蔵に、
休眠中の根株を植える。
その後、薪を燃やして穴蔵を熱くすると、ウドの休眠打破、
春が来たかと軟化ウドの成長が始まる。
パワーポイントの映像を使って説明したから納得したようだった。
おさらいはここをクリックして理解しましょう。
「このことは、お父さんお母さんも知らないかもしれないので、
今日お話ししてください。」と伝えた。
これ以外にも、練馬大根、伝統小松菜、亀戸大根などの話はしたが、
生徒達には何が印象に残ったのだろう。