第4回 鎌倉大根収穫祭が、鎌倉市佐助の大根料理のお店「福来鳥」と、鎮守「佐助稲荷」で開催されるとの案内は、当ブログで紹介していた。
鎌倉大根は2015年の夏に発見されたが、その間、神奈川県農業技術センターの原康明研究課長〈三浦半島地区事務所〉や、島根大学植物育種学研究室の小林伸雄教授の意見なども頂きながら、鎌倉大根の保存と、普及に努めてきた。
鎌倉大根収穫祭は、第1会場の福来鳥で11時から、渡邊公子先生の司会進行で始まり、鎌倉だいこん未来研究クラブの花村勝男代表が挨拶を行った。
引き続き指名をいただいて、「鎌倉の歴史と文化にかかわる鎌倉大根の発見」について、お話をさせていただいた。
次に、神奈川県農業技術センターの原康明課長が、三線(さんしん)を取り出した。
暫らく音程を合わせていたが、竹富島の「新安里屋ユンタ」を弾語りで歌い始めた。凄い!!
こんなご趣味があったとは!、驚きだ。
続いて、「美田良浜」歌いなれた曲のようで熱唱した。
原課長は、鎌倉大根に似ているところがあると云っていた沖縄の島ダイコンを、三浦ダイコンの「中葉」に掛け合わせて、抜きやすい三浦ダイコンに改良するというので、沖縄にも出かけていた。
開発期間は、平成27年から31年まで5か年計画と聞いている。
原課長は宇都宮大学で開催される「大根サミット」に出られることは、当ブログで紹介した。
鎌倉市長の松尾崇市長から、祝電を頂いた。
収穫祭と云うので、鎌倉の農家・山森金雄さんが鎌倉市農協連即売所で販売してくれている鎌倉大根を購入してきた。
市民の皆さんが栽培した鎌倉大根は、鈴木茂生さん、広町クラブ、野口稔さんが持参いただいた。
鈴木さんは、鎌倉市大町の方で、家庭菜園で鎌倉大根を栽培してくれた。
広町クラブは、NPO法人鎌倉広町市民の会に所属し、里山再生事業で畑の手入れをしている、常時活動しているメンバーは20名位で、主に火曜日、日曜日に、子供から高齢者まで、幅広く活動している。
野口さんは、北鎌倉湧水ネットの代表で、鎌倉の六国見山の畑で栽培している。
講演に続き、12時から、「鎌倉大根を味わう」では、
鎌倉大根の葉を練り込んだうどんが出た。
このうどん、鎌倉の今村製麺総本家が打ったもので、新商品となりうる味だ。
鎌倉大根の大根おろし(写真左上)も好評だ。鬼おろしで粗く下ろしたが、肉質がち密なことから、食感も良く、鈴木さんは年越しそばで食べたいと話しておられたが、その良さを見出していた。
福来鳥の大根スープ(写真右下)で頂いたが、これも美味しい。
ラップで小さく丸めたのは寿司(写真右上)で、ミカンとカボスの酸味を活かし、油揚げを乗せた寿司に鎌倉大根の葉で巻いて一口サイズ。
風呂吹き大根は、青首大根だが、鶏肉とブロッコリーとナスが乗っていた。
ケーキもF1の大根だが、美味しくいただいた。
受付の所では、渡邊先生の鎌倉大根の草木染も好評だった。
鎌倉大根を練り込んだ、うどんは好評で、一皿では終わらず、お代わりが出た。
会場には、江戸東京野菜コンシェルジュの松井つるみさんが見えていた。松井さんは二子玉川のハマダイコンを調べている。
5月にお越しになった、豊橋創造大学短期大学部キャリアプランニング科の木下賀律子教授と、NPO法人 ジャパンハーブソサエティー、イベント委員会の岡田和子委員も来られた。
また、渡邊先生がお誘いしたようで、大船にある、鎌倉女子大学家政学部管理栄養学科学科長の中谷弥栄子教授にも来ていただいた。
読売新聞社東京本社湘南支局の鈴木浩輝記者が見えていて、鎌倉大根発見の経緯について取材を受けた。
まず、13時半から、坂東遥先生の奉納の舞が、
境内全体を使って優雅に踊られた。
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昇殿参拝では、花村代表、原課長、坂東先生、渡邊先生と私が上がり、えだ女将は足を痛めていたので上がらなかった。
菊池晋介宮司の祝詞には、江戸東京・伝統野菜研究会として
名前を書き込でいただいた。
渡邉公子先生(写真中央)の進行で、
原審査委員長から賞状が授与された。
〇 もう、浜大根で賞 鈴木茂生さん
〇 運が良かったで賞 広町畑の会さん
〇 そろったで賞 野口 稔さん
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途中からJ−comが取材にきてくれて、奉納の舞や、表彰式等を取材された。
講評で原課長は、3年目にして、形がすんなりしたものが多くなったり、内在している遺伝子なのか赤い色素が出たものがあるなど、変わりつつあるので、今後、どのようなタイプを「鎌倉大根」としていくか、判断する時期に来ているとの話しがあった。
皆さんおめでとうございました。
益々ご清祥の段お慶び申し上げます。鎌倉大根の発掘、また一つ地域遺産の登場で嬉しいですね。
学生時代鎌倉腰越にひと月ばかり居候していっ増したので懐かしいです。元近畿農政局長で鎌倉在住の清田氏にひょっとして会われませんでしたか?
松村裕子記者に取材受けられているそうですが、昔から野菜への造詣の深い記者です。会われたらよろしきお伝えください。1300前の野菜木簡記録が発掘されて、30周年になります。また昨年には木簡三千点あまりが「国宝」に指定されました。将来野菜木簡も国宝に指定されると嬉しいです。江戸東京野菜の可能性が年毎に壮大な生き様を呈して行かれるのに敬意を表するばかりです。先生のご健勝を祈念申し上げます。
2018年12月11日 久保功