2018年12月13日

練馬新聞の新春座談会に招かれて、練馬のレガシーとして練馬大根の文化論を加えることを申し上げた。


練馬区が2019年に世界都市農業サミットを実施することに伴って、今年はプレイベントを数々実施したというニュースは、聞いていて当ブログでも「ねりまマルシェ」の開催について紹介している。

これら、イベントが終わったことを踏まえて、来年の本番に向けての意見を、練馬新聞の新春座談会として掲載したいので、参加いただきたいと練馬新聞の齋藤秀樹ディレクターから電話をもらった。

関連資料を送ってもらった中に、世界都市農業サミット・プレイベントの様子を報道する同紙があった。
先約があったが、都市農業のサミットについて、成功に導くアドバイスができればと先約を断って、11日練馬駅北口の会場に伺った。





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練馬新聞が企画する新春座談会のメンバーは、

上の画像をタツプする

右から順に、練馬区世界都市農業サミット実行委員会関口和幸事務局長、JA東京あおば榎本高一代表理事組合長、練馬環境造園協会高橋一輔理事長、筑波大学小場瀬令二名誉教授、練馬新聞社斎藤秀樹ディレクター、練馬区商連「商人会」佐藤公明部会長、江戸東京野菜生産者渡戸秀行氏の皆さんで、末席を汚した。

斎藤ディレクターの進行で始まった。
皆さん、お立場から、練馬の農業についての期待を述べていたが、

江戸東京・伝統野菜研究会代表の立場で紹介されたので、都市農地の機能として、「新鮮で美味しい食べ物を作る役割」、「環境を守る役割」、「農業を学ぶ、地域の人と繋がる役割」、「災害から守る役割」に加えて、「江戸東京の歴史や文化を継承する役割」を紹介した。

練馬の歴史文化を今に伝えている練馬大根は、生産量は大幅に減少し現在15千本程度だから、72万人の練馬区民の多くは食べたことが無い。

「練馬区 農の学校」でも申し上げているが、練馬大根引っこ抜き競技大会で抜かれた大根は、翌日小中学校99校、46千人の生徒が給食で食べるようになって12年、しかし一部の学校を除いて、説明できる先生方がいない。

諸説があるが、五代将軍綱吉の時代から練馬の気候風土に合った大根は江戸土産としてその種は全国に持ち帰られ、今や日本中に練馬系大根がある。

練馬のレガシーとして、次世代に伝えていかなければならない生きた遺産として位置付ける文化論を加えていただくことを申し上げたが、ご理解をいただいた。

同紙では2019年新年号(第2週)で、同サミット本番の成功を目指した「プレイベント総括&本番に向けた提言座談会」を掲載するという。ご期待ください。


   



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上の画像をタップすると世界都市農業サミットの詳細


実行委員会と練馬区が発行した資料を拝見すると「世界都市農業サミット」とあるが、「農業」と「農」の区分けが不明確で混同していた。

1980年欧米諸国の都市と農地を視察し、現地担当者と意見交換をしてきた経験から申し上げると、

都市農業は日本独特で、欧米諸国では、農地と都市は明確に区分され、都市の中にある畑は、公園緑地のような位置づけで農業としての農地ではない。

だから、ニューヨークやロンドンから招いたお客様は都市農業という概念がないものだから話はかみ合わなかったと聞く、

世界よりは、東京の関係区市町、三大都市圏や政令都市の皆さんを招いて、農地と農家を守る都市農業サミツトが現実的な対応だと思うが、如何だろう。


posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 出版物・メディヤ等の紹介
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