2019年03月06日

第14回 更科堀井 "冬の会" が27日(水)と、28日(木)、両日に開催された。


今回で14回を迎えた。秋の会から始まったから、4回目の冬の会だが、食材は同じでも同じ料理がひとつとないのが、林幸子先生(料理研究家)のお料理で、皆さんそれを楽しみにしていて、江戸東京野菜コンシェルジュの間では、更科堀井「四季の会」は、プラチナチケットと云われている。

現在、2日間で50名の定員で開催しているが、林先生と、江戸ソバリエ協会、そしてコンシェルジュ協会で各々募集していて、毎回満席の状態だからだ。

さて、食材の事前の打ち合わせは、2週間前に行っているが、冬の会の打ち合わせは14日に行った。
この時期の江戸東京野菜は、秋に次いで多い時期で、13種類を提案したが、林先生が選んでいただいたのはその内の9品目だつた。





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開会は、18時からほしひかる先生の司会進行で始まった。

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御献立は、ほし先生の奥様・白遊先生に揮毫いただいた。

一、亀戸大根お作り 三色添え
一、海老と穴子の豆腐寄せ 東京独活餡掛け
一、短冊千住葱と忍び鴨の掛け蕎麦 内藤唐辛子オイル入り
一、蕎麦麩と金町小蕪と牡蠣の治部煮風
一、早稲田茗荷竹と梅干の掻揚げ
一、馬込三寸人参変わり蕎麦
一、伝統小松菜羹 餡蜜






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更科堀井の堀井良教社長の挨拶から、

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今年で4回目の冬の会、3年半が経過しました。
メニューも練れて来て3番目の短冊千住葱と忍び鴨の掛け蕎麦、「忍び鴨・・」と云う隠微な名前が付いていて(笑)、こうゆうのもいいと思います。

千住葱の短冊切りですが、和食ではやらないんです。
日本橋ゆかりの三代目野永君が、更科堀井の切り方は抜群に美味しい切り方だとほめてくれました。

それから馬込三寸人参の変わり蕎麦は、ニンジンをかなりすり込んでいますが、ニンジンの臭みが出てしまいます。そこでニンジンをジュースにして更科粉に入れると今度は切れやすい。

当店には入社6年目の変わり蕎麦の上手なのがいて、研究工夫して変わり蕎麦を作っていますから、馬込三寸ニンジンの変わり蕎麦をお楽しみください。






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亀戸ダイコン、奥多摩ワサビ、東京ウド、千住ネギ、内藤とうがらし(干し)、金町コカブ、早稲田ミョウガタケ、馬込三寸ニンジン、伝統小松菜、について解説した。

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交配種の青首大根と固定種の練馬大根との比較は、包丁で切るだけでわかることは、当ブログで紹介した。

江戸東京野菜の亀戸大根を河合料理長に切ってもらったが、練馬大根と同じように音もなく切れたことを紹介した。

早稲田ミョウガタケは11代将軍家斉の調理叢書に、ミョウガタケを1月から6月まで食卓に出ていたが、促成栽培をしていた。
また、ミョウカタケは梅酢漬にしても食べられていたことを紹介した。





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グー先生で知られる林幸子先生から、献立の解説があった。

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林先生は、献立に沿って食材を持ちながら説明をされた。







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一、亀戸大根お作り 三色添え

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グ―先生の説明

生のままで食べていただくので、お造りと思って食べてください。
合わせるものは、塩、奥多摩ワサビ、甘味噌で、合わせるもので亀戸大根の味が変わってきます。
塩は、大根のストレートな味が分かります。ワサビで辛味が勝ちます。
味噌も相性がいいんで、亀戸大根の味を楽しんでください。
わざわざ、生にしてあります。(笑)







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一、海老と穴子の豆腐寄せ 東京独活餡掛け

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グ―先生の説明

東京ウドの餡かけです。
ウドは、細切りで結構大きいままだったり、酢漬けにしたりするのが多いんですが、卸してみました。
ウドの形は分かっているでしょうから、卸した時の香りの立ち方を見てください。
ソバ汁におろしたウドを入れてあります。だからほろ苦さがあって、香りが立って汁に負けていません。
彩で緑が無いので伝統小松菜の茎を下に敷きました。


お酒は各自払いで注文。焼酎の蕎麦湯割は濃くて美味しい。





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一、短冊千住葱と忍び鴨の掛け蕎麦 内藤唐辛子オイル入り

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グー先生の説明

忍び鴨ですが、沢山の鴨肉は、自慢げに上に乗せます。
一枚なので下に入れてありますが、少し厚切りにしてありますから、美味しいと思います。
江戸千住ネギは甘くておいしい短冊切りにしてあります。

内藤トウガラシを油の中に辛味を抽出してありますから、辛味が必要な方はかけてください。

更科堀井八代目の「元祖ゆず七味」も置いてあった。







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一、蕎麦麩と金町小蕪と牡蠣の治部煮風

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グー先生の説明

治部煮は金沢の郷土料理ですが、本来は鴨肉にくず粉やかたくり粉をまぶして煮ると、ジブジブ音がすることから治部煮と呼ばれています。それを牡蠣で行いましたので治部煮風です。

金町コカブは、ゆでると柔らかくなるが、煮崩れる。これは今流行りの真空料理で、真空パックした金町コカブを65度で2時間煮ることで、煮崩れず、浅漬けぐらいの金町コカブは、ゆでると柔らかくなるが、煮崩れる。これは今流行りの真空パック料理で、真空パックした金町コカブを65度で2時間煮ることで、浅漬けぐらいの柔らかさに仕上がりました。


鎌倉大根の普及をしている鎌倉の大根料理「福来鳥」の女将佐藤さんが、参加されていた。
ソバに鎌倉大根の葉を練り込んだのが好評で、ソバの会を開きたいと云うので、ほし先生にお願に来たという。





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一、早稲田茗荷竹と梅干の掻揚げ

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グー先生の説明

早稲田ミョウガタケは、繊維質が強いので、噛んでも繊維質が気にならない2p位に切って掻揚にしています。

大竹代表から、11代将軍の家斉がミョウガタケの梅酢漬けを食べていた話がありましたが、梅酢に合うので味わってください。
また、ミョウガタケの葉ももったいないので、天ぷらにしてもらいました。







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一、馬込三寸人参変わり蕎麦

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堀井社長の話。

ソバの香りと云うのは、鼻腔香(オルソネーザルアロマ)ですが、ソバは濡れていますからあまり香りを感じない。
しかし、すすった時に口の中で温められてソバの香りを感じる口腔香なんです。
汁に少しつけて、すすって粋な食べ方をすると、甘いニンジンの香りがします。







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一、伝統小松菜羹 餡蜜

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グー先生の説明

最後は伝統小松菜ですが、葉を柔らかく、色が変わらないように3−4分茹でて、それをミキサーにかけ、寒天寄せにしました。グリーンの美しい色に仕上がりました。

普通黒蜜を掛けるところですが、アプリコットのブランデーを浸み込ませました
伝統小松菜は、苦味もなく色目がきれいなので、たっぷりと使っています。

お椀より、白い器の方が引き立ったと思います。







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最後に、河合孝義料理長からご挨拶。

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普段、おソバ料理の中では作らない林先生の創作料理、
今回は、真空料理などもありました。
美味しく作っていただいた河合料理長のご苦労に、感謝!!

次回の「春の会」は、5月20日(月)、21日(火)に開催される。


追録

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堀井社長から、全日本食学会への加入のお願があった。
全日本食学会は、京都菊乃井の村田吉弘理事長に三國清三理事長代行、堀井社長も常任理事で、会員としてほし先生もそうだが、かつて私も全日本・食サミットでお話したことがあった。

同食学会では、料理人だけではなく、生産者や学者、料理の好きな方など幅広い人材により、食のネットワークを作り上げたいと考えていることから、加入のお願となったもの。

申し込みは、更科堀井の堀井社長まで
03−3403−3401

posted by 大竹道茂 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | そぱ・うどん・ソバリエ
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