杉並区成田西ふれあい農業公園は、2016年に開設されたが、その年、公園運営の「すぎなみ農業ふれあい村」から、地元杉並の伝統野菜で、江戸東京野菜の「高井戸節成キュウリ」を栽培したいので、苗を提供してもらいたいと、話があったことから、本会との交流が始まった。
苗の提供だけは行っておらず、江戸東京野菜の普及という意味から講座を実施するならということで始まったもので、都市農地活用支援センターのアドバイザーとして伺っているから「すぎなみ農業ふれあい村」の経済的負担はない。
昨年まで高井戸キュウリは、苗で提供していて、その都度、講座で種の取り方を指導していたが
簡単にはいかなかったようだが、ようやく今年は、昨年採種がうまくいって30程の苗が出来、今年はその苗が生育し試食用の高井戸キュウリが収穫できたという。
講座は昨年まで、自由参加で江戸東京野菜の講座を開いていたが、今年は一年間の栽培講座「農に触れ合う講座」の授業の一つとして実施したので、講座のメンバー30名が参加された。
江戸東京野菜とはから、始まって、
江戸東京野菜には一つひとつに物語がある。
井草八幡宮の境内に建立した農業説明板は、「井荻ウド」
「文政年間(1818〜30)旧武州多摩郡上井草村寺分(現在の杉並区西荻北)の古谷岩右衛門が尾張(現愛知県)で栽培法を習ってきたというもので、井荻うどとして付近一帯に広まった。
また、「高井戸キュウリ」は、明治32年〜33年頃に、城南地域で栽培されていた馬込半白キュウリと城北地域で栽培されていた豊島キュウリ、両地域の中間地にある高井戸で自然交雑したものから選抜を続け、大正初期に固定したことなどを説明した。
試食では、同園で収穫された、高井戸キュウリとナツスズミ(交配種)の塩もみで食べ比べ。
寺島ナスも塩もみで。
前回の講座では、地元杉並にお住いの東京家政大学の宮尾茂雄教授を講師に迎えて、ピクルスの作り方を学んだようで、高井戸キュウリもピクルスにして皆さんが試食した。
宮尾教授には、江戸東京野菜としてもお世話になっている。
講座の受講生は、エダマメ、ナス、トウモロコシなどを雨の中収穫して持ち帰った。
寺島ナス(左上と中央)、内藤トウガラシ(右上)栽培されていた。
同農業公園を管理するNPO 法人 武蔵野農業ふれあい村のスタッフの皆さんの管理がいいから、どれも立派に栽培されていた。
同NPO法人の齋藤瑞枝代表理事(右)と橋本千代司主任研究員
今回の講座は、都市農地活用支援センターが実施する「農の機能発揮支援アドバイザー」として派遣されたものだが、同支援センターの橋本主任研究員が見えた。
どのような方法で「成田西ふれあい農業公園」が運営され、講座がもたれているのかの視察のようで、雨が降りしきる中、圃場の視察も行っていた。