四季彩和倶楽部が昭和の森の車屋で開催する、地産地消、江戸東京野菜の収穫体験 & 一日限りの「特別会席」は、午前中に収穫体験をしてバスで帰ってきた。
日差しが強い中での収穫だったが、皆さん要領良く収穫して、玉川上水の日陰で質問タイム、バスの中で水をもらったり、凍ったおしぼりを手渡されたりしたから、体調を崩した方もなく車屋に戻ってきた。
トイレタイムのあとスケジュールでは江戸東京野菜講座で、四季彩和倶楽部事務局の相子智恵さんの進行で始まった。
丁寧なプロフィールの紹介があって指名された。
会場には、寺島ナスと、内藤カボチャがディスプレーとして
三方に乗せてあった。
お土産用に清水丈雄さんの畑で収穫した7種類のナスも並べて
皆さん写真に撮っていた。
江戸東京野菜の寺島ナスと、内藤カボチャに絞って話をまとめた。
四代将軍家綱の御前栽畑は隅田川のほとり、隅田村にあった。
歌川広重の「名所江戸百景 木母寺内川御前栽畑」がある。
ここから地域に広がった野菜がいくつもある。
寺島村で栽培されて寺島なすとして有名になる。
平成9年白鬚神社の今井宮司の理解を得て
寺島ナスの説明板を建立してから、復活の機運が高まった。
内藤カボチャは、今の新宿御苑が内藤家の屋敷地であった頃、
広大な屋敷地には小作を入れて栽培していたが、
内藤トウガラシも栽培されていた。
皆さんお腹も空いている頃なので、25分で簡潔にまとめた。
上の画像をタツプすると御献立
坂田さんは、前任の井坂料理長に師事し、
今年7月に20年間務めた井坂料理長から引き継ぎ料理長に就任し、
「寺島なす特別会席」を創作された。
原島副支配人が、乾杯用にパツションフルーツを使うと伺ったので、
江戸東京野菜ではないが、
八代将軍吉宗の時代に、時計草として渡来したことを紹介した。
吉宗は、サトウキビを栽培し砂糖を作ることにも取り組んでいる。
パツションフルーツは、八王子市の道の駅でも販売していて、
濱中俊夫さんが一番生産量が多いことも。
乾杯のご指名をいただいたので、僭越ながら・・・
皆様のご健勝を祈念して、乾杯!!
八王子産のパッションジュースに、
グレープフルーツジュースを加えている。
爽やかな味わいが口いっぱいに広がって暑気払い。
茶筅ナスが出てきた。一つ目の寺島なすだ。
前菜
寺島焼きなす、白バイ貝、すり生姜、
亀甲餡、ずんだ和え、
マンゴーチーズ、楓羹、雲丹糝薯、鳥レーズン煮凝り
上の画像をタップする
二つ目は、写真右上に白バイ貝の下に焼きナスで、
すり生姜が味を引き立てていた。
鳥レーズンには、レーズンとクルミなどが入って、
鶏肉が煮凝りの中に透けて見える。
左側のナスの器には亀甲餡の上にずんだ和えが・・・
上の画像をタップする
今回は、
八王子市犬目の濱中洋子さんが、お友達大勢に声をかけていただいた。
前回、拝島ネギの時には、先約が入っていて、残念がられていたが、
今度はいつかいつかと楽しみにしていただいていて、
わたしの前の席で、お話をいろいろさせていただいた。
江戸東京伝統野菜研究会の亀島由美子さんも、
拝島ネギに続いての参加だったが、写真などをお願いした。
鱧吉野打ち、梅素麺、柚子
翡翠寺島なす、短冊野菜、梅肉
上の画像をタップする
造り
旬の魚、妻物いろいろ
旬のさかなとして、本マグロ、ヒラマサ、タイ
三つ目は、椀物に翡翠寺島なす。
ナスの皮を剥くのにかつら剥きの要領で、
皮の表面だけを薄く剥いて、緑色を残す。
お椀の蓋にもナスが描かれていた。
新村ルリ子さんは拝島ネギの時はお母さんとご一緒だったが、
今回は友人の大野美雅子さんを誘ってのご参加いただいた。
伊佐木山椒焼、山海月東寺巻
鬼灯山桃、花蓮根
青朴葉焼、牛ひれ肉、寺島なす、香り味噌
内藤かぼちゃすり流し
上の画像をタツプする
結ばれた朴葉を開くと、香り味噌に、寺島なすと一緒に牛ひれ肉。
四つ目の寺島なすは、青朴葉焼。
当初、予定になかった内藤カボチャは、
西砂の石川公一さん栽培していることから、
坂田料理長にお願いして加えていただいた。
当日は石川さんの奥さんが急遽参加された。
内藤カボチャの擂り流しは、
カボチャのすり身に車屋風ベシャメルソースを・・・、
クルトンとコンソメゼリーが浮いていて、食感が楽しめた。
寺島なす重ね、スナック豆
鰊昆布、色人参、木の芽
食事
玉蜀黍御飯
香の物
寺島なす浅漬、刻み生姜、大根漬
止椀
赤出汁、寺島なす、粉山椒
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五つ目は、
煮物に寺島なす重ねとして、オランダ煮の調理法で出された。
そして最後は、トウモロコシ御飯の香の物として浅漬けで出された。
すべてに、味わいの異なる料理法で、寺島なすを堪能した。
車屋風あんみつ、フルーツ寒天
求肥、小豆、黒蜜
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最後に、坂田料理長に質問タイムが設けられたが、
最初に出た茶筅ナスは「寺島なすのオランダ煮」
として資料の最後に坂田料理長直伝のレシピが紹介されているが、
オランダ煮について、資料をもとに語られた。
今回の寺島ナスの感想は、初めて使うことで、ご苦労もあったようだ。
特に、寺島ナスは江戸初期のナスだけに、小ぶりで硬い。
交配種のフカフカに柔らかいナスと異なることから、驚かれたようだ。
しかし、ナスは油と相性が良いことから、
寺島ナスも美味しく調理されていた。
追録

私は行けなかったが、昭和の森 四季彩和倶楽部では相子さんの案内で7月中旬に清水丈雄さんのナス畑を視察されていた。
わたしも、開催前に坂田料理長にお会いしておきたくて相子さんと伺ったが、寺嶋功支配人、原島達也副支配人にもお会いしている。
この時点では、メニューは出来上がっていたが、江戸東京野菜の内藤カボチャを追加で使っていただくようお願いした。
この時、原島副支配人から、パツションジュースの話も伺った。