更科堀井の「秋の会」は、5年目に入り第17回を迎えた。
「秋の会」にあたっては2週間前に季節の江戸東京野菜を選定してメニューを決定する会議を、林幸子先生、ほしひかる先生、更科堀井の堀井良教社長と河合孝義料理長、そして江戸東京野菜コンシェルジュ協会から出席して行っているが、
今回は、滝野川大長ニンジン、馬込三寸ニンジン、品川カブ、三河島菜、内藤カボチャ、内藤トウガラシ、千住ネギ、が選ばれて、林幸子先生の発想からメニューが決められた。
江戸というくくりで野菜の名も漢字で表している。
「秋の会」メニュー
一、滝野川と馬込の味比べ
一、内藤南瓜と蕎麦搔の重ね
一、品川蕪と豚バラの重ね蒸し
一、馬込三寸人参梅冷掛け
一、三河島菜と忍び穴子の掻揚げ
一、内藤唐辛子切り
一、禅寺丸柿のパイ
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ほしひかる先生の司会進行ではじまる。
更科堀井の堀井社長のあいさつ
今日フェイスブックを見ていましたら、この四季の会を振り返ってみましたら4年前のこの秋の会が第一回の立ち上げでした。
本日で5週目(年)に入るところで17回目です。
いつも満員でお越しいただきまして、店としても楽しい会になってまいりました。
今回は、秋の会も5回目で手詰まりになるのかと思いましたが、いろいろなアイディアが出てまいりまして、楽しいメニューになっています。
三品目の「品川蕪と豚バラの重ね蒸し」について説明させてもらいます。
豚バラですが、沖縄の今帰仁(なきじん)アグー豚を使いました。
在来種のアグー豚の保護と、地域の活性化に高田茂典さんが頑張っているが、これを全日本食学会としても、生産者を顕彰しようという制度を設けまして、全国の中から高田さんがグランプリを取りましたので、これからも皆さんに味わっていただきたい。
二日目は、全日本食学会のスタッフの石田陽子さんと大場由利さんが堀井社長に招かれていた。
続いて、食材の江戸東京野菜について説明をした。
最後に、江戸東京野菜ではないがとして、「江戸城 濠大根」を紹介した。
江戸城の濠は、徳川家康が天正18年に江戸城に入城したころは、日比谷は入り江になっていて、神田の山を切り崩して埋め立て、日比谷は濠としました。
その頃、桜田(桜田門)辺りには、ハマダイコンが咲いていたが、その後、桜田門付近から半蔵門に向かって群落ができている。
その飛び種が歩道を飛び越えて、緑地で芽を出し種を結実させていたことから、その種で現在、渡邉和嘉さんに栽培を依頼している。
辛み成分のイソチオシアネーゼが豊富で、今回、内藤唐辛子切りの時に味わっていただくよう皆さんにお願いした。
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一、内藤南瓜と蕎麦搔の重ね
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林先生談
滝野川と馬込の味比べは、長ニンジンと短根ニンジンの生の食べ比べで、塩やそば味噌を用意してある。
内藤カボチャは、西洋カボチャと比べると優しい甘さ、蒸して緩めの蕎麦掻をかけて、さらに内藤カボチャの餡をかけています。
アクセントに、千住ネギの揚げたのを載せています。
蕎麦掻にカボチャの餡かかかり、それに内藤カボチャのピュウレーがかかったものです。
一、馬込三寸人参梅冷掛け
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品川蕪は大根のようなカブで、縦に短冊のように切り、
アグー豚を挟んでいます。
アグー豚は戦後絶滅危惧だったのが現在保存育成されています。
胴体が短い、産む子供の数が少ないなどから
飼育されなくなったりで絶滅しそうだった。
冷えても油っぽくない。重ねにはそば粉をまぶしてある。
馬込三寸ニンジンの梅冷掛けは、
更科蕎麦と馬込三寸ニンジンの甘さを、
塩味で梅干しの酸味だけで醤油は使っていません。
更科堀井四季の会を、ブログに紹介してくれている
藁科美信さん(フードアナリスト)もご参加いただいた。
一、内藤唐辛子切り
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三河島菜の中に、忍んでいるアナゴを入れてあげた。
内藤唐辛子切りは、唐辛子の中でも旨み成分が多いのが内藤唐辛子です。
前に、やったことがあるんですが、今回の内藤唐辛子は、多目に入れてあります。
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このカキは、見栄えは悪いんですが、ゴマが入って黒いような柿です、
駒が入っているというのは、タンニンが固まったもので、そのような柿は甘いんですと説明している。
林先生は少し早めに来て、生クリームを作っていた。
オープンパイに生クリームを乗せてシナモン、クロームとオールスパイスミックスした。
この場合、甘さを控えめにして、ハーブをたくさん入れていて、更科堀井の女性社員に作り方を指導していた。
お客様で作家の高田在子さんが、挨拶に見えていて、「はなの味ごよみ」を角川から出版したという。
目の前にいた松嶋あおいさんが読みましたというのでツーショット。
読者が目の前にいたので高田さんも喜んでいた。
最後に、河合料理長から挨拶があったが、皆さんからは、おいしいお料理を作ってくれたことに対して感謝の拍手が沸き起こった。
禅師丸柿は、見栄えは悪いが甘い柿として東京では昔から栽培されてきた。
今回は、一つだけだが、お土産として配られた。