東京すし和食調理専門学校の生徒さんに江戸東京野菜について教えていただきたいとの依頼が、同校理事「(株)にんべん」の高津克幸社長からあり、
先週は寿司コースの皆さんにお話しをしたことは紹介した。
今回は、和食コースの皆さん58名で、調理は菊池和久講師と志田由彦講師が担当された。
同校は、中国、韓国、ベトナムなど、アジア系の生徒が7割を占めていると伺った。
中国では、日本を旅行した経験から、日本食の健康志向を評価してリピーターとして再来日するひとも多い、また日本食人気の高まりから、大都市を中心に日本食ブームが起こり、和食レストランが増加しているとも聞く。
特に中国の生活レベルが向上していることから、日本料理の資質への要求も高まっているという。
また、韓国もしかりで、日韓関係は過去最悪の中で意外だが、民間交流では寿司をはじめとする日本食人気は高まっているという。
本格的な和食の技術を学びたいとする学生達が来日、入学している。
同校の入学条件に、日常の日本語が話せること、
になっていることから、教える側も違和感はない。
上の画像をタツプする
和食コースは、寿司コースの倍の生徒数だから、
地下の広い教室で行った。
私の講座は、映像を見せることから、
大きいスクリーンを用意してもらった。
志田先生の司会ではじまり、プロフィールを紹介してもらった。
講義では「江戸東京野菜とは・・・」から始め、
当日使う、亀戸大根、青茎三河島菜、金町こかぶについて
物語と、特徴などについて説明を行った。
日本の和食店での江戸東京野菜の活用事例等も紹介している。
菊池先生のクラスでは、食材とレシピについて説明を行っていた。
レシピは日本語だ。
レシピは、寿司コースと同じで、
押上「よしかつ」の佐藤勝彦オーナーの著書
「江戸東京野菜Cooking book」の、レシピを活用している。
上の画像をタツプする
同クラスの寺井さん、なんと都立農産高校出身で、
「高校で三河島菜を栽培していたから、よく知っています」とのこと、
食品科の卒業生のようだ。
上の画像をタップする
カブの汚れを取る係、亀戸大根を切る係、青茎三河島菜の係と、
分担して調理に取り掛かっていた。
講義で云い忘れたから各班を回って説明したのが、
亀戸大根の肉質のこと、江戸東京野菜の大根は全部か白首で、
肉質が緻密だから、包丁で切ったときに音がしない、
それに比べて青首大根は、サクサクとした音がする。
これは、江戸東京野菜の大根と、F1の大根の違いを理解する一例だ。
上の画像をタップする
調理は、集中して黙々と行っていた、
中国人同士でも会話は日本語で話しているから、違和感がない。
生徒の名前は帽子と胸に、漢字やカタカナで刺繍がされていた。
料理をする真剣な取り組みを見ていたから気が付かなかったが、
後で写真を見て気が付いたもの。
ニンジンと、小エビを混ぜて揚げる係に。
上の画像をタップする
三河島菜は、塩で揉んだり、茹でても柔らかくならない
と云っていたが、
食べると茎がシャキシャキした食感が、おいしい。
青菜の青臭さはない、江戸自慢の番付に「三河嶋漬な」
として掲載されていて、江戸時代は漬物にして食べられていたもの。
上の画像をタップする
金町こかぶは、皮を剥かなくても柔らかく煮えて
揚げの煮物が美味しい。
上の画像をタップする
下ごしらえをしてあるしめ鯖などを除いて、
江戸東京野菜の特徴を生かせたかを確認してもらった。
青茎三河島菜の菜飯は、青菜の臭みがなかった。
シャキシャキした食感が美味しかった。
金町こかぶは、皮のまま煮たが、柔らかく揚げとの味も良かった。
亀戸大根も、白い肌や白い茎を生かした調理であった。
生徒たちも江戸東京野菜の、
食材としての魅力を理解してくれたようだった。
追録
今回の講座には「農」の機能発揮支援アドバイザーとして派遣された。