8月に「練馬区 農の学校特別企画」で、江戸東京野菜の話をしたことは当ブログで紹介している。
終了後に受講者の佐久間茂さんと名刺交換をしたが、その時に、大学同窓の勉強会を毎月のように行っているので、メンバーに江戸東京野菜の話を聞かせたいとの話をいただいた。
佐久間さんは、その後、9月の「初めての江戸東京野菜」講座を受講され、江戸東京野菜めぐりのバスツアーにも参加されている。
そして12月には江戸東京野菜コンシェルジュの資格を取得して9期生になられた。
佐久間さんが話していた「MOTサロン」の加藤美治さん(東京農工大学同窓会副会長)から、正式に招かれた。
「MOTサロン」は、東京駅八重洲口から5分の八重洲ファーストビル 5階で開催された。
MOT(Management of Technology)サロンは東京農工大学大学院MOT修了生が継続した学びの場として始まり、10年間で100回以上を開催していて、最近は修了生以外の皆様も広く参加されているという。
少し早めに行って、パワーポイントのチェックを行っていたら、佐久間さんも見えて、今日早く「練馬区農の学校」に行って収穫してきたと、亀戸大根、滝野川ニンジン、馬込三寸ニンジン、金町コカブ、渡辺早生ゴボウを、参加者に見せるために、テーブルに並べた。
「江戸東京野菜は物語がある」というテーマで話をさせていただいたが、東京農工大学とのご縁も、紹介した。
小金井市には、江戸東京たてもの園があり、江戸時代のたてものが復元されている。
そしてご縁1は、小金井市にある東京農工大学工学部には、養蚕と繊維産業、さまざまな繊維機械を展示している科学博物館がある。
「住」と「衣」があるのなら、残りは「食」で、江戸東京野菜を小金井で栽培できれば、
小金井市に来れば、江戸時代からの「衣食住」の歴史文化が学べるということで、2007年から小金井市のまち興しが始まつた。
東京農工大の学生を中心に小金井市の各大学の学生で「いがねこ」が結成され、江戸東京野菜料理コンテストが開催され。
東京農工大の小野隆彦副学長が審査に当たったことから、同校のホームページに紹介されている。
もう一つのご縁が、早稲田ミョウガの発見だ。
ミョウガは、種で殖やすのではなく、地下茎で殖えていくものだから、早稲田に残る旧家の庭などに早稲田ミョウガが生えているのではないかとの、仮説を立てて、ブログで「早稲田ミョウガを探しませんか!」と、参加者を募ったところ、「都市化した早稲田にあるわけないだろう!」の声が多数、
私の話を聞いた、梶井功元東京農工大学学長が、「いい人を紹介してあげよう!」と、当時早稲田大学の副総長をされていた堀口健治教授(農業経済学が専門)を紹介いただき、学生による早稲田ミョウガ捜索隊が結成された。
早稲田界隈を数回捜索した結果、明治26年からお住いの旧家にミョウガを発見、当日のNHKニュース7で放送されたことを紹介すると、皆さん面白がってくれた。
その後、栽培された早稲田ミョウガタケのお料理は、梶井先生にも食べていただいたが、
このことは新聞にも掲載された。
このサロンを紹介してくれた、佐久間さんは同校工学部の大学院を卒業して、NECマネジメントパートナー(株)にお勤めということだから、NEC本社ビルのある三田と江戸東京野菜のご縁について紹介した。
本社ビルの敷地は、かつては薩摩屋敷で、屋敷には太い孟宗竹が植えられていた。
薩摩藩の島津吉貴公が元文元年(1736)に、中国江南地方の竹を琉球を通じて取り寄せ、島津家の別邸「磯庭園」に「江南竹」として植えられている。
その竹は、幕府にも献上されたが、幕府は儒学を学問の中心に据えたことから、中国の竹と聞いて、儒学の教え「二十四考」の一人、真冬に筍を親に食べさせたいという孝行息子の「孟宗」の名をとって孟宗竹と呼ばれるようになった。
私の話が終わったところで、
佐久間さんは持ってきた江戸東京野菜を、
ナイフで輪切りにして参加された皆さんに食べてみてくださいと、
配り始めた。
亀戸大根、おいしいでしょう!、
馬込三寸ニンジン、甘いでしょう!、
滝野川ニンジン、匂いが独特でしょう!、
金町コカブ、柔らかいでしょう! と・・・
江戸東京野菜は食べてみて、理解させるのが一番。
追録
6時からの懇親会に招かれた。
「早稲田ミョウガの話は、面白がったが、その後そのような取り組みはありませんか、」という質問があった。三河島菜の発見の話をしたが、
講演後に懇親会の席で、鎌倉大根の発見と、江戸城 濠大根の話を紹介した。
何人かの皆さんと名刺交換をさせていただいた。
日本バイオベンチャー推進協会の田村弘志専務、
田中貴金属工業株の山本俊哉取締役執行役員、
(株)フォトロンシステムソリューション事業本部の権藤浩喜氏、
(株)ぎょうせいクリエイティブの石垣純研究員、
東京エレクトロン(株)アライヤンス戦略室の塚本雄二室長代理。
皆さんお世話になりました。