「葱サミット2020 in大阪」が、1月19日(日)、11時30分から大阪ガス ハクミュージアム 5Fハクホールで開催された。
会場には、地元の難波葱をはじめ、葉ネギとして、京都から九条ねぎ、奈良県から結崎ネブカ、福井県から谷田部ねぎ、そして東京からは千住ねぎが持ち込まれ、「立ちまるき」で展示された。
同サミットについては、昨年の8月に難波りんごさんから、「プチ葱サミット」を1月に実施すると、遠慮がちな名称のご案内いただいた。
ねぎは、難波葱から全国に広まったというコンセプトから関連ねぎを集めると聞いていて、東京からは千住ねぎが指名され、浅草葱膳の田中庸浩社長と共にお誘いをいただき、
難波さん(「農」の機能発揮支援アドバイザー)からの要請で、アドバイザーとして派遣された。
主催は、難波葱の会、浪速魚菜の会、大阪料理会、大阪府南河内農と緑の総合事務所で大阪ガス(株)協賛となっている。
大阪府環境農林水産部の南部和人部長(写真左)が主催者を代表して挨拶をされた。
サミットの責任者の一人、南河内農と緑の総合事務所農の普及課西崎優子課長(写真右)
主催者からは展示用にネギ1キロを送ってくれとの連絡があったが、明治神宮に奉納している「立ちまるき」を持ち込もうと、田中社長と相談していたので、足立の内田宏之さんが栽培した7キロの千住ネギを荒縄で縛って送り、木の台は田中社長が持ってきた。
難波葱の生産者上田隆祥さんも展示作業
難波葱の会の皆さんは、葱のぬいぐるみが半纏に縫い付けていた。
司会は、「NPO法人 浪速魚菜の会」の笹井良隆氏で、開催された。
笹井さんのお店には、2017年に伺っているので、打ち合わせの時にご挨拶をした。
「ねぎの在来(地場)品種、その魅力について」
農学博士の森下正博先生が基調講演を行った。
在来種については、根深葱系と葉葱系と、F1品種の千住系と九条系について紹介した。
展示ねぎ5種についてのお話と、
食事後には、葱の味わいと料理法について紹介された。
最初に、九条葱でテーマは「こと九条ねぎ」久保功先生と長谷川茂生氏が紹介、
久保先生は、野菜文化史研究センターを主宰され、長屋王家木簡の葱を紹介された。
また、京都新聞に連載された資料を基に話され、葱の原産地は、中央アジア・パミール高原一帯で、みんなで、ツアーを組まないかとの提案があった。
地名は中国名で「葱嶺(そうりょう)」と云うそうで、日本に伝えられたのは奈良時代以前だという。
食事後には、「こと日本(株)」長谷川営業課長が、自社の取り組みを紹介した。
与えられた時間は20分ということで「摂津から砂村へ」〜千住葱のルーツは・・・〜 のパワーポイントを作った。
歌川広重の名所江戸百景「砂むら 元八まん」の浮世絵から入った。
砂村新左衛門が万治二年に新田開発をしたところに、摂津から来た農民が葱を栽培した。
霜枯れ病で葉葱の葉が枯れてしまった。
農民は、がっかりして畑を整理して、枯れたネギを穴を掘って燃やすと
良い匂い、白い根の近くが甘いことがわかり、土寄せの技術が生まれる。
また、小学校で実施している「命をつなぐ千住ネギ栽培授業」を紹介。
食後は田中社長が、井之口喜實夫さんの太い泥葱を見せながら
「江戸千住葱〜四代目のねぎレシピ〜」を紹介した。
難波葱は、森下先生と生産者の上田さんが、難波葱の会の取り組みについて紹介した。
森下先生からは、「難波葱の品種特性」「難波村の葱の品種解説」「難波葱」
「復活のはじまり」では、2010年2月に難波葱を味わう会、難波葱の会が発足している。
難波葱は、2017年3月になにわの伝統野菜に「新規認証」された。
第一回の難波葱FESTAが開催されていて、
食後は、上田さんが「難波葱発祥の地」の石碑除幕式が難波八阪神社で、令和2年1月16日に執り行われたことが紹介された。
「難波村の葱栽培は享保10年(1725)に初見され、
明治初年には50町歩あり、難波一帯は広大な葱畑であった。
難波葱は葉の繊維が柔らかく、
強いぬめりと香り濃厚な甘みが特徴で、九条葱、千住葱などの
ルーツと伝わっており、大変古い葱と云える。
2017年「なにわの伝統野菜」に認証された。難波葱の会」
谷田部ねぎは、池田良光組合長とふくいの伝統野菜サポーター森下三代さんが、説明する予定だったが、当日は池田組合長の都合がつかなくなり、森下さんが一人で「谷田部ねぎ物語」を説明された。
福井の谷田部ねぎは、曲がり葱の一種。
仙台の曲がり葱ほどではないが、2回の植え替えを行うことで、軟白の部分が釣り針状に曲がっている。
森下さんは食前と食後の2回にわたって熱弁をふるった。
池田組合長は動画で出演した。(写真上のモニター)
動画で、生葱をかじって、平気な顔をしていた場面があったことから、「辛くないの!」との質問があり、手を上げた方にみんなの前でかじってもらったが、辛くないらしい。(写真右下)
野村昌敏主任主査と、
川西町商工会の吉岡清訓事務局長から取り組みについて説明があった。
上の画像をタツプする
食後については吉岡事務局長から説明があった。
結崎ネブカとあるが、基本は葉ネギなので、違和感があったが、
関西では葱のことを「ネブカ」と云うそうだ。
冨吉満之先生から、結崎ネブカの絵手紙を頂いていた。
はがきの枠外に
奈良のNPO法人「清澄の村」で大和野菜の取り組みが進んでいます。
とあった。
難波葱応援歌「難波ネギネギN01」(谷井翔−さん)が歌われた。
リズムが良く、ウキウキするようなメロディーだった。
素晴らしい!!
上の画像をタップする
動画でアップしてくれると、みんなが覚えるのだが
例えば、江戸東京野菜応援歌のように
・5種の葱の味わいと料理法について
上の画像をタップするとネギ三昧のお弁当
島村料理長のお料理
谷田部ねぎ、
鰤酒煮る、刻み柚子
結崎ネブカ、
葱巻き玉子、ぬた和え、烏賊
九条ねぎ、
淀大根、薄揚げ
千住ねぎ、
焼きねぎ、鰆、葱ソース
難波葱
鴨葱御飯
最後に、展示してあったネギを抽選で差し上げた。
上の画像をタップする
千住ネギを当てた、親子は、皆さんに1本づつ配っていた。
会場では、千住ネギの立ちまるきの写真を撮る方が、
ひっきりなしにシャッターを押していた。
また、島村料理長が美味しいお弁当を作ってくれたので、
なにわの伝統野菜「田辺大根ふやしたろ会」の谷福江世話人は
千住ネギはどこで売っているのかなど、田中社長に聞いていた。
皆さんの気遣いに、
アウエーの地なのにと田中社長が感激していた。
参加葱生産者への感謝と会場の皆さんにお礼を述べた後
昨年千葉で開催された「全国ネギサミット」に刺激されて
開催したというが、とても良かった。
上の画像をタツプする
全員で宣言として、りんごさんに合わせて
「もっとネギを食べるぞー!!」
を三唱した。
追伸
会場には熱塾の原田彰子代表も見えていて、
26日(日)には難波葱の収穫体験と料亭で食べる機会もあると
チラシをいただいた。
追録
ライフワークで鳥飼茄子などを摂津市で栽培している奥野翔さんには、千住ネギの立ちまるきや、私の写真などを撮っていただいた。ありがとうございます。
会場で皆さんと名刺交換をした。
南河内農と緑の総合事務所森井喜博所長、川西町商工会吉村伸泰会長、大阪木津市場(株)太田雅士販売管理主事、バナナハート(株)立花尚子プロデューサー、全国農協観光協会西日本事務所納谷陽子主任、三菱ケミカル(株)大阪支社山元唯光マネージャー、グランプランニング(株)片岡昭顧問。