江戸東京野菜コンシェルジュで、野菜ソムリエプロ・キッズベジフルクッキング講師、地元野菜!作る人・食べる人を繋ぐベジックル代表の肩書を持つ増田純代さんが、東京の西、奥多摩町立氷川小学校(松下静徳校長)の食育授業で、平成30年度 江戸東京野菜品目追加登録された治助イモを取り上げたので、紹介いたします。
2020年1月30日(木)奥多摩町氷川小学校6年生11名(当日1名欠席)対象に食育授業を行いました。2018年9月おくたま海沢ふれあい農園で行われた奥多摩ワサビ収穫体験イベントに参加した際、園の管理運営責任者の堀隆雄さんと出会いました。
奥多摩町の食育サポーターの会のメンバーでもある堀さんより今回の食育授業のご依頼があり、奥多摩ワサビまたは治助イモを取り上げていただけないかとのご希望でしたので、今回は治助イモにスポットをあて調理実習を兼ねた90分授業になりました。
午前中奥多摩駅に到着後さっそく学校に向かい校長先生にご挨拶。
壁も床も奥多摩の木材を使用したぬくもりを感じるすてきな校舎でした。
家庭科室で備品チェック後6年生の担任の稲葉義愛先生、お手伝いしてくださる食育サポーターの会のメンバーと打ち合わせをしました。ここで稲葉先生より今年1年間子どもたちは奥多摩の文化・特産品を学んだあとさらにどう発信していくかに取り組んでいるとのこと。
おいしかった。楽しかったのみの表現力はNG。
表現力を身につける学習をしていますとのお話がありました。私もその取り組みに感銘いたしましたのでそのことを踏まえて授業をしよう!と思いました。
そのあと地元の人気レストラン「さか」でおいしいランチをごちそうになりサポーターのみなさんと交流し有意義な時間を過ごしました。堀さんのお心遣いに感謝です。
13:00学校に戻り準備開始。
13:40から授業開始。待ちきれない子どもたちが早くから家庭科室に集まってきました。
13:40〜14:00まではパワポを使用してクイズを交えて座学の時間。じゃがいもの種類どのくらい知っていますか?の質問ではすぐに「治助イモ!」という声が。治助イモを家で育てているという男の子もいました。
さっそくこどもたちの発信力の勉強になるかな?と治助イモの良さをわたしに伝えてみてください。と問いかけてみました。「ねっとりしている!」「急斜面でできる」「小さい!」とつぎつぎに発言してくれました。
治助イモ(昨年収穫したものを貯蔵) 左:男爵イモ 右:治助イモ
14:00〜ホクホク系代表男爵イモとねっとり系治助イモを徹底比較と題して食べ比べの時間です。それぞれ @1/4カットで蒸す A千切り炒め Bくし切り揚げる C乱切り茹でてつぶす の4種類で比べました。
味だけではなく切った感触、加熱したときの変化、潰すときの感覚の違いなどカラダ全体で違いを感じてほしいと思いましたので子どもたちには調理の全行程を体験してもらいました。食育サポーターのみなさんのご協力もあり、少し時間を押してしまいましたが無事に完成。
いよいよ試食タイムです。それぞれの感想が記入できるワークシートも作成しましたので食べながら記入してもらいました。
・つぶしたとき男爵はすぐに潰せたけど、治助イモは少し固かった。
・切るとき治助イモのほうが固かった。
・男爵のつぶしたのはポソポソしていて治助イモはしっとりしていた。
などなどたくさんの気づきがあったようです。
どっちが好みだったか挙手してもらうと調理の仕方によって治助が好き!が多いものと男爵が好き!が多いものに分かれたのが興味深かったです。それぞれの特性を生かす調理法を知るヒントになったのではないかと思います。
翌日は今回の授業についての作文を書く予定とのこと。また後日共有してくださるそうですので楽しみにしております。
この学年の子たちは4年生のとき学校で治助イモを育てたことがあるそうです。その年は給食にも出たそうなのですが、それからは給食に登場していないようでした。担任の先生そして食育サポーターのみなさんから例えば今回の6年生が考えたレシピを来年度の給食に出して下の学年の子たちが食べる。
氷川小学校治助イモリレーなんていうのが出来たらいいね。などと素敵な意見が飛び出していました。町ぐるみで取り組む姿勢が素晴らしいなと感じました。
今回はじめて江戸東京野菜をテーマに学校で授業をさせていただきましたが、子どもたちに伝える大切さを感じ今後もぜひこのような活動を続けていきたいと思いました。