東京ファーマーズイノベーションのコーディネーターの中村正明先生から、講師依頼のメールがあったのは9月だった。
中村先生からは、2017年に丸の内プラチナ大学で呼んでいただいているが、
今回も、一般社団法人大丸有環境共生型まちづくり推進協会(エコッツェリア協会)が主催だ。今回は東京都の補助事業で、中村先生の潟Rミュニティデザインが運営事務局となって「東京ファーマーズイノベーション」を、10月から実施するという。
今回の事業は、ゲスト講師の話とともに、各回5人程度の東京都の生産者にご参加いただくと云うもので、丸の内エリアの食に関心の高いオフィスワーカーや企業等に、約10分程度のプレゼンをして頂き、その後、自慢の農産物や加工品を試食して頂くというもの。
その後は、参加生産者の農産物等を使用した料理とお酒での交流会を開催するという。
お酒も飲めるとは、良い企画だ。結局、第3回の講師を依頼された。
会場は、2017年と同じで、大手門タワー・JXビル1階の3×3Lab Future
写真右手前から、コーディネーターの中村先生、次に生産者の増田康司さん、中村克之さん、西野耕太さん、左奥が冨澤剛さん、左手前、江戸東京野菜コンシェルジュ9期で三鷹の海老原雄一郎さんも見えていた。
この日は、夕方から東京は雪が降るとの天気予報で、お客は来るのかわからないが、中止との連絡もないので18時前には着くように家を出た。
第1部 18:40〜19:10
トークテーマ:「江戸東京野菜の魅力と可能性」で、中村先生からの依頼により、
東京の農業(都市農業)の現状と課題
東京農業の現状に加え、課題については、税再問題、高齢化と担い手不足、農地の賃貸借などに触れた。
江戸東京野菜とは?、
練馬大根の話が分かりやすいので、ベースにしてから、伝統小松菜、生産者の中村克之さんが来ているので、東京ウドの話、江戸東京野菜のコンシェルジュとしては、三鷹の冨澤剛さんが来ていたので三鷹の生産者グループなども紹介した。また、固定種は命をつなぐ授業を実施している内容のパワーポイントを作っていった。
丸の内仲通り、丸ノ内シェフズクラブが江戸東京野菜を使ってくれたことも紹介。中村先生に写真を撮っていただいた。
第2部は、ファーマーズトークと題して、生産者4人が、一人10分程度のプレゼンを行った。
エントリーアイテム:東京うど
江戸東京野菜の代表的な品目である「東京うど」は、東京の名産品として知られていますが、その生産に多大な労力を要する事と、それに見合う価格での販売が難しい事から生産者が年々減少しています。
イベントを通じて、都市部の飲食店や消費者に「東京うど」の価値を理解して頂き消費拡大を期待したいです。東京ウドのレシピ。
※本日販売予定品目:東京うど、いちご
中村さんは、10年前までは、ここ大丸有で働くエリートサラリーマンだったが、中村家を継ぐ中で、馬込半白キュウリを栽培する農家としてお会いしている。
その後、2ヘクタールの農地の真ん中が東京都の道路収容にかかり半分になってしまった。
そこからが中村さんの面目躍如たるところで、収容されたことで代替地を赤坂見附に見つけ、東京に農業がある事を消費者に伝えるために2018年6月に5階建てのビルを建て「東京農村」として情報発信をしているという。
東京産の農産物を使う飲食店の他、毎月1回、都民が東京の農家と出会うサロンも実施しているという。
エントリーアイテム:のらぼう菜
明治時代から続く農園の4代目。出荷先は地元中心、様々なイベントや体験活動を積極的に行っています。
のらぼう菜は西多摩の五日市(現あきる野市)原産で江戸東京野菜のひとつ。
アブラナ科の仲間で、葉っぱの大きなナバナのような姿をしています。
春先にトウ立ちした側芽の茎・葉・蕾を食べるのが−般的な食べ方。
茎はアスパラガスのような食感でクセがなくほのかに甘みがあっておいしいです。
お浸しや汁の具、浅漬けの他、イタリアンにも合います。
本場五日市の名人の優良品種をお裾分けいただき、三鷹で栽培を始めました。
季節限定の東京の伝統野菜を是非お見知りおきください。
※本日販売予定品目:のらぼうな、伝統大蔵大根
冨澤さんは、江戸東京野菜コンシェルジュとして活躍をされていて、のらぼう菜の生産者グループを結成。
三國清三シェフが畑を見たいというので、お連れしている。
最近では、江戸東京野菜に興味ある皆さんとのバーベキューを食べながらの交流会を実施している。
エントリーアイテム:ビーツ
東京都農林振興財団の嘱託職員で、来年度就農予定です。
現在清瀬市で両親が酪農を経営しているが、宅地化の影響で酪農の環境が厳しくなってきていることから、将来を見据えて、野菜農家を目指して、現在就農準備中。
そもそもは、地元JAの直売所で珍しいイタリア野菜が出荷されていて、食べてみて栽培したくなり、トキタ種苗を紹介され15品目のイタリア野菜を栽培し、またイタリアへの栽培視察なども行って決意を新たにした。
西洋野菜研究会のメンバーとして、現在、ピーツのほか、西洋野菜を20品目栽培しています。
今回は、ビーツのスライスと、酢漬けを持参した。
※本日販売予定品目:ビーツ
西洋野菜研究会には当日の様子が掲載されていた。
会場では、同じ西洋野菜研究会の小山三佐男さん(カラフル野菜の小山農園)にもお会いした。
畑6反と水田が4反を栽培していて、年間露地栽培として60種類以上の野菜を栽培している。祖父(88歳)がメインで、サブの仕事をしていたが、現在は別々に栽培をしている。
冬の高級大根として「おふくろ大根」を680円と高額で売っていたので栽培を始めた。
三浦大根の交配種。染み込みが早く、柔らかいのが特徴で、煮込み料理に最適です。収穫するのが大変で栽培する人が少なく、流通もしにくい品種です。
また、地元の天神米の栽培もしており、自家採種してブランデイングに力を入れて「西野米」にしたいと思っています。
※本日販売予定品目:西野米
この季節畑に残っていた、お袋大根を持参した。
おふくろ大根を出汁で煮たのと、生でスライスしたものを用意した。
交流会は料理研究家の四分一(しぶいち)耕さん(北青山食品研究所代表)が、本日出席した農家の皆さんが持ち寄った野菜を調理し並べられた。
第1回のゲスト講師、安部憲昭氏(写真)、
(一財)国民公園協会皇居外苑 楠公レストハウス総料理長
江戸時代の文献に基づき、当時の献立を現代よみがえらせる「EDO→ECOエコ・クッキングプロジェクト」をはじめ、日本料理もプロデュースする。
現在は、皇居外苑・京都御苑ブランドのお土産菓子、駅弁、お節、調味料などの監修も手掛ける。
第4回のゲスト講師、有馬毅氏(写真中)
(株)ピー・ワイ・オー 日本の御馳走えんマネージャー
地元メーカーの食品や土地に根付いた伝統的な味覚など、作り手、生産者の顔の見える日本全国の厳選したご馳走を集めた和のコンセプトショップのマネージメントを務める。現在は、生産者や加工事業者が取組む商品開発やブランディングのサポートにも力を注いでいる。
自宅の西武立川の駅に着いた時には、雪が降り注いでいた。
会場では次の方々と名刺交換をさせていただいた。
和食文化国民会議の新保正幹事(ハナマルキ(株)課長代理)、フリーライター・エディターの土屋季之氏、
ロート製薬の戸崎亘氏、キリンビバレッジの能重正規部長、近畿日本―リスト関東 秋葉光利業務課長代理と高橋舞さん、つなぐキッチンの小守ゆきえさん、