2020年02月23日

港区高輪図書館の生活セミナーが22日(土)、「四百年の歴史を伝える江戸東京野菜」として開催された。


港区高輪図書館から依頼されていた生活セミナーの「四百年の歴史を伝える江戸東京野菜」は、前日(21日)秋田からの帰りの新幹線の中で担当の竹田泉さんから電話をいただいた。

予定通り実施するのでレジュメがあれば送ってほしいとの云うものだった。
明日のセミナーは実施するのかと云う問い合わせもあり、30名の募集のところ33名が来ているという状況だった。

当日は、資料を持って、図書館のある高輪コミュニティーぷらざ に1時間前に着いたので、 2階のレストランでランチをと店に入ったら、手を振る人がいて、よく見たら、大船の江戸東京野菜コンシェルジュ・木梨峰夫さん。何かお手伝いをすることがあればと云ってくれた。





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講演の時間は2時間だが、中程で10分の休憩をとってくれと云う。

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港区にお住まいですと、東京の農業についてはご存じない方もいらっしゃるかもしれないので、まずは、東京の農業について説明を行った。
都市農業としての23区内、北多摩、南多摩の農業、
中山間農業の西多摩奥多摩では奥多摩ワサビ、五日市ののらぼう菜、
洋上1千キロの小笠原諸島では、亜熱帯の作物も栽培されている。

東京都中央卸売市場に入荷する野菜の殆どが、東京で栽培されている。

また東京の農業には歴史もある。
大政奉還により、大名たちは国元に戻ってしまった明治の初期、
空き家になった大名屋敷は牧場になり、
イギリス大使館(千代田区)のところ坂川當晴の牛乳舗があった。

千代田区には14、中央区には15、そして港区には29の牧場があった。

皆さんがお住いの港区にこんなにあったことに驚かれた反応があった。




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平成9年に、江戸から東京における農業の歴史文化伝わるところに「江戸東京の農業説明板」を50本建てたことを説明したが、視覚的に設置されている地図を紹介した。

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港区に、農業説明板は設置しなかったが、既存の農業史跡があったことは、牧場もそうだが、それ以外は、後で紹介するとした。

つかみの段階で、そんな話をした後で、今回のテーマに沿って
練馬大根を事例として紹介、江戸には全国から野菜の種が集まり、江戸の気候風土に合った野菜の種は、江戸土産として全国に持ち帰られた。

日本農業のルーツは江戸東京にあることも、紹介した。

小松菜の話、早稲田ミョウガ発見の話、日に当てない軟化栽培をみょうがたけと東京ウドで紹介した。
次に港区の話になるところで休憩をとった。





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鹿児島の磯別邸の江南竹の碑文

港区の三田には、薩摩藩の藩邸のあり、江戸東京野菜の孟宗竹(筍)が植えていた。
薩摩の藩主島津吉貴公が元文元年(1736)に琉球交易の中で揚子江の下流域に繁茂する太い竹(江南竹)を取り寄せたもので、江戸四国町の藩邸と、十代将軍家重の時代に幕府に献上する。

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幕府献上に当たって、江南竹が中国のものであることが解かると、幕府は儒教を学問の中心と位置付けていたため、中国では、後世の範として親孝行の代表的人物24人の話「二十四孝」の中で、真冬に母親の希望の筍を食べさせることができないと嘆いた孟宗の有名な話から、中国の竹だから、天保8年(1837)には、孟宗竹の名は定着していた。

江戸鉄砲洲の廻船問屋、山路治郎兵衛勝孝が薩摩藩邸でいただいた筍の味が気に入り、品川の戸越に建てた別邸に、薩摩から根株を取り寄せ、戸越の産物にする。


目黒不動尊の山門前の飲食店でタケノコ飯を食べさせたことから、筍は目黒に限ると「目黒の筍」として有名になる。




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薩摩藩邸は、大政奉還後焼き討ちに会い一時薩摩っ原と呼ばれるよ空き地となるが、明治5年に、内藤家の江戸屋敷に内藤新宿農事試験場(現新宿御苑)が開設され、明治10年にはこの地に分場の「三田育種場」を設置している。

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現在育種場跡地には、NEC本社ビルが建てられているが、国民公園協会新宿御苑の本荘暁子さんにいただいた明治19年の「舶来穀菜要覧」大日本農会三田育種場の資料によると、事業として、栽培研究の他、種苗を全国に販売や頒布会の開催なども行われた。

孟宗竹にしろ三田育種場にしろ、我が国農業のルーツは港区にもあったといっていい。

この絵では、汽笛一斉の新橋・横浜間の汽車が描かれ、明治44年(1911)から大正9年(1920)にかけて埋立地の芝浦が誕生したことで、海は遠くなってしまった。

江戸の昔から江戸の野菜を使っていた店として東都のれん会の、1830年創業の神田須田町アンコウ鍋「いせ源」、1801年創業の浅草「駒形どぜう」、1789創業の麻布十番「更科堀井」、1880創業の浅草「ちんや」などを紹介した



会場には、
同図書館に江戸東京野菜について紹介いただいた「絵本塾出版」の尾下千秋社長がお見えになっていた。

弁理士の木戸基文先生と名刺交換をさせてもらった。
先生は広島市の元普及員で伝統野菜の種の保存と普及に携わっていて、
地産地消ブランドとして「ひろしまそだち」を立ち上げていたとか。

江戸東京野菜についても興味を持ってくれたようでメモを取っておられた。

また、MOTサロンで意気投合した、LPSコンサルティング事務所の田村弘志代表が国立研究開発法人産業技術総合研究所の辻典子上級主任研究員をご案内して見えていた。

お茶でも飲みながら辻先生を紹介したいというので、近くの麻布十番にある更科堀井に向かった。

追伸
翌日、高輪図書館の竹田さんからアンケートが送られてきた。
皆さんありがとうございました。

追録

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更科堀井では、改めて辻先生のお仕事を伺ったが、
辻典子先生は、健康なカラダ作りと共生社会を実現する腸管免疫研究所の科学アドバイザーをされていて

パソコンを取り出して「フードメディシンネットワーク」についてご説明いただいた。

実践女子大元教授の大久保洋子先生も講演されたようだが、大久保先生には、何度かお話をさせてもらっている。

田村代表は野菜本来の伝統野菜・江戸東京野菜に注目し、講演を聞いて辻先生も研究素材として面白いと思っていただいたようだ。

追伸

今回のヒトに感染するコロナウイルスの関係で、イベントが中止されている。
江戸東京野菜関連でも2月15日予定されていた
江戸東京野菜ワークショップは、とりあえず4月19日に延期されたのをはじめ

杉並保健所で開催予定だった「江戸東京伝統野菜を知って家庭に取り入れよう」も延期となった。

3月16日の飲食店を対象にした東京ガスの「江戸東京野菜塾」も中止となりました。
posted by 大竹道茂 at 13:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育・食農・講演会等
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