2020年02月26日

2020全国伝統野菜サミットin 秋田湯沢の初日は1部と2部が開催された。


秋田県湯沢で開催された伝統野菜サミットのパネラーを依頼されていたので、前日の夕方湯沢についた。、ホテルの近くの店で、三関セリと、ひろっこをいただいたことは、紹介した。

明るくなったのでホテルの部屋から外を見ると、例年だと軒まで積もった雪に覆われているそうだが、わずかな残雪だが、寒々としていた。





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ABS秋田放送のラジオカーリポーター鈴木香里さんの進行でサミットは予定通り13時30分から始まった。

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主催者のあいさつでは、
実行委員長 吉澤結子氏(秋田県立大学理事兼副学長)
秋田県雄勝地域振興局長 深井力氏、
湯沢市長 鈴木俊夫氏、
それぞれの立場で、
秋田の伝統野菜の現状とサミットの盛会、来場者への感謝を述べた。


引き続き、
あきた郷土作物研究会事務局長の櫻井健二先生(秋田県立大学准教授)が、あきた伝統野菜の定義、あきた伝統野菜の特徴、秋田の発酵文化等、「秋田の伝統野菜と発酵文化」について紹介した。






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基調講演は、一般社団法人日本食べる通信リーグ代表の高橋博之氏で、テーマは「食べる通信で伝統野菜を伝える意味とは」。

「食べる通信」食べもの付きの情報誌で2014年に高橋氏が起業したもの。月刊誌の食べ物通信で特集をした食材が一緒についてくる。

発行団体はテーマごとに、全国にあって、好みの食材、野菜・果物、水産物、肉・乳製品、等。
また地域で選ぶには、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州/沖縄、テーマ型で、生産者と消費者を繋いでいる。
都市住民と繋がれるのは食べ物だと、全国の事例を紹介している。

飯尾醸造がお客さんを大事にすることで、お客さんが口コミで顧客を増やしてくれる。

福島県会津の伝統野菜「小菊カボチャ」、長谷川純一さんは俺の代で無くすわけにはいかないから作っている。

それを食べ物通信で紹介したら、都市住民の応援団ができた、それを知った周りの農家が俺も俺もで、生産者は30人になった。

消費者は、小菊カボチャを食べ終わった後、種を返してくれる。こんな交流が生まれた。






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15時からのパネルディスカッションは、
三関せり出荷組合の奥山優一組合長、三浦農園の三浦隆弘代表
野菜ソムリエ上級Proの萬谷利久子さん、
と私の4人に助言者の高橋博之氏。

コーディネーターの江頭宏昌先生(山形大学教授)の進行で開催されたが、何せ1時間30分と云うことで、打ち合わせでは、まず、@これまでの取り組み、A現状の課題、B、これからの抱負、について時間の関係上、簡潔にまとめて話すことになった。

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サミット実行委員会の皆さんの尽力で、180人を超える方々がお見えになった。




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三関せり出荷組合の奥山優一組合長、
江戸時代から伝わる三関せりの生産者組合員45人。栽培面積は5ヘクタールハウスが3ヘクタール

三関地区は東鳥海山が連なる山々を背に形成された扇状地で、そこから流れ出る伏流水と肥沃な土壌が品質の良い三関セリを作り出している。

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平成26年に地域団体商標を取得した、27年度にはふるさと秋田県農林水産大賞を受賞した。

昨年初めて販売額は1億円を突破した。

天皇陛下の即位に伴う大嘗祭の庭積机代物として「三関せり」が献上された。
東京でも、江戸東京野菜を献上したが、末永く次代に伝えていただきたい。

若手の生産者も育ち、伸びゆく伝統野菜として期待されている。
 三関せりのほか、米、さくらんぼ、りんごの複合経営農家。
昨年長男の和宣氏が株式会社CRASを立ち上げ、ともに大規模三関せり生産に取り組んでいる。






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三浦農園の三浦隆弘代表
宮城県名取市でせり栽培をしているが、夏の時期は、ミョウガタケ、エダマメ、アサツキを栽培しているという。
宮城県で出荷量の多いのが「セリ」で、そのうちの8割が名取市で栽培されている。

上余田地区と下余田地区で、地下水位が高く、水が湧いてくる、お米を作りたくても中々作れないところだった。下余田地区で専業兼業合わせて40軒ぐらい、面積で8〜10ヘクタール、名取市の大産地が昨年の台風19号で2〜3割流されたので出荷量が減少したことから、三関セリが高く売れたと思うと・・・。

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栽培環境は、2017年にNHKの里山でも放映されていて、「命にぎわうセリの田んぼ」映像が流された。
三浦さんは、生き物が住み心地の良い環境、生き物と寄り添うことによって美味しいセリができると強調していた。

三浦さんの栽培の様子は、東北食べる通信2019年3月号に掲載されている。





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野菜ソムリエ上級Proの萬谷利久子さん、

北海道の札幌から来られた、北海道に生産者の方の商品を作ったり、サポートしたり
農業以外の人たちと生産者をつなぐ仕事をしている。10年前からかかわっている足寄町のラワン蕗は、秋田蕗の系統の蕗です。

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2メートルぐらい伸びますが、昔は4メートルにもなり馬に乗って歩けたと云われている。今年は雪解け水も少なくて根の張りが悪くなって、今年は大きなものは期待できないと思われます。
ラワン蕗が収穫できるのが3週間、加工品の内、水煮を93パーセント流通させています。
10年前は、誰も知られていなかったので、これを何とか認知度を上げてきた。

現在は18.5ヘクタール、2件で栽培をしている。
最近では生で食べるサラダ需要も増えてきている。真ん中に穴が開いているので肉を詰めたり、チーズを詰めたり、すし飯を詰めたりして食べている。と

札幌黄たまねぎ、ラワンぶき、亀田あかかぶ





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江戸東京野菜のこれまでの取り組みについて、江頭先生から指名を受けたので、パワーポイントで紹介した。

江戸東京野菜を紹介する前に東京の農業を紹介。
山手線で一回りして農業はないと判断されることがありますが、東には0m地帯で、江東地区には小松菜などの年6回転の葉物栽培、西には、秋田県の駒ケ岳より高い、2000m級の雲取山があり、そこでは、ワサビが栽培されている。中央卸売市場に入荷する野菜は、地方のブランド野菜を除くと、なんでも栽培されているのが、東京です。

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江戸東京の農業は日本農業のルーツだとして、農業説明板を50本都内に建て、物語を掲載しています。

練馬大根ひっこ抜き競技大会で抜いた大根は給食に、江東区立第五砂町小学校の「砂村一本ネギの種の伝達」は、足立区の小学校が千住ネギで実施。教科書に掲載された。

練馬大根でギネスに挑戦、亀戸大根の収穫祭、品川カブの品評会等、

大手町の白いロングテーブル、業者向けの「江戸東京野菜のまるごと体験」産地見学、江戸東京野菜の商談会などの実施。





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会場から何人かの質問を、江戸東京野菜に頂いた。
鹿児島の中野八泊さんからは、
練馬大根の種採りは行っているのかとの質問をいただいた。
練馬区から依頼された、渡戸章さんたちのことを紹介した。

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江戸東京野菜は生きた文化遺産で、文化庁の日本遺産に登録しようと
全国に先駆けて取り組み中である事を紹介した。

尚、当日資料としては、50品目の説明資料と新聞記事、
ビオストーリーに掲載した「江戸東京野菜と農業振興」のコピー。
江戸東京野菜の物語」の3月15日刊行案内を加えた。


追録

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10時には会場設営で、吉尾聖子先生をはじめ実行委員会の皆さんが集合された。

昨日皆さんとの話の中で、江戸東京野菜に対する期待度を感じたので、作ってきたパワーポイントの一部の修正を余儀なくされ、ノートパソコンを借りて作業をしているところに、大竹さん! と声をかけてくれたのが、椿信一さんだった。

椿さんは秋田県農業試験場の方で、2011年に名古屋でお会いしていて色々教えていただいた。
山形の山形大根は、ウイルス病対策で江戸東京野菜の高倉大根を導入したことなどを確認した。
椿さんは現在、博士で、野菜・花き部 園芸育種・種苗担当上席研究員の名刺をいただいた。

会場には、東京からフードジャーナリストで食文化研究家の向笠千恵子先生(江戸東京野菜コンシェルジュ協会顧問)が、友人のきりたんぽコーディネーター加藤照子さん(割烹美ふじの女将)と、秋田出身の俳優TONY石沢徹さんを同行されていた。

伝統野菜プロジェクトからは草間壽子先生( (食生活ジャーナリスト・江戸東京野菜コンシェルジュ)、領家彰子さん(フードコーディネーター・栄養士)、脇ひでみさん(食生活ジャーナリスト)、御倉多公子さん(江戸東京野菜コンシェルジュ・園芸研究家)、高橋芳江さん(果菜里屋・江戸東京野菜コンシェルジュ)の皆さん。
江戸東京・伝統野菜研究会からは亀島由美子さん(江戸東京野菜コンシェルジュ)が、お見えになっていた。

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江戸東京野菜の展示については、果菜里屋(青果商)の高橋芳江さんが送ってくれた、練馬大根、亀戸大根、東京ウド、千住一本ネギ、滝野川ニンジン、早稲田ミョウガタケ、伝統小松菜(ごせき晩生小松菜)、練馬大根のたくあん漬、が届いていて、椿さんが展示してくれていた。

まだ江戸東京野菜ではないが、「江戸城 濠大根」を高橋さんが持参してくれていた。

2部は、ここから

追伸

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吉尾先生が秋田さきがけ新報に掲載されたと送ってくれた。
画像をクリックしてお読みください
posted by 大竹道茂 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 全国の仲間の話
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