渡邉和嘉さん(江戸東京・伝統野菜研究会副代表)が栽培している、
東京大越(とうきょうおおしろ)ウリが、
収穫の時期を迎えていて、いくつも実っていたので、
毎回、更科堀井の四季の会でお会いしている、
芳子さんに云って、分けてもらった。
大越瓜は江戸時代から作られていたが、
明治以後、豊多摩郡野方町(現在の中野区野方・鸞の宮)の篤農家が
改良して、東京大越ウリが生まれた。
その後、練馬や滝野川方面に伝わると、
滝野川の種苗商によって、全国へと広められていった。
”イタチウリ” と云われたのが気になって調べてみた。
何でも下板橋から伝わった早生のシロウリで
“いいたち” 良い質の意味から、”イタチ” と云ったとか、
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鳴子ウリや内藤カボチャ、雑司ヶ谷カボチャの採種も行っているが、
今年は雄花と雌花の同時に咲くタイミングが悪かったり、
長雨の中で花粉のつきが悪くて、実りが少ないが、
東京大越ウリは、実のつきが良い。
簡単に食べられる、塩漬けにして酒のつまみでいただいている。
長さが30cm前後、1個の重さは1.8kg前後にもなる
円筒形の大しろうりは、1株から4個取るのが標準とされていた。
奈良漬専用のため、収穫すると直ぐ加工業者に売り渡された。
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皮の緑色はやや淡い。6〜7月が食べころで、
うっとうしい梅雨空を払うような、
青味・風味・涼味の三拍子揃った "旬”の漬物として、
現在でも江戸っ子に愛されている。